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第六景 朽ちた橋

 小説と謂う河に一本だけ朽ちた橋が掛かっている。

私はもうこの橋を渡ってしまった。

時々、向こう岸で手を振る人が見える。

向こう岸の人は夢と希望と未来に輝いている。

今、ここに在る私は思い出と忘却と虚しさのツエを持った、ただの案山子カカシである。

手を振っても誰も応える人さえ居ない。

木の枝でカラスが鳴いている。

遠くから寺の鐘の音が聞こえて来る。

あのカラス達は朽ちる私の姿を見ているのであろう。

骸に成った私を狙っているのだ。

                         色即是空

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