7話 修行の成果
ーー城塞都市アープルにて
聖剣を持ち上げる練習を始めて2時間ほど。
俺は数センチだけ聖剣を持ち上げられるようにはなったが……。
「はぁはぁ、重すぎる……」
精神エネルギーの底上げを行うため、俺はこの2時間ひたすら聖剣に触れ続けている。
何でも聖剣曰く、剣に触れているだけでも覚悟がいるためそれだけで精神エネルギーとやらが上昇していくとの事。
でもこの聖剣、触れているだけでもかなり疲れるんだよなぁ。
正直もうやめたい。
『うーむ精神エネルギー50か、少しは上がったようだが、まだまだ私の固有スキルを使うには足りんな』
「50って、全然変わってないじゃないか!」
『まぁ2時間ほどでしかやっておらんからな、まぁでもそうやって聖剣に触れ続け、使い手様の精神エネルギーを無理やり底上げするしか無いのでな、頑張ってくれ』
「……別に俺が戦わなくても良くない?戦闘になったらまた人身掌握で聖剣が俺の身体を使えばーー」
『たわけ!いつまでも私を頼ろうとするでない!』
なんだよそんなに怒るなよ。
試しに言ってみただけじゃんかよ。
「へいへい強くなりますよ」
『まったく、何故こんなにも責任感も覚悟もない男が、この私の使い手になれたのか甚だ疑問じゃ』
「悪いな俺なんかで!」
『だがしかし、この私(聖剣)に認められ最上位スキル"辺境聖騎士"を開花させたその潜在能力は、本物であると信じておるぞ』
な、何だよいきなりそんな事言うなよな。
今までアズールでは、誰も俺に期待なんてしてくれなかったのに、こいつ(聖剣)は俺のことを信じてるのかよ。
嬉しいけど、こいつ聖剣なんだよなぁ。
『さぁて使い手様よ、あと1時間はやってみよう!そしたら部屋に戻ることを許可しよう!』
「はいはい、頑張りますよ」
ーー1時間後、騎士の宿場メイナードの部屋にて
『ガチャ』
「入るねメイナード!」
扉が開き俺のいる部屋にニーナが入ってきた。
「お、おう、ここにいるぞ」
「うわぁ、どしたのメイナードそんなに窶れちゃって!」
部屋に入ってくるなりニーナは、ベットに腰掛ける俺を見て驚きそう言った。
「はは、ちょっと色々あってね」
結局あの後も俺は聖剣を持ち続け、精神エネルギーも一応80ほどにはなった。
30から80は大きな成果のように見えるけど、聖剣曰く一般的な精神エネルギーは300~500ほどあるらしく、俺はまだ半分にも満たない数値らしい。
まぁでも一応、聖剣を持って少しは振るえるようにはなったから、俺的には大きな進歩である。
「そ、そうなの色々ね、あ、夕飯の支度ができたから一緒に来てくれる?」
「ああ」
『お!夕食か、使い手様はお疲れのようだし私が代わりに行くとしよう!』
「は?何を勝手にーー」
『固有スキル"人身掌握"』
『ビビッ』
そうして俺の身体の支配権は聖剣に奪われてしまう。
お、おいなんだよそれ勝手すぎるだろ!
「ふははは、夕食とは美味しく食べねば美味くは感じぬからな!疲れてるお主よりも私が食べる方が良いに決まっておるはず!」
ぼ、暴論すぎるだろ!
「あ、メイナード、忘れてたけど夕飯には辺境騎士団の人達もいるから挨拶も兼ねて、自己紹介をよろしくね」
ニーナは俺(聖剣)の方を見て笑顔でそう話す。
「おう任せよ姫君!」
「え、姫君?」
あー!やめろよ馬鹿!
つか、こいつが辺境騎士団の前に出るの、怖すぎるって~!




