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※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。


適当で良いよ、多分ね。



 私が格納庫に着くと、整備班が慌ただしく動いていた。

ジャガットは基地に到着してから、機体の確認を行う時間が無かった為、今行っている。



 他の者の機は、確認を既に終えている。

その為、格納庫から順に引っ張り出している最中だ。



 ノーズから引かれ、そのエッジで陽光を反射しながらゆっくりと動く自機姿は、大佐の悪戯さえ無ければ、他の機と変わらなかった。



 所定の駐機スペースへ連れられた機体に乗り込む。

その間にも、訓練用の兵装を装備させる為に整備班が忙しくしているが、眺めている暇はない。






 パワーユニットの駆動をさせ、始動に必要な回転数まで待つ。

エンジンとは別の、少し低い金切り声の様な独特の音を立てていたが、回転数に合わせて次第に高くなっていく。



 キャノピーを閉じ、整備班から装備完了のハンドサインを確認する。

エンジンを始動させ、発電機にパワーユニットの余剰分をバイパスしながら、機器の電源を入れる。



 ディスプレイに映す内容を調整しながら、順にセットアップを完了させる。

ハンドサインで整備班に無線を繋げる事を伝え、返事を待つ。



「リヴァー1 聞こえますか コールサインを復唱してください」

「リヴァー1」



 繋がっている事を確認出来たので、機体制御を全て開放する。

画面に映し出された機体の図が、全て正常に稼働可能な状態かを確認する。



「リヴァー1から整備クルー 制御の外視確認を行う」

「クルー了解 外視確認どうぞ」



 動かす先を見ながらエアブレーキから開く。

フラップ、カナードと動かし、3軸を順に確認する。

最後にウェポンベイを開閉させ、確認を終える。

制御の応答に問題は感じない。



「―――ハッチ閉鎖確認 外視からの異常なし」

「リヴァー1了解 外視確認完了」



 機体の状態は良好。

無線の切り替えを行い、隊に向けて確認する。



「リヴァー1よりリヴァー隊全機 機体の状況を報告せよ」

「3確認 行動可能です」

「4 行動可能」



 リヴァー3と4を目視で確認し、2の返事を待つ。



「リヴァー2確認 行動可能だ 待たせたな」

「リヴァー隊全機OK 各自タイムクロック 高度計 飛行経路を再度確認せよ 数値グリーンか?」



 私もセンサーの値と設定した値、リンクによって提供されている値が全て同じ事を確認する。



「リヴァー2 オールグリーン」

「3 オールグリーン」

「4 オールグリーン」

「リヴァー1了解 コントロールタワーからの指示を受けるまで待機せよ」



 隊内のデータリンク同期を確認出来たので、無線をコントロールタワーへ繋げる。



「リヴァー1からコントロールタワー リヴァー隊は現在4機編成のスノックイード小隊で行動可能 行動計画N58-1に従い離陸を要請する」

「要請を確認した リヴァー隊 照合完了まで待機せよ」

「リヴァー1了解」



 照合確認中に、クルーへ手順完了のハンドサインを送る。

受け取ったクルーが隊の機を担当するクルー全体へサインを送り、退避する。



 退避した位置からクルーが緑の旗を掲げる。

退避完了だ。






「リヴァー隊 照合を完了した 行動計画N58-1を許可する リヴァー隊4機はC滑走路へ28 26 22を経由して停止線C3Lで待機 リヴァー1復唱せよ」



 画面上で滑走路へのルートを選択しながら、繰り返す。



「リヴァー1 C滑走路 28 26 22経由 C3L待機」

「リヴァー隊 C3Lへの移動を許可する」

「了解」



 選択したルートへ自動走行を起動させ、ブレーキを解除する。

機体はゆっくりと進み始め、待機枠から完全に出たタイミングでリヴァー2が動き始めた。

その後も、リヴァー3、リヴァー4と続くのをミラーで確認する。



 停止線までは周囲の安全を確認しながら、いつでもブレーキを掛けられる状態を維持する。

通過地点で間違いがないか目視確認しながら進む。



 C3Lに横並びで停止した。

C1Lから滑走路に進入した2機が目の前を通って飛び立つ。

悪目立ちするカラーリングと、独特な複合パターンの迷彩はアグレッサーである事を示していた。



「リヴァー1からコントロールタワー リヴァー隊は現在C3Lに待機中」

「了解したリヴァー隊 C滑走路からの離陸を許可する」

「リヴァー隊 離陸する」



 ブレーキを解除して滑走路に進入する。

視界の端で煽られる旗は、横風は無いが、風はやや強めだと伝えてくる。

2機横並びの2列で止まり、離陸姿勢を取る。



「リヴァー隊各機 クロック10で離陸せよ」

「クロック10了解」



 スロットルを上げ、計器の表記と睨み合いをする。

エンジンの膨れる轟音に合わせて、針が伸びていく。

正面に目を向け直し、軽くスロットルバーを握り直す。



「リヴァー1ローリング」

「リヴァー2 カウント10 9 ―――」



 最大まで倒したスロットルバーを維持し、全身に伝わる地の抵抗に抗う。

徐々に上を向き、地から離れ、抵抗が弱まる。



 更に速まる景色の流れに合わせて、ついに地からの抵抗を失う。

すぐに脚を引き込み、そのまま上昇姿勢に入る。



 少しだけ引き倒されていた操縦桿を元に戻し、上昇を維持する。

高度計が4桁を指したところで水平に戻し、スロットルをやや下げる。



「リヴァー隊の離陸を確認 管制解除 行ってらっしゃい」



 コントロールタワーが全機の離陸ポイント通過を確認した。

ここからは合流しながら各ポイントを経由して訓練空域へ向かう。






 機体速度はM1.1を指している。

ポイント3を通過し、ポイント4でUAVを受け取る為に減速した所だ。



 極端に音の少ない中、独りでに撃墜判別機を起動させる。

3時の方向、ずっと先の方に見える都市部を目印にして飛ぶ。



「リヴァー隊 ポイント4を通過 各機UAVを受け取る用意をしろ」

「リヴァー2了解 だが本当に来てるのか? 機影の1つないが」



 アクティブレーダーを起動して辺りを探す。

少し離れた前方ですぐに8機の友軍UAVが映る。



「見つけたから安心しろ 方位075 距離は10」

「思ったより近かったな まぁこの雲じゃ仕方ないか?」



 厚い雲が沢山ある訳ではない。ただ、どこを見回しても薄らと霧が掛かったように見えるのだが、そのせいで広い範囲が遠くまで見通せなかった。



 私は、UAVとの合流直前であるこのタイミングに、無言でオーバーライドを実施した。

先ずは瞬間的なRWRの反応を不定期に起こすよう設定する。



 そして、自機も含めてラダーペダルの効きを悪くさせた。

RWRに気を取られれば、気が付かない程度に出力量を減らした形だ。



「リヴァー隊各機UAVとリンクしろ 訓練空域に入るぞ」

「リヴァー2 UAVリンク完了」

「3完了」

「4」



 データリンク上でUAVの識別が変わる。

全てのUAV個体の識別名に母機のコールサインが書き足されたのを確認し、私は宣言した。



「リヴァー隊 訓練飛行を開始する トライデントを組め」



 全機、存分に苦しむがいい。だろう?






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