表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない  作者: 茨木野


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/140

120.


 軍事演習を終え、ギデオンは意気揚々と帰還。

 真っ先にミシェルの元へ向かう。


「聖王国の連中をぶっ倒してきたぞ! 褒めろ! ミシェル!」

「座れ、ギデオン」


 執務室の前で、書類仕事をしていたミシェルが、冷たいまなざしを向けてくる。

 一緒にやってきたティルは、その迫力に気圧される。


 が、そんなの気にせず、ギデオンはミシェルの前に座る。


(おかんむりですぅ~……。賢いてぃるは、クールにさるぜえ……)


 そぉ……とティルだけ逃げようとするも、「おまえも残りなさい」とミシェルに釘を刺される。

 二人そろって、ミシェルの前に正座をする。


「まずは演習お疲れ様でした」

「ふっ……! もっと褒めるが良い!」


 今回の指揮はグレースがとっており、さらに実働したのは新兵達だ。

 ギデオンは現場責任者としてその場に君臨していただけ。


「部下の邪魔をしなかったことは、褒めてあげます」

「ふっ……!」


(それ褒めてるんでしょうかねえ……)


 ギデオンはご満悦の様子。

 ミシェルはハァ……とため息をついた。


「グレースからの報告を聞きました。ギデオン、おまえ……訓練開始前に、グレースの恋心を、マルコーに明かしたようですね」


(あー……そこかー……。アレはよくなかったですよぉ……)


 ギデオンは「ん? そうだが?」とまるで悪気がなさそうに、首をかしげる。

 

「……今回は上手くいったからよかったものの、一歩間違えれば、全体の士気を下げることになっていたのですよ?」


(ひぃい! あ、悪鬼~……)


 ティルはミシェルから発する怒りのオーラに、思わず体を震わせる。

 眉間にしわを寄せ、こちらを視線だけで殺そうとするほどの、迫力。


 まさに悪鬼羅刹のごとしだった。

 しかしギデオンは「ん……?」と首をかしげる。


「なぜだ? 明らかに、マルコーもグレースの奴も、好き合っていたではないか。明白だったろう? 間違えるもなにもないじゃあないか」


「「…………」」


(こ、この無能帝……そんなことがわかるんですぅ~? テキトー言ってるだけではぁ……?)


 ティルが疑いのまなざしを向けていると、ギデオンが気づいて、不満そうに鼻を鳴らす。


「グレースはいつもマルコーを視線で追っていた。一方で、マルコーも何度も、同じようにしていた。目線が合った時に、二人とも照れくさそうに目をそらしていた。これは、好き合っているからではないのか?」


「……!?」


(い、意外と……人を見てやがるですぅ! この無能!)


 ミシェルも目を丸くすると、小さく息をつく。


「根拠があったうえでの発言だったんですね」

「無論だ。なぜ俺が、士気をさげ、ミシェルの国を潰すようなマネをする?」


(いやミシェル様の国じゃ無くて、あんたの国ですけどぉ……。まあ、確かに言いたいことはわかるですぅ)


 ギデオンにとっては、今回の作戦は、失敗できないものだった。

 作戦の成功確率を高めるために、取った方策の一つだったのだろう。


「わかりました。では、おとがめなしということで」


 そんなギデオンを、ティルは感心したように見る。


(この無能帝、馬鹿にしかみえなかったんだけど、でも意外と人を見る目があるんですねぇ。野生の勘が鋭いってかんじなんでしょうかぁ)


「ギデオン。すみませんでした。意外と、頼りになるんですね」


(お、おー! こ、これは! ミシェル様の好感度があがっている! 仕事のできる人好きだもんね、ミシェル様は! 良かったですぅギデオン陛下!)


 するとギデオンは、「む……!」と眉にしわを寄せる。


「意外とは心外だな。俺は前から頼りになるだろう?」

「…………………………はぁ」


(ああぁ……! 好感度が! せっかくあがった好感度が! 今の発言で落ちていくぅ! おまえぇ! なんで他人の心の機微はわかるのに、ミシェル様からの好意には気づかないんですぅ!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ギデオンは語る「ミシェルの国…」 素敵夫婦すぎる
>(ああぁ……! 好感度が! せっかくあがった好感度が! 今の発言で落ちていくぅ! おまえぇ! なんで他人の心の機微はわかるのに、ミシェル様からの好意には気づかないんですぅ!) それなwwwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ