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アルフォンスは魔導士ではなく、猫である  作者: 猫のアミーゴ


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ネリー外伝8 おうちデートと恋のライバル!?

※番外編です。今回はネリー視点のお話です。

※対応本編:第30話 アル、どういうことですか?

アルから猫トイレが完成したとは連絡はなかったが、私は進捗が気になるとごり押しして、会う約束を取り付けることに成功した。

ひたすら休みの日が待ち遠しい。

だけど切実な問題があった。

着ていく服がない。正確にはアルに披露していないかわいい服がないのだ。

クローゼットの中には、かわいさの欠片もない仕事着ばかり……。


私はララに相談した。

「恋する乙女の悩みだねぇ~」

ララはにやにやしながらもアドバイスをくれた。

「限られた給料の中でいつも新しい服は無理よ。小物と着回しでどうにかするの! あとは髪型とメイク」

そう言った翌日、ワンピースの上から羽織れる紗を持ってきてくれた。

「これ一枚で初夏の雰囲気になるはずよ。今度あんたの家でコーディネイトも考えようね。ヘアアレンジは練習あるのみ」

現実のララも頼りになる。

感謝の気持ちを伝える私にララは、「乙女のオシャレは持ちつ持たれつよ!」と言った。


後日、私の部屋にきたララはしっかり私の手持ちを確認して、コーディネイトを考えてくれた。

そして、小物の貸し出しの約束をさせられた。

『乙女のオシャレは持ちつ持たれつ』の意味がよくわかった。



自警団のヘルマンさんから事件のことについての連絡があったそうなので、アルの自宅に行く前に話を聞きに行くことになった。

アルが迎えにきてくれるまで、私は鏡の前で5回はチェックしたと思う。

そんな私の様子をアンバーとレモンが交互に見に来た。



アルは自警団詰所の裏手にいるヘルマンさんに、

「先に相談のあったビオトープを見たいのですが」

「え?いい魔法があったのですか?」

アルがカバンから取り出したのは、私にも見覚えのある魔石だった。

「あ、その魔石」

暴漢に襲われた私を助けるためにアルが投げた魔石だ。

あの時のことを思い出すだけで、どきどきしてしまう。


アルはビオトープの中に魔石を沈めた。

ああ……。思い出の魔石が……。

「水の流れを作ることで苔やボウフラが発生しにくくなります。また汚れが溜まるのも防げますよ」

ビオトープを確認するヘルマンさんを見て、またこの強面に先を越されたと思ってしまった。ううう…。


「なるほど、これはいいですね。ちなみにこの魔石はおいくらぐらいでしょうか?」

「ああ、それは失敗作の再利用ですから差し上げます」


待って!! それは売るべきものだわ。

アルは商売っけが足りてない。それも圧倒的に。


そう思ったのは私だけではなかったようでヘルマンさんがつぶやいた。

「アルさんは危なっかしすぎますね」

「ええ……」

私がどうにかしなきゃという使命感がひしひしと湧いてくるのを感じた。



詰所で青い花の植木鉢の顛末を聞かせてもらった。

犯人の一方的な片思いからの身勝手な犯行……。

私は暴走してないよね……。

ちらりとアルを見上げた。


私にはひとつだけ気になったことがあった。

「キルヒナーさんの家の前に植木鉢を置いたのは、いったい誰なんでしょう?」



ヘルマンさんから資料を返却してもらい、詰所を後にした。

本日のメインイベント。アルの家でのおうちデートだ。

アルはデートとは思ってないのだろうけど。


イマジナリーララが、『実質デートっしょ』と言ってくれた。



私は愕然とした。

「おかえりなさいませ。アルフォンス様」

「ただいま。ミリアム、悪いけど来客だから応接室に紅茶とコーヒー運んでもらってもいいかな?」

若い女性が出てきたのだ。

冷静でいられるわけがない。

思わずアルの袖をつかんでしまった。


「あのアル、この方は?」

「メイド見習いのミリアムです。ハンナさんの助手です。ネリー様。お見知りおきを」

「最近、実家で雇われたらしくて、今日はツバキの面倒見てもらっていたんだ」

「……そうなんですか」

ミリアムさん、若くてかわいい。

うう……複雑な心境だった。



アルは私の気持ちに気づいた様子もなかった。

「消臭機能と屋根の実装はこれでいいと思うんだけど、自動起動が上手くいってなくてさ……」

ツバキちゃんが外してしまったというリボンを私に見せてきた。

「このリボンは、もしかしてお菓子の箱についてた奴じゃないですか?」

「ダメだった?」

「これじゃあ、すぐにほどけてしまいますよ。ちゃんとした首輪にすべきですね」

リボンはツルツルしていて、引っ掛かりがない。

ツバキちゃんが普通に動くだけでほどけたのじゃないかな。



「失礼いたします。お茶はこちらに置かせていただきますね」

ミリアムさんがトレイを持って入室してきた。

「アルフォンス様。お礼が遅くなってすみません。猫トイレありがとうございます。ブラウも愛用しています。本当にこれは素晴らしいですね」


え……?

アルがミリアムさんに猫トイレをあげた……?

まさか、そんな関係なの?

いや、猫トイレは私と一緒に作っていたんじゃないの?


気が付けば、自分から出たとは思えない低い声でアルに詰問していた。

「……アル、どういうことですか?」

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


楽しんでいただけましたでしょうか?


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これからもよろしくお願いします!

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