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【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない  作者: 茨木野


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133/137

133.


 ピクシーの設計図を、八宝斎は食い入るように眺めていた。


「なるほど……。浄化の魔法陣サーキットを大きく作るんじゃなくて、細かく分割して……。倍加術式で効果を増幅……。この仕組みなら最小限の魔力で浄化効果を維持できる訳か……」


 数時間、八宝斎はひたすら設計図に向き合い、その評価を続けていた。

 ミシェルは魔道具の専門家ではないが、相手がかなりこれに強い興味を抱いていることは、十分に伝わった。


 やがて、八宝斎がゆっくりと口を開く。


「これ、実物は?」


「ないです。これから作ります」


「私に作らせて欲しい」


(食いついてきた……!)


 ピクシーはあえて、八宝斎の真正面に立たないようにしていた。

 彼女の目は虚無の魔眼といって、魔力から相手の感情を知ることができると、知ってるからだ。


(相手はいわば読心術の使い手だぞ……ミシェル……いいのか……? 君の打算が、全て読まれてしまうぞ……?)


 しかし、ミシェルは八宝斎の目を真っ直ぐに見据えたままだった。

 獲物が餌に食いついた瞬間にも、表情にはまったく揺らぎがない。


(なんと言うポーカーフェイス……。しかし魔力を見る相手には通用しない……いや、そうか! ミシェルは加護を持たない。加護と魔力は切っても切れない間柄だ。つまり、彼女は魔力を持たない)


 ゆえに、魔力から心を読まれることはない。


(なるほど……。やけに自信があるとおもったら、こういうことだったのか。八宝斎を相手にしても商談で優位に立てる、その勝算があったんだな)

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