噂をすれば…
私とリリアが話している最中に、背後から誰かが声がかけてきたのです。
「ーーーーねぇ? それじゃあ、僕が全部悪いみたいじゃないか?」
どこかで聞いたことのある声が……。
もしかして、この声は……まさか⁉
ビクッと、リリアは体を震わせていますし……。
私は、恐る恐る声のした方に視線を向けると……そこにいらっしゃったのはーーーーここにいてはいけない人でした。
ーーそうです。
今、話に割り込んできたのは、ドアに寄りかかりながら、私達を見ている今回の原因ーーーークリス殿下がおられます。
「な、なんで! ここに!」
「なんで、ここにいるはずない人が⁈」
リリアは叫び、私も思わず、敬語を使うのを忘れてしまいましたよ。
私は驚きすぎて、怒りがどこかへ行ってしまいましたよ。
あり得ない! どうして、ここにいるの⁉
「そんなに驚くことはないだろう? リリア。 君を追って、来たに決まっているじゃないか」
クリス殿下は小さく笑いますが……リリアは、そんな殿下を睨んでいます。
クスリと笑いつつ、殿下は、全然気にしていまいように言います。
「睨んでいる顔もかわいいね。リリア」
リリアは、警戒して私の後ろに。
「ひどいな〜リリア」
「まず、あなたは謝るべきなのです‼」
リリアは、怒鳴りました。
わぁ〜お。
リリアさんは、まだ怒っていらっしゃるようです。
「ごめんね……。君の困っている顔を見るのが、楽しくなってきてしまってね。つい、やり過ぎてしまったんだ」
謝るクリス殿下に対して、リリアは警戒しまくり、私の背中にしがみついたまま、離してくれようとしません。
「ひ、酷いです……」
クリス殿下は、リリアの様子に少し困りながら言ったんです。
「でもね、この計画立てたのはアルだよ?」
「「えっ?」」
私とリリアは、唖然としてしまいました。
えーと……今、クリス殿下は、おかしいことをおっしゃいましたよ。
なんと?
「ちょっと、バラすのは卑怯ですよ。クリス」
アルは、クリス殿下に文句を言うのです。
「しょうがないじゃないだろう。教えてくれたのはアル、君じゃないか?」
「それは、そうだけど……」
えっ? なに? どうしたというの⁉
「え、えっ⁉ なんで、アルとクリス殿下が普通に話しているの⁉」
おぉっと! 私としたことが、うっかり口に出していたのですね。
というか、アルの口調がいつもよりも崩れているし……アルって、一体何者なの⁉
「あっ⁈」
アルは、やってしまったと言う顔をしたんです。
しかし、もう遅いです。
私としては、説明して欲しいですね。いますぐに!
「アル? あなたは、殿下とお知り合いなの?」
「それは……」
アルが言うのを遮り、リリアは、自ら話を切り出したのです。
「それは、アルさんがハウエル家の三男だからです‼」
「嘘! アルが?!」
私は、驚きを隠せません。
「リリア‼」
アルは、リリアに怒鳴りますが、彼女はまったく気にしてません。
「アルさんが悪いのでしょう?」
「くっ……!」
「リリア……」
私は、わたわたとして見ているだけです。
色々考えていたんですよ? 一応ね。
ん? ハウエルって、確か……舞踏会で伺った名前ですよね。
あれ? そういえば……ハウエル家の三男って、この間会った "あの人" の兄弟ということになりますか?
そして、リリアが監禁にあったのもハウエル家……ですよね。
まず、我が家でどうして、そんな人が働いているの⁈
私の様子を見て諦めたのか、アルは、今までのことを話し始めたのです。
「仕方がないですね。わかりました。
私の正式な名前はアルフレッド=ハウエル。ハウエル家の三男です」
ほ、本当に伯爵のご子息だったわーー‼
本人の口が聞いて真実だと分かりました。
若干、信じてなかったわ……ごめんね、リリア。




