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アルフォンスは魔導士ではなく、猫である  作者: 猫のアミーゴ


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ネリー外伝4 アルフォンスの攻略法

※番外編です。今回はネリー視点のお話です。

※対応本編:第15話 首輪の記憶

スヴェン・ランゲ教授の告別式に、叔父の秘書として参加していた。

すでに、必要なあいさつ回りは終わっていた。

「ところで、休みまで取ったんだから、例の彼とは進展したのかい?」

叔父はことあるごとにからかってくる。

私だって進展したいんだって!

むくれる私に、叔父は『食事でもとって帰ろう』と言い、飲食スペースに向かった。

当然秘書である私もついていく。


「おっ、例の彼はあそこにいたぞ」

え? 叔父の視線の先にアルフォンス様がいた。

「卒業生だから来てるだろうと思ったよ」

叔父はにやにやと笑った。

でも応援してくれているのよね。

私はアルフォンス様に近づいていった。



「ジルバーシュタイン様。奇遇ですね」

「あれ、エッカート女史も卒業生でしたか?」

「いえ、今日は秘書として参加してます。とはいえ叔父ですが。」

「魔法管理局事務長ハンス・エッカートです。君の噂はネリーから聞いているよ」

叔父はにやにや顔を消して、気さくな感じで話しかけていった。

「アルフォンス・フォン・ジルバーシュタインです。こちらこそ、エッカート女史にお世話になっております。」

アルフォンス様に叔父が変なことを言わないか、ひやひやする。

「同じエッカートだから、ややこしいだろう。私のことはハンスと呼んでくれ」

叔父が私に目配せをした。

あ、これはチャンスだ!!

「あっ、じゃあ、私のことはネリーと呼んでください!!」

「ハンス事務長、ネリーさん。オレのことは、アルで」

よっしゃー!

思わず手を握りしめた。



さらに叔父の快進撃は続く。

「ネリー、私は先に帰るから楽しんでいきなさい。アル君。ネリーを送って帰ってくれないかい?」

叔父は最高のパスを決めて、手を振りながら離れていった。

叔父様ありがとう!!もう、スーツから加齢臭がするなんて言わないからね!



「すみません。叔父が」

「アル、いつの間に素敵な女性と知り合ったんだい?」

アルさんと一緒にいるのは、友達のカイルさんだ。

名前で呼べるようになったのが嬉しい。

ふふ、心の中でアルさんと何度も呼んでみた。


「ああ、ちょっと猫のことでね」

「そういえば、アルさんは、猫語がわかる魔法が使えるのですよね? 私もその魔法欲しいのですが」

「あー、あれね。魔法というか、魔法失敗の事故なんですよ」


酔っ払って魔法を失敗してしまったという、アルさんのダメダメエピソードが飛び出してきた。

でも、かぎしっぽさんやツバキちゃんのことを思うアルさんはすごく優しい。


「そういう訳で、猫の言葉がわかるんだ。話すのは猫の体じゃないから、片言なんだけど」

「まあ……猫と話せるのがうらやましいと思っていましたわ」

レモンも私も助けてくれた。

優しい人なんだよね。

ちょっとずれてはいるけど。



アルさんが、何かに気を取られたようだった。

「アルさん、どうかされたのですか?」

「今、横を通った男性、どこかで見たことがあるような気がしたけど、思い出せなくて」

私もその男性を見る。

「あの方は、ランゲ教授の助手を長年務めていた方ですよ。トーマ・キルヒナーさん。今日も、最初のほうで挨拶されていましたから。」

アルさんは考え込んだ。

「わかった! かぎしっぽが見たんだ」

「記憶の猫ですよね? かぎしっぽさんは、飼い猫だったのですか?」

「いやノラ猫だったよ」

「いつも餌をくれる人だったんですか?」

「いや、初めて見る人だったけど、かぎしっぽに首輪つけてた。」

「猫を探してるかもしれないから、亡くなったことを教えてあげたほうがいいよな」

「でも、かぎしっぽさんは、初めて会った人なんですよね? 飼うなら首輪つけた時に保護すればよかったでしょうに」

何かおかしな話ですよね。


「伝えるだけ伝えてくるよ」

「じゃあ、その間に俺はデザートとってきとくよ。適当に確保しとくな」

私はアルさんについていくことにした。


「猫の餌やり場で、猫に首輪を着けていましたよね? その猫のことなんですが……」

「!!」

キルヒナー氏の顔色が変わった。

「私は何も知らない!! 関係ない!!」

キルヒナー氏は、逃げるように去っていった。

「オレ、何か変なこと言いましたっけ?」

明らかにおかしい。なにかやましいことがあるような……。

『猫に首輪を着けた』という部分に動揺していた。

首輪に何かあるのかしら。



しばらくは他愛のない会話をして過ごし、アルさんが送ってくれることになった。

アルさんは車を呼ぼうとしていたが、会場には人が多く簡単には捕まらない。

「近いですし、歩いて帰りませんか?」

なるべく長く一緒にいたいと思う。

あと、猫の首輪の件がとても気になっていた。


「アルさん。かぎしっぽさんの首輪ってどんなものだったのですか?」

「確か、ピンク色でブタの柄が入っていたよ」

「よく覚えていますね?」

「ああ、自宅に現物があるから。ツバキの大事なものだし」

ピンク色でブタの柄……。

レモンの首輪と同じだ。

「それ! 見せていただくことできますか?」

「後日、持っていきましょうか?」

「はい……いえ、拝見しにご自宅に伺わせていただいていいでしょうか!?」

危ない。

おうち訪問のチャンスだわ。

「え、お持ちしますよ?」

「えーっと、ツバキちゃんの大切なものですよね? だから私が伺いますから!!」

「あ……はい」

アルさんの攻略は『押し切れ!!』だ。


楽しい時間はあっという間だった。

「では、ネリーさん。お疲れ様でした。」

今日の私ならいける!

「あっ、あのネリーって呼び捨てで呼んでください!!」

「ああ、じゃあ。オレのこともアルって呼び捨てで」

よっしゃー!

アルさんに見えないように、こぶしを握ってガッツポーズをした。

「おやすみなさい。ネリー」

「はい!! おやすみなさい。アル!!」



家に入ってから「アル、アル」って連呼する。

そんな私をアンバーがじっと見つめていた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


楽しんでいただけましたでしょうか?


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これからもよろしくお願いします!

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