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※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。


適当で良いよ、多分ね。



「結局何も来なかったな 期待外れだぜ隊長さんよ」

「そうだな 確かに期待外れだった だが、何事もない方が良いのさ そうだろう?ケルセク」



 タルグの言う通り、何事もない方が良いのは当然だ。

殆ど自動航行に任せていたし、補給も兼ねてニアホルカ近郊の基地で休息を取ったが、長時間の飛行で疲れている事には変わりない。

そんな状態での戦闘は御免だ。



「だからこそ 基地に降りるまでは気を抜くなよ」

「だそうだ ジュト隊各機 もう少しの辛抱だぞ」

「ジュト隊は気楽そうで羨ましい限りだ」



 そうでもないんだがな、ジャガット。

タルグはジュト隊の訓練に機体の不整備を採用した、数少ない頭のネジも飛んでる人だからな?

お陰で整備担当が泣きながらパネルを外す事になったと聞いている。



「どうだろうな 聞いてみたらどうだ?」

「いや それは遠慮する あんたのすげー機動の話はもう聞き飽きたんでな」



 なぜ他人から聞かされた私の自慢話に飽きたと言われるのか理解に苦しむが、私は悪くないだろう?

言いまわっているのはジュト隊の方で、私ではないのだから。

何故そこまで言うのかは疑問だが . . .



「リヴァー1からコントロールタワー 現在着陸ポイント1を通過 リヴァー隊及びジュト隊は4機のスノックイード小隊で計8機 着陸を要請する」

「了解した リヴァー隊及びジュト隊は着陸ポイント3で待機せよ」

「リヴァー1了解 着陸ポイント3で待機する」



 コントロールタワーから待機位置が届く。

345 7 0.3 確認。

スタックはなし、すぐに降りられるな。



「全機データリンクとの数値確認しろ レッドなら報告」

「ジュト隊報告なし」

「了解」



 ポイント3へ向けて高度を落としていると、後方からやけに速い機体が2機向かってくる。

機体識別を行おうとした所で相手からデータリンクが送られて来た。

他国の部隊の様だ。



「あー あー これで聞こえますか? リヴァー1 燃料レッド んー 私達を先に降ろさせてください」

「燃料レッド 了解した リヴァー1からコントロールタワー リヴァー隊及びジュト隊は彼らの着陸を待つつもりだ」

「了解した フィク隊 着陸を許可する」

「リヴァー1 感謝します」



 彼らは速度を落とさず、頭上を抜けていった。

機体は、キプリアナか?いや、カナードの形状が違うな。イスペーラか。

何があったのかは知らないが、本当にギリギリの様だ。



 これは少し待つ事になるかもしれないな。






 誘導に従って機体を停める。

機器の電源を落とし、エンジンを止め、隔壁を降ろしてからキャノピーのロックを解除する。

キャノピーを開けた瞬間、外の空気と共に基地の騒がしさと燻した様な独特な草木の匂いを感じた。

これがこの辺りの草木のものなのかは分からないが、確かに異国にいると身が理解する。



 キャノピーが上がり切るのを確認してからマスクを外し、HMDを持ち上げ、スーツを下げる。

少し体をほぐしてから機体を降りると、横から声を掛けられた。



「あー、リヴァー1に感謝します。えー、お陰で間に合いました」

「フィク隊か。気にするな、お互い様にだ」

「では、んー?また会いましょう。また後で」



 伝える事は伝えたと、フィク隊の彼は歩いて去った。

入れ替わる様にして、整備員が小走りでリヴァー隊の面々と、ジュト隊の方へ来る。

整備員は臨時の担当者だったので、彼に機体を任せて上司の顔を直接拝みに行くとしよう。



 車両は捕まえられなかったので、歩いて行く。基地には既にフィク隊以外にも多国籍の部隊が着いている様だ。

並べられた中に、ナージェンの機体や先程のイスペーラ以外にも何機種か確認出来た。

1つの基地にこれだけ機体がバラけるとは、臨時の整備員はさぞマニュアルと格闘している事だろう。



 聞こえてくる会話も、半分以上分からない。

だが、ナージェン語が比較的多いのは分かる。

全体で派遣した部隊の数も多いからだろう。

一部には傭兵と思われる奴らも居たが、名のある顔ぶれではないらしい。そう話しているのが聞こえた。



「ケルセクは私を置いて行くの?もぉ、困っちゃうわ」

「誰だ? . . . タルグか。一体どんな声帯を持てばそんな事が出来るんだ?」

「なに、簡単なことさ。憧れと練習で手に入るぞ。やってみますか?少佐さま」

「遠慮する」



 性別を超えた声を得ても使う所がないだろう。

だから悪戯に使ってるのか?

まぁ、器用だという証明ではあるし、興味深い特技ではあるが . . .

使い所が無さ過ぎて才能の無駄遣いに見えてしまうな。



「そんな事よりケルセク、聞いたか?ここの指揮官は君と同じで少佐らしいぞ。撃墜はされてないらしい」

「撃墜されてないことを言いたいだけだろ?まったく」

「そう怒らなさんなって、冗談だよ冗談。でもなぁ、あのペイントマーク、羨ましい限りさ」



 私はそう言われても嬉しくないがな。

ジュト3の話では死神に見えたとかなんとか。そのまま私を死神と呼んで流布するのを阻止したのは記憶に新しいぞ?

それを聞いたシーラが笑い転げていたのを思い出したな。

はぁ〜。



「所で指揮官は何処に居るんだ?タルグ、聞いたか?」

「いや聞いてないな。その辺の子を捕まえて聞けばいいだろ。ヘイ!そこの黄色い頭のお前。1番偉いの場所教えろなさい」



 こいつ、メチャクチャな言葉で喋りやがった。

何故母国語を片言で言うんだ?普通に聞けばいいだろうに。



「1番偉い?あぁ、指揮官の事か?それなら第一情報室で泣いてるぞ。会うなら気を付けろよ。最後の一撃を入れられると後が面倒だ」

「ありがとな、じゃあ行くから首を洗って待たせるとか!」

「程々にしてくれよ!マジで大変なんだからな!」

「おうおう!やっちゃうぜ!」



 ふむ。なるほど、全くわからん。

何故それで会話になる?こいつのネジはやはり外れているな。パネルもついてないかもしれない。

整備担当が泣くのも納得だ。



「その顔、コイツ頭おかしいとか思ってるな?酷いじゃないかケルセク。理由くらい聞いてから思ってくれよ」

「理由を聞けばどう思われても良いのか?」

「理解した上でどう思うかはその個人の勝手さ。そこに口を出すほどお節介じゃないってだけかな」



 意外にも筋は通すのか。

それと、私の顔が分かりやすい可能性もあるが、勘がいいな?

あまり秘密を抱えたまま会話しない方が良さそうだ。



「で、理由を聞けば良いんだったな。何故片言なんだ?」

「愛しのケルセク、よく聞いてくれましたね!何、簡単な話さ。外国人が片言で自分の母国語を使って聞いて来たら誰でも対応してあげようと思うだろ?つまり、楽に情報を引き出しやすい聞き方なのさ」



  そうなのか?

楽かは分からないが、聞き出せている事を踏まえると言っていることは正しいが . . .

やってる事はかなりおかしいぞ?



「ここだな。ケルセク、どっちから入る?泣いているそうだが」

「やっちゃうぜ!とか言ってた奴に任せたらどうなるかは私でも分かるぞ。私が先に行こう」

「なら、任せた。どう話しかけるか悩んでたからな」



 それは悪戯の内容にか?

まぁいい。ノックをして扉を開ける。

部屋の中は暗かった。

 





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