幕間 魔法の進化
※幕間です。
本編の合間に挟まる寄り道のようなお話です。
読まなくても本編の理解には影響しませんので、気が向いたときにでもどうぞ。
無理して読む必要はありません。
猫たちもそう言っています。
魔石魔法と入れ墨魔法、最初は魔石魔法を使う国が優勢であった。
しかし次第に入れ墨魔法を使う国が盛り返していく。
魔石はありふれた素材ではあったが、必要な量を集めるためには各地から集める必要があった。
入れ墨魔法は、一人の魔法使いを施術により用意するため、当初は時間がかかるが、数が揃えば優勢になるのは自明の理であった。
このまま入れ墨魔法が押し切っていくのかと思われたが、そうはならなかった。
入れ墨魔法の魔法使いは目立ちすぎたのだ。
魔法を刻めば刻むほどに入れ墨面積が増えていくため、魔法使いが一目でバレてしまう。
魔石魔法使いは、一般人と見分けがつかない。
ゲリラ的に、入れ墨魔法使いだけが狙われていった。
とある入れ墨魔法の魔導士は、決められた入れ墨の文様に不満を持っていた。
ある時こっそり、一部を自分オリジナルの飾り文字に変えてみた。
文様は同じでも魔導士によって効果は違っている。
発動しなければ新たに追加してごまかせばいい。
そんな考えで安易に行ったが、魔法の発動に影響はなかった。
彼は、調子に乗って大きさ、デザイン、色、繰り返すたびに大胆に変更していった。
さすがに周りにもばれた。
だが、魔法の効果には影響がなかった。
ここにきて、入れ墨魔法の入れ墨そのものは、本質ではなかったことが判明したのだ。
入れ墨がない魔法使いが増えたことで、魔石魔法は再び劣勢に追いやられていった。
とある魔石魔法の魔導士がいた。
彼の作る魔石は、使えないと評価された。
彼の作る魔石は、威力こそ高いが、必要とする魔力が多すぎたのだ。
使える魔法使いがいない。
彼は魔法使いとして優秀であったので、魔導士をやめることだけを求められた。
彼は魔導士であることに拘りがあった。
ただの魔法使いになることは嫌だったのだ。
彼は考えた。
使う魔力も、最初に用意したらどうだろうか。
その理論は成功した。
作成時に使用する魔力を魔石に込めることで、魔力不要の魔石が完成したのだ。
誰にでも扱える高威力の魔石。
魔法の安全ストッパーが、なくなった瞬間であった。
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