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アルフォンスは魔導士ではなく、猫である  作者: 猫のアミーゴ


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幕間 魔力とメモリ

今回は、魔法に関する世界設定の説明回です。

少し細かい話になるので、興味のある方だけどうぞ。

読み飛ばしても、本編を読むうえでは問題ありません。

「へえ、この世界の魔法ってこういう仕組みなんだ」くらいの気持ちで読んでいただければ嬉しいです。

カタリナ王国が建国される前の時代、刻印魔法を専門とするベルントという魔導士がいた。

彼には、ある不満があった。

それは、魔法使いに刻印を施すことができても、魔力不足で使えない場合があることだ。

ある魔法使いは、それを魔導士のせいにした。

ベルントは、無駄が嫌いであった。

その人の総魔力量を知ることができれば、ちょうどいい魔法を刻むことができるのに。



ベルントは、まず基準を決めた。

彼が刻む魔法の中で、消費魔力が最小のものを1とした。

最初に作った魔法は、計測される人の状態によって数値が変わった。

調べた結果、総魔力量ではなく残存魔力量が計測されたのだ。

彼が作りたかったものではなかったが、魔力が回復しきったところで計測すれば目的は達成できるため、成功といえる結果ではあった。

むしろ、あとどれぐらい魔法を使えるかの目安となると人々は喜んだ。



ベルントは、この結果では満足しなかった。

「魔力は、時間と共に回復する」

このことから、計測はできないかと考えたのだ。

まず、魔力の回復は一定量なのかを、先に作った魔法で実験した。

魔力を減らしてもらい、そこから1時間ごとにきっちりと魔力の測定を行った。

回復する魔力の量は個人差があるが、1時間ごとに回復する量はほぼ一定であった。

魔力の回復量が多い人は、総魔力も多いのか?

被験者には、数日魔法を使わないでいてもらい、回復量と総魔力の関係を調べた。

総魔力が低くても回復量が多い、逆に総魔力は多くても回復量が低い人がいることがわかった。



いつものように、被験者の回復量のデータを確認しているときに、ある異常データを発見した。

いままで時間あたりの回復量が10だった人が、20回復していたのだ。

しかし、翌日の同被験者の回復量は10に戻っていた。

これは計測ミスなのか。

ベルントは被験者に、その日、何か変わったことがなかったか確認した。

その日被験者は、朝から魔法を使うことが多く、ほぼ使い切った状態だったということがわかった。

確かに計測開始時の残魔力が、いつもより少ない状態であった。



魔力が減りすぎると回復量があがるのか? どこまで減れば、回復量があがるのか?

再び検証を繰り返した結果、人は残存魔力が10%を切った場合に魔力回復量があがることがわかった。



新たなベルントの研究により、魔力計測手順が確立した。


・回復量を計測

→通常魔力回復量の確定

・回復量が変化するまで魔法を使用し、計測

→非常時魔力回復量の確定

・回復量が通常に戻る数値を計測

→総魔力量の確定


後にベルント式魔力計測法と呼ばれる。

また、魔力の単位はベルントの名前からとってBとされた。



魔力の計測に対して、魂の領域(メモリ)の容量は、現代においても確立していない。

魔法(アプリ)をインストールした時の個人的な感覚で、まだ容量があると認識するしかないのが現状である。

幸い、魔法ごとのメモリの使用量は、魔石魔法の魔導士マリウスの研究により計測方法が確立した。

メモリの単位は、マリウスの名前からとってMとされた。

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