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140.
ティルたちが準備に励む一方、その頃。
魔道具保管庫にて、不審な動きを見せる者たちがいた。
深夜に密かに保管庫へ忍び込み、妖精郷遠征に必要な装備へと近づいていく——。
一見すればただのガスボンベだ。
しかしその実態は、天才魔道具師の手がけた、瘴気を無効化する装置である。
侵入者たちはにやりと笑うと、ガスボンベを回収した。
そして代わりに、外見だけを似せた粗悪品をその場に置く。
彼らの目的は明白だ——今回の遠征の失敗である。
現在、ミシェルを中心に大規模な国政改革が断行されていた。
しかし急速な改革には、当然、反発も生まれる。
保守派の一部はこの遠征を利用してミシェルを失脚させようと企んでいた。
魔道具のすり替えは、その保守派が仕組んだものであり——。
がちゃり、と扉が開いた。
「間抜けが、自ら罠に嵌まったようですね」
「ようこそ。ここは地獄だ」
ミシェルとギデオンが、冷ややかな目で侵入者たちを見下ろしていた。




