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勇者召喚されたはずの侍二人、なぜか魔王軍と竜王軍の頂点になりました  作者: Dai


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第八章 不屈の刃

荒野。

光の柱が消えた。

世界を焼き払うような一撃。

その跡には、巨大な穴だけが残されていた。

山は消え。

大地は砕け。

何も残っていない。

勇者は静かに立っていた。

聖剣を肩に担ぐ。

「……終わったな。」

「さすがの魔王と竜王でも、これを受けて立っていられるわけがない。」

勇者は笑う。

「やはり俺が最強だ。」

その時だった。

カツン。

小さな音が響いた。

勇者の笑顔が止まる。

「……?」

カツン。

瓦礫の中から、また音がした。

勇者は目を細める。

「まさか……。」

煙の中。

一つの影が歩いてくる。

黒い着物。

全身傷だらけ。

血を流しながらも、刀を握っている。

影虎だった。

勇者の目が見開かれる。

「……嘘だろ。」

影虎はゆっくり顔を上げた。

「なかなかの一撃だった。」

「あと少し判断が遅ければ、終わっていた。」

勇者。

「……。」

言葉が出ない。

その直後。

反対側から足音が響く。

白い影。

白虎だった。

白虎も傷だらけ。

だが、その目にはまだ闘志が宿っていた。

白虎。

「認めてやる。」

「今の一撃は見事だった。」

勇者。

「ありえない……。」

「俺の聖剣を受けて……。」

「なぜ立っている……?」

影虎は刀を構える。

「耐えたわけではない。」

「受け流しただけだ。」

白虎。

「貴様の力は確かに強い。」

「だが、力だけで勝てるほど戦いは甘くない。」

勇者の表情が歪む。

「ふざけるな……。」

「俺は勇者だぞ。」

その時。

遠くから声が響いた。

「いたぞ!」

「勇者様だ!」

荒野の向こう。

村人たちが走ってくる。

村長もいた。

村人たちは戦場を見て息を飲む。

そこには。

伝説の勇者。

そして。

魔王と竜王。

三人の怪物が立っていた。

村人。

「あれは……勇者様だ!」

「生きていたんだ!」

「やっぱり死んでなんかなかった!」

「俺たちを守るために戦ってくれているんだ!」

勇者は振り向く。

「みんな……。」

村人たちの声が響く。

「頑張れー!」

「勇者様!」

「負けるなー!」

勇者は拳を握る。

その声が。

力になる。

「……そうか。」

「俺は……。」

「俺は勇者だったんだな。」

しかし。

その横で。

影虎と白虎が刀を構える。

白虎。

「感動の再会は終わったか?」

勇者。

「……。」

影虎。

「来るぞ。」

勇者は再び聖剣を握る。

だが。

先ほどまでの余裕は消えていた。

「なんなんだ……。」

「こいつらは……。」

戦いが始まる。

勇者の斬撃。

影虎が受け流す。

白虎が背後から迫る。

勇者は間一髪で避ける。

「くっ!」

また。

斬撃。

魔法。

衝撃波。

何度攻撃しても。

二人は倒れない。

傷は増えている。

血も流れている。

それでも。

止まらない。

勇者。

「ハァハァハァ……」

「なんで……。」

「なんでこいつら倒れねぇんだ……。」

息が荒くなる。

「おかしいだろ……。」

「俺の攻撃を何度も受けて……。」

「なんでまだ戦える……!」

影虎と白虎は笑っていた。

勇者。

「……。」

勇者の表情から笑みが消える。

「ふざけるな……。」

聖剣を握る手に力が入る。

「俺は勇者だぞ……。」

「俺様が……。」

「こんな奴らに……!」

影虎と白虎は構える。

影虎。 「来い。」

白虎。 「まだ終わっていない。」

勇者。

「……いいだろう。」

「ならば何度でも消し飛ばしてやる!」

聖剣が輝く。

だが。

今度は勇者が違和感を覚えた。

影虎と白虎。

傷だらけなのに。

疲れているはずなのに。

目が死んでいない。

むしろ――楽しんでいる。

勇者。 「……なんなんだ。」

「こいつらは……。」

再び戦闘が始まる。

しかし。

先ほどとは違った。

勇者の斬撃を影虎が受け流す。

白虎がその隙を狙う。

勇者はギリギリで避ける。

「くっ……!」

一歩遅れれば斬られる。

一瞬でも判断を間違えれば終わる。

勇者。

「なんだ……この連携は……。」

「さっきより動きが読めない……。」

影虎と白虎は笑っていた。

影虎。

「お前の動きは見切った。」

白虎。

「そうだな。」

初めてだった。

勇者が戦いで感じる。

恐怖。

その瞬間。

影虎と白虎が同時に踏み込む。

勇者は必死に防ぐ。

ガキィィン!!

荒野に金属音が響いた。

勇者は悟った。

自分が今まで戦ってきた敵とは違う。

魔王でもない。

竜王でもない。

目の前にいるのは――

ただ純粋に、強さだけを求める怪物だった。

――続く。

次回、最終回です。

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