彼がしていたのは?
アルが、語り出しました。
「シンデレラさまは、奥様から旦那様と、私の父が友人だと聞きましたよね」
私は、静かに頷きます。
それは、聞きました。あの日の舞踏会の帰りに、お母様から。
「私が、こちらにお世話になり始めたのも、始まりは旦那様に紹介して頂いたからです」
お父様が?
私が小さい頃は、我が家で働いてくれていた人は、それなりにいたと思うのですが……。
どうして、アルを我が家に?
「我がハウエル家では、全て使用人達がやってくれてしまうので、暇でした。屋敷は、長男である兄が継ぐことに決まっていましたので、私にはあまり関係なかったのですよね」
ほぅ……。
なんとも、図々しいことですね。いかにも、アルらしいというか……。
「私はやる事がなくて、つまらなかったんですよ。あの家にいても……」
つまらないって、酷いですね! 自分の家なのに。
居心地が悪かったなんて……。
「そんな時、父を訪ねて来ていた旦那様が、私に声をかけたんです」
『一人つまらなそうにしているのなら……私の家で働いて見る気はないかい?』
お父様……なんてことを‼
伯爵のご子息を執事にしようとするなんて!
友人の息子だからってダメでしょう、普通。
「ここにいるより、面白そうだと思ったんですよね。あの時の私は……」
今はどうなんでしょうか?
今も暇している時は、暇だと思いますが……?
よくお母様と、いたずらを考えているのは知ってますよ。
でも、知らない振りをしてました。だって、いたずらの標的にされそうでしたもので……。
「私は、旦那様の意見に賛同して、父に言ったのです。父には、1つ条件を出されましたけど……。
毎年、王宮の舞踏会だけには、必ず出ろと条件を出されたんです」
アルは、苦笑を浮かべる。
そうかーー。
毎年、同じ時期にアルが実家に戻るのは、そのためだったのですね。
ん? あれ……舞踏会?
「じゃあ……この間の舞踏会に参加していたの?」
「はい。いましたよ」
なんだって⁈
アルは、微笑しています。
「というか……あの日、お会いしてますよ」
「「はっ⁉」」
私とリリアは、あいた口がふさがりません。
会っているはずは……ない。
「ほら。奥様が帰る前に話していた相手ーーーーあれ、私ですよ?」
「は? なにをいってーー」
アルは、クスクスと笑っています。
「まぁ、わかりませんよね。あの日は、私とわからないようにして行きましたし」
アルが自分の髪に触れましたよ。
私は必死に、思い出そうとしました。
「確かーーあの時、会った方は、金髪で、メガネをかけていたはずだけど……」
私は、アルに視線を向けて、まじまじと見ますが……。
アルは、黒髪で黒眼、メガネはしていないから……どう見ても、別人にしか思えない。
私は、首を捻りました。
「まぁ、わかりませんよね。変装に近いですからね。それはーー髪を金に染めて、瞳の色はコンタクトレンズをしていたですから」
アルは、あの日した事をさも当たり前ことのように言い切ったのです。
「はぁーー⁉」
あり得ないません!
なんなのですか。それは‼
おぉ!
ビックリしましたΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
もう30話も書いてたんですね、私!
この物語をお気に入り登録をして下さっている皆様や、読んで下さって皆様には、日々感謝、感謝でございます。
この物語は、もうしばらくは続きますので、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m




