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18話 後始末

村までの道のりは足取りの重さからか、行きより遠く感じたが特に何かが出てくることもなかった。

コボルトがこ森を支配していたんだろう。洞窟の外に15匹、洞窟の中に10匹いたので依頼より実に5倍もの数が生息していたことになる。これだけの数がいれば、この小さな森を彼らのものにするのには十分だっただろう。


魔物の事情なんか知らないと言われればそれまでかも知れないが、それでもこの数は多すぎだ。

命をかける側としてはたまったものじゃない。

コボルトだからいいが強力な魔物だったら逃げ出すことになっていたかも知れない。


「村長さん、コボルトの始末は終わりました。計25匹、依頼では5匹とのことでしたが?」


「そんなこと知るか!魔物なんだから勝手に増えたんだろう?」


「ちょっと増えたなんてものではないと思いますがねぇ・・・まあいいです。

依頼は終わったのでこれで失礼します」


「ふんっ」


あれで村長か・・・助けてもらっておいて礼の一つもいえないなんて。

今回の依頼は最初から最後までいいことがなかったな。




ティキッド村を出てペルラの町へ移動する。

道すがらしばらく無言だったアイラがおずおずと話しかけてくる。


「あの・・・ご主人様」


「なに?」


「いろんな人間の対応が悪いのは私を連れているからです

人間の方とパーティを組んだほうがいいと思うのですが・・・」


そういった彼女は・・・泣きそうだった。


「俺は、知らない誰かと仲良くするために知ってる誰かを遠ざけたり排除するなんてことはできないな」


「・・・」


「それに背景を知らなかったとは言ってもアイラを買うと決めたのは俺だ。

手放す気はないよ」


「ありがとう、ございます」


「それに、いやになっても手放せないぐらい役に立ってやる!とかの方がうれしいな」


「はい、精進します」


やっと笑ってくれた。しょうがないなぁという雰囲気がたぶんに含まれていた気がしたが。





町が見えるところまで歩いて来たが、彼女は平然と歩いてる。あれ?


「なあ、行きはへばってたよね?」


「あ、そうですね?今は特に疲れてはいませんが・・・」


これはあれか・・・鑑定っ


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

アイラ ヴォルファーレン 13歳 女 火竜人族

レベル:17    経験値:2159/6926



HP :3065/3264  才能:S

MP :1054/1212  才能:A

力  :1750     才能:S

知力 :611      才能:A

素早さ:599      才能:A

器用さ:341      才能:B

運  :168     才能:C


魔法

火魔法Lv2


魔法適正

火 :A

水 :D

風 :B

土 :B

光 :B

闇 :-

時 :-

空間:B


スキル 変身  魔力感知 竜眼

身体操作Lv2  魔力操作Lv2 身体強化Lv2

印象操作Lv3


称号


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>



うん、意味わからんぐらいレベルあがってるな。俺の経験値10倍がアイラにも作用したようだ。

ありがとう神様!

ということはスキルも一緒に練習したらがんがん上がるな。



「すっごく強くなってるぞ、アイラ。具体的に言うと・・・朝の9倍ぐらいかな?

あ、9倍って分かるか?アイラ9人分な?」


「はあ?なんですかそれ・・・冗談にしても言い過ぎでは?」


「ではではそこの石ころを持ちまして・・・ぎゅっと握ってみてください」


「えぇ・・・粉々にくだけ・・・ましたけど・・・」


「そんな感じです!ちょうどいいものがないんであれだけど。まさか木を無駄に倒すわけには行かないし」


アイラは面白いぐらい動揺し、おろおろしている。

なんかぶつぶつ言ってるが、早く現実に戻ってきて欲しいものだ。


「そうだアイラ、君にひとつ言っておく事があるんだ」


真剣な顔をして話しかけると、アイラはひとまず落ち着きこちらを向いた。


「な、なに?」


「力加減気をつけろよ?うっかり本気だすと人が死ぬぞ?」


「ええ、そうですね・・・気をつけます」


失敗した。笑わせようと思ったのに真剣に悩み始めた。

俺に笑いの才能はなかったようだ。




真剣に悩むアイラとすべったことに悩む俺、という変な二人のまま冒険者ギルドへ行く。

アンガスさんがいたので依頼がおかしかったことも報告をする。


「獣人が一緒にいたとしてもその対応はまずいな。なによりその村長は冒険者ギルドへの依頼をごまかすということがどんなことか分かってないらしい」


「対応お願いしても?」


「ああ、こちらの不手際ということでもあるし対応はする。25匹分の証拠はあるか?」


「右耳ということだったんで取ってきました」


証拠は大事だよね。ないと言いがかりになっちゃうからね。


「確かに預かった。これをもって依頼の達成と認め、報酬は5倍出しておくよ」


「いいんですか?」


「ああ、差額はティキッド村か村長から取り立てるよ」


さすが王政の国の国営組織。強い。


それから虎の牙が絡んだことを謝罪された。

なんでも彼がこの支部に就任してきた時に新人として入ってきたとのこと。

自分の指導力不足だったと嘆いていた。




それからギルドの訓練場を使ってアイラと練習をした。

やはり俺のスキルが効いているようで、彼女のスキルもかなり早く増えて行った。

俺は逆にアイラに『身体強化』を教えてもらい習得した。


ただアイラの説明はなにかをする時にふんっと力をこめるんです!

という説明になってるんだかなってないんだかよくわからないものだったが・・・。

感覚派なんだろうか。それにしても下手な説明だが。


『身体強化』のレベルを上げると刃物が通りにくくなるとのことなのでレベル上げを頑張りたい。

皮膚に魔力を通して硬くしてる感じかな?たぶん。


いろいろ特訓をしている人の中から槍使いの人と剣使いの人にお願いして、それぞれ手合わせしてもらった。

あ、アイラには技術を盗むのが目的であって力でなぎ倒さないようにと言っておいた。

本気で武器振ったら相手が死ぬ可能性もあるからね。


15分程度?の短い間だったがなかなかアイラの動きもさまになってきた。

やっぱり他の人と練習するのはいいね。


練習を終え宿に戻り晩御飯を食べた。昨日叱られた甲斐もあって少し大きめの部屋を貸してくれることになった。ベットも二つだ。


昨日の寝不足もあってベットに入った後はすぐに眠れそうだ。


アイラもひとまず強くなったけど、これからも研鑽を怠らずにいこう。

まだ見たことのないファンタジー生物や装備なんかを目指してこれからも頑張ろう!

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