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41話 襲撃

真夜中、誰も起きていないような時間だというのに結界に反応があった。今日中に攻めてくるかもしれないと予測はしていたが、案の定だった。どう贔屓目に見ても気が長そうには見えなかったしね。

平民なんかに馬鹿にされて黙ってられるか!ってところかな。


一番懸念していたのは権力を使った事件の捏造だ。衛兵や軍を使って攻められるのが一番めんどくさかった。正直俺たち三人で勝てないとは思わないし、全滅させることも出来るだろう。だけど命令されただけの人を片っ端から切り殺していくと言うのも気がとがめる。全員を怪我もさせずに制圧するには経験が足らないと思う。どうやらその展開にはなっていないようで少し安心した。

動きからして暗殺か誘拐か、どちらにしても潜んだ行動のようだ。その数10人。家の裏手からこそこそと入ってくる。気配探知のスキルには薄くしか反応がないが、空間魔法のほうではばっちり動きがつかめている。というか気配を消してるからすごいと思えばいいのか、気配を消してるにもかかわらず探知スキルに引っかかってるからだめだめだと思えばいいのか・・・。


今日は俺以外のみんなは二つの部屋でまとまって寝ている。男は狙われないだろうけど一応二人で一部屋。残った女の子を全員一つの部屋で寝かせている。こうしておけば万が一俺の手が間に合わなくてもアイラとオリヴィアが対処してくれるだろう。Sランクの最上位とかが出てきたら分からないけどそれは考慮してもしょうがないし、貴族といっても子爵程度にそんな有名人を雇えるとは思わない。


俺は二つの部屋の前に布団を敷いて寝ていた。皆がご主人様を廊下で寝かせるなんて~というテンプレを始めたので主人の決めた方針に~というテンプレで返しておいた。説得するのがめんどくさい時はこれに限るね!(やっつけ仕事)


やっぱり実力的にたいした事がないようで、全員でまとまって1階から入ってくる。これじゃ他の人相手でも一網打尽じゃないか。一応気配を消せる程度の人材なのだから、四方の窓を破って入ってくるとか、2階に侵入するとかやりようはいくらでもあると思うんだが・・・たぶん嘗めてるんだな。


1階を荒らされても嫌なので俺のほうから出向いてやる。


トントントン


「呼んでないけどいらっしゃい、不審者の皆さん。目的は暗殺?それとも誘拐?」


連中は俺の足音と声にびびったようだが、俺が一人だと分かると急に元気になった。


「へへっ、脅かしやがる。てめえが貴族であるアーソルド様に逆らったって言う馬鹿か」


うーん。気配を消せたからてっきり忍者的なものを期待したんだが、チンピラを少しましにした程度だった。雰囲気が雑魚っぽい。


「いやー自分の友達を寄こせって言われたからって差し出したりはしないでしょ。しかもあんなオークのほうがましっぽいデブにさ」


「へっそれでも差し出させるのが貴族様って奴よ。目をつけられたのが運のつきさ。おめーも早いところ諦めるんだな。そうじゃないと明日には冷たくなってここの幽霊の仲間入りだぜ?」


へらへらしながら俺の周りを囲んでいく。なんかこの世界こんな奴ばっかりだなぁ。

元の世界ではこういうシーンに一度もあったことなかったから物珍しかったけど、いい加減飽きたな。


とりあえずこいつらが勘違いして踏み込んできた善人と言う可能性はなくなったし、眼で見える経歴もくずに違いないので全員ぼこって捕まえよう。




俺が動き始めた1秒後には全員が床に転がる。首にチョップはよく分からなかったので、全員のお腹にパンチを食らわせてやった。ものの見事に全員ぶっ倒れたのだが、3人しか気絶しなかった。あれ?

そして最悪なことにげろげろその場ではきやがった。人んちの絨毯になにしてくれる!


捕まえるより掃除のほうが大変だった。結局絨毯一枚だめになったし・・・。くそぅ。


掃除(絨毯の火葬)を終えた後は全員を引き連れて地下の拷問部屋へ。幽霊の仲間入りがしたいそうだから希望は叶えてあげなくちゃね!


ちょっとした憂さ晴らしも兼ねてからかってやろうと思い、わざわざマジックバックにしまってあった拷問器具を再配置した。


「さて、この部屋が君が先ほど言っていた幽霊たちを作り出していた拷問部屋だ。俺は伯爵様と違ってここを使う趣味はなかったんだけど、不埒な侵入者がいて素直になってもらうための道具がせっかくあることだし、ね?」


不審者たちは口には猿轡、手足も縛られ身動き一つ出来ない状況だ。んー!んー!とか言ってるけどなに言ってるかわからないよ?笑顔で拷問器具の解説をしながら、それに合わせて恐怖スキルをすこーしずつ強めてやる。彼らには耐性スキルはないので、相当な恐怖にさらされていることだろう。


「さてここで提案何だけど、俺も出来れば拷問したくはないんだ。だから素直に知ってることをしゃべるなら、」


と言いかけたところで全員がぶんぶんと必死に首を振った。もちろん縦に。

いやー痛いのとか見るのも苦手だからよかったよかった。


結論から言えばデュオニースの指示で平民を誘拐するのが仕事だそうだ。

ろくでもない仕事だな。そしてそれようの部下がいるとはなんと恐ろしい。どんだけ誘拐してるんだよ。


「お前らこれ何件目?」


「こ、これが初めてです、はい」


「ふむ。この期に及んで嘘をつくとはいいどきょ」


「10件ぐらいです!俺は嘘つかないか許してください!」


リーダーを締め上げようかと思ったら一瞬で裏切り者が出た。

よっぽど怖かったんだな。可愛そうに(すっとぼけ)


聞きたい事は聞けたので衛兵を呼んで引き渡す。家に来てもらっても良かったのだが、目立たないように処理することは相手にしか利がないし、たちの悪い貴族だと言うことで一応保険も兼ねて冒険者ギルドに間に入って貰う。夜中もいいところなので受付は一人しかいないが、酒場には大勢の人間がいるのでその人達もいい証人だろう。俺にとっては都合がいいけど、この人たちさっさと帰って寝なくていいのか・・・?明日はお休みですかね。


衛兵はすぐに来てくれて、その場で先ほどの説明を再びさせた。これにより、こいつらの所属と目的、前科が大勢の前で明らかになったわけだ。ここまでやればもう大丈夫だろう。その話が終わるとさっさと引き取って帰っていったが、トカゲの尻尾きりで終わらないといいなぁ。まあそれでもこちらが悪いのではないと表明できればそれでいいかな。


この件が終わったら何かしらの報復をしよう。こっそり忍び込んで恐怖スキルばら撒くとか、何か壊して逃げるとか、ベットの横に剣つきたてるとかそんな感じで!


今夜はさすがにもうこれで終わりだろう。

朝までもうあまり時間もないから、さっさと家に帰って寝よう。

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