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28話 魔人族

ガチャ


「お邪魔しまーす」


「ご主人様、なんとなく気が抜けるんでやめません?それ」


礼儀正しく入ったのになんてことだ。


「まあ、冗談は置いておいてボスはっと・・・あれ?でてこない?」


「そうですね?」


少し待ってみたが、ボスが出てこない。そして奥に進む扉も開かない。


「んん?なんだこれ。どうなってんの?」


「100層まであるという話でしたよね?」


「ここで終わりな上にボスがいないってそんな馬鹿な」


別にオリハルコンさえ手に入れば100層までいかなくてもいいんだけど、それにしてもラスボスもいないダンジョンとか手抜き過ぎるだろう。

それにダンジョン物でよくあるダンジョンコアとかもなかったし、なんだかよくわからない。


「ちょっとこの部屋探ってみるか」


「そうですね・・・一応」


空間魔法を使いボス部屋を探ってみると、部屋の真ん中の床下が空洞になっていた。


「お、ここになんか穴があるぞ。えーと、動きそうにないし割るか」


パンチ一発どかーん。

階段を降りていくと広々としたフロアが一つ。なかなか荘厳な雰囲気の部屋だ。

その奥には石造りの台座があり、その上には巨大で透明なクリスタルが一つ。

その中では女性が一人眠っていた。


「うわー宝物探しにきたらなんか違うものが・・・女神様かなんかかな?」


鑑定してみると魔人族だった。女神様とは正反対だったわ。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

オリヴィア = ファルジア  78歳(封印期間64年) 女 魔人族

レベル:21    経験値:6/13739



HP :560/560    才能:B

MP :8032/149627   才能:S

力  :189      才能:C

知力 :1969      才能:S

素早さ:285       才能:C

器用さ:593       才能:A

運  :188     才能:C


魔法

火魔法Lv2 水魔法Lv2 風魔法Lv2 土魔法Lv2

闇魔法Lv3 時魔法Lv5 空間魔法Lv5


魔法適正

火 :A

水 :A

風 :A

土 :A

光 :-

闇 :S

時 :S

空間:S


スキル 魔力感知 

身体操作Lv2  魔力操作Lv7 身体強化Lv4


称号

魔に愛されし者 ダンジョンに封印されし姫 旧ファルジア国第四王女 

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


うーむ。なにこのステータス。ピーキーにもほどがあんだろ。

まずMPが異常に多い。今の俺のレベルが49でMPが1万1000だ。

才能は俺と同じSなのにMPの最大値が10倍違う。あと魔法適正が高すぎる。

Sが3つもあるのなんて初めて見た。他も光以外はAだし本当に人族かこれ。魔人って人族の範囲から外れるのだろうか?

そして逆に身体的なのは普通の人間並だ。刺されたら普通に死ぬな。


「・・・って感じのステータスだ」


「うーん、私のMP?でも魔法打ち放題でしたよね?この人がいれば魔人族は戦争に負けなかったと思うんですが、何でこんなところで寝てるんです?」


「さあ・・・?というかこれどうしよう?」


「話が出来るならしてみたいですね。MP以外は脅威にはなりませんし、もし襲ってくるなら倒せばいいのでは?ボスがいない理由とか知りたいですし」


「それは気になるよなぁ。封印?されてるのかな?」


そう言いながらクリスタルを触ってみると、パキッと音を立ててひびが入った。


「え!?軽くしかふれてないぞ!」


「あーあ、壊しましたね!ご主人様!」


なんでこいつこんなに嬉しそうなんだ。うぜえ。


ピシピシピシ・・・ガシャーン

一気に亀裂が走りクリスタルが割れた。支えを失った女の子が倒れこんでくる。


「おっと」


クリスタルは割れると同時に空中に溶けるように消えてしまった。普通の鉱物とかとは違うようだ。

女の子を石の台座に寝かせようとすると、身じろぎした。目覚めるようだ。


「う、ううん・・・はっ、に、人間?ここまでどうやって!?」


目を覚ますと同時に振り払われた。続けて魔法の詠唱が始まる。


「・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ ・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・

ダークボール!」


状況判断が早いと褒めればいいのか、話が出来ないと困ればいいのかって所だな。

とりあえず魔法は普通に避けた。


「くっ!・・・・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・

シャドウバインド!」


俺の足元から影が伸び上がってくる。ボールではあたらないと見て拘束魔法のようだ。

面白そうなので拘束されてみる。アイラは普通に避けてた。


「おー、こんな魔法もあるんだな」


「黙れ人間!そちらは獣人ですね?奴隷の首輪をはずしてあげますから抵抗しないでください」


「私は別にこの首輪で支配されてるわけではないので、外してくれなくてかまいませんよ?」


「なんですって!卑劣な人間に自分から従っているというの!?あなたの祖先に人間がしたことを忘れたというのですか!」


「いえ、祖先どころか現在も人間には迫害されてますが」


「やはり外の状況は変わってないのですね。それなのになんで!?」


俺を放置して二人の会話が進んでいく。アイラが率直すぎて向こうのボルテージがあがっていくぜ。


「なあなあ、必要なら拘束されたままでいてやるから、話聞いてくれない?」


「人間の話なんて聞く耳持ちません!死になさい!・・・ ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ ・・・ ・・・・・・シャドウバイト!」


詠唱長いなー。隙だらけじゃん。


「ふんっ」


拘束を無理やり解き、地面を高速で進んできた3本の真っ黒なの刃を避ける。

なかなかカッコいい魔法だ。


残念ながら話を聞く気がないようなので無理やり拘束するか。

魔法はぱくらせて貰おう。


「シャドウバインド」


「え!?そんな!」


影で縛り上げる。・・・ちょっとえろい。いやいやそういう目的じゃないから。


「む、無詠唱?人間が!?」


「これで君は抵抗できないわけ何だけど、大人しくお話しない?」


「くっ屈辱です!」


殺気をがんがん飛ばしてにらみつけてくる。あーもうめんどくさいな!


「俺は間違いなく人間族だけど、この世界の人間とは主義も趣向も違うんだ。その理由もちゃんと説明するからちょっと黙ろ(・・)?」


最後の台詞に被せて恐怖スキルを使う。


「あっ・・・なっ」


本気じゃないとはいえ、耐性がない彼女にはきついようでがたがた震え始める。

女の子脅して泣かせるとかなかなかやりたいことじゃないね。すごい悪いことしてる気分だ。





「・・・斯々然々という訳で魔族に敵対する気はないし、迫害する気もない。あとアイラ、変身解いていいよ」


「え、宜しいのですか?」


「この子?が人間の町に行ってお前のことしゃべるってのはないだろ。たぶん」


「はあ、ではまあ」


アイラの姿が、元に戻る。角が生え、瞳と髪の色が変わる。尻尾が生え背中から蝙蝠のような翼が出てって、ええ!?


「アイラ、その翼と尻尾は!?」


「え?おお、私にもついに!!嬉しいです!」


「お、おお・・・なにそれ、後から生えるもんなの?」


「ええ!これがでてくると竜人族では一人前の証なんです。ずっと獣人の姿でいたからなのか、なかなか生えて来なくて心配だったんですよ」


「そうか、それならまあ、よかったな」


あ、オリヴィア忘れてたわ。


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