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第二幕
さて。この拾った小林多喜二をどうしようか。家に連れて帰るしかないのだが。まあなんとかなるか。
……いや、なんとかなるのか? というかなんとかするしかないな。私が? でもどうするんだよ。
私は目の前でライスカレーを黙々と食べている青年を見つめた。
先ほどまで図書館で「同志か、特高のイヌか。」などと物騒なことを言っていた人物とは思えないほど、今は静かである。
というか、食べるの早くない?
「……美味い」
「それはよかったです」
青年はライスカレーをもぐもぐしながら、
「……もう一杯食べてもいいか?」
と聞いた。
「いいですよ」
即答してしまった。
…まあ、いいか。
今さら一食増えたところでどうということはない。問題は、この後だ。
「多喜二さん」
「なんだ?」
「今日、帰る場所ってあります?」
「……。」
青年の動きが止まった。
「…ない」
「ですよねー…」
さて、困った困った。
「うち、来ます?」
特に困る訳でもないし。
「…いいのか?」
「放っておくわけにもいかないので」
「君は本当にお人好しだな」
「よく言われます」




