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【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない  作者: 茨木野


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132/137

132.


 ピクシーの作った設計図を手に、ミシェルは八宝斎はっぽうさいの店へと向った。


 出迎えたのは、緋色の髪をした美しい女性、天才魔道具師である、八宝斎はっぽうさいだ。


「こんにちは、八宝斎はっぽうさい


「ミシェルさんっ! こんにちはー!」


 八宝斎はニコニコしながら歩み寄ってくる。

 その気安い雰囲気を、ピクシーは密かに首をかしげた。


(そんな仲良かったのか……この人たち……?)


「これお土産です」


 ミシェルは持ってきた紅茶の茶葉を八宝斎に手渡す。

 彼女は「いつもありがと~」と笑みを向ける。


(なるほど……カイウスの知育玩具の件でお世話になって以来、足繁く通い続けていたわけか)


 純粋に感謝の気持ちはあるだろう。

 しかし抜け目ないミシェルのことだ、この天才職人を他国に逃がしたくないがゆえに、頻繁に店を訪れれ、丁寧に関係を育んできたのだろう。


「わぁ! この紅茶好きなやつ~!」


「そうですか。偶然選んだものが気に入っていただけたらなら、嬉しいです」


(絶対リサーチしたでしょ……君……)


 ミシェルがたまたま相手の好みに合うモノを選ぶはずがない。

 彼女にとって、情報は武器も同然なのだから。


「それで、今日はどうしたの?」


「実はマギア・クイフの賢者が、面白い設計図を書いたのですが。実現可能かどうか、魔道具師の意見を伺いたくて参りました」


(なるほど……依頼として押しつけるのではなく、まずは相談から入るのか。そして相手が興味を抱いたところ本題に入る算段か……)


 何かを手に入れるために、周到な準備と戦略を練っておく。

 ピクシーは改めて思った。


(味方でほんと良かったよ……)

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