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【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない  作者: 茨木野


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137/139

137.


「じゃーん、完成したよー!」


 八宝斎が笑顔でミシェルの執務室に入ってくる。

 その手にはガスマスクのようなものが握られていた。


 顔を覆うマスク、そして背中にはボンベが取り付けられていた。


「凄いよこの魔道具! なにせ……」


 べらべらと早口で、魔道具の仕組みを解説しようとする八宝斎を、ミシェルが穏やかに制した。


「これが優れたものだということくらい、語っていただかずともわかります」


「そう?」


「ええ、仕様書には目を通してありますので」


 長時間の瘴気内での活動を可能とする、ガスマスクを、手に入れた。


「さらに! 防護服まで作っちゃいましたー!」


 折りたたんであった服を、八宝斎は広げてみせる。

 分厚い特殊な生地を使った服を前に、ミシェルとティルは目を丸くする。


「そこまで頼んでいないのですが」


「必要かなーって思ったから、勝手に作っちゃった!」


「そうですか。助かります」


 ミシェルはふむ、とうなずく。


「製作コストはいかほどで?」


「試作品だもん、お金は取らないよ!」


(ひぇー! 八宝斎の魔道具っていえば、超高値で取引されるものですよ! それをただでゲットできるなんて、ミシェル様の詐術はとんでもないですよぉ~)


 声には出さなかったが、表情には出ていたのだろう。

 ミシェルがティルをにらみつけてきた。


(てぃるは賢い子なので、余計なことを言わない。てぃるは、学んだのですぅ)


 もがもが、とティルが自分の口を手で押さえるのだった。

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