幕間 魔法と戦乱
※幕間です。
本編の合間に挟まる寄り道のようなお話です。
読まなくても本編の理解には影響しませんので、気が向いたときにでもどうぞ。
無理して読む必要はありません。
猫たちもそう言っています。
魔法を使えれば、効率よく収穫ができる。
魔法の存在は、村から近隣の村へと伝わっていった。
山にはたくさんの魔石があった。
新たに魔導士も見出された。
魔導士ごとに、込めることのできる願いは異なっていた。
同じ水を得る魔法であっても、ある者が作った魔法は水瓶を満たし、別の者が作った魔法は畑に散水するといった具合であった。
作った魔導士が同じであっても、量など微妙な違いがあった。
まったく同じ効果のものは存在しなかった。
村は、まわりの村を取り込みながら発展していった。
掘れば魔石が出る山は各地に存在した。
魔法は世界に広がっていった。
魔導士と魔石鉱山を多くもつ集落は富み、持たない集落と格差を広げていった。
魔導士、魔石鉱山は、奪い合いになった。
そして、より攻撃性を帯びた魔法が作られるようになっていった。
魔導士が作った攻撃魔法の魔石を、魔導士以外の人間が使って争う。
その中で、保持できる魔力の量が人によって違うことも知られてきた。
保持できる魔力の上限や、魔力の回復力が高い者は、魔法使いと呼ばれるようになった。
人々は、魔石、魔導士、魔法使いを多く求めるようになった。
それらを多く有する集落は、街となり、国となった。
奪われないようにするため、城塞が築かれ、軍隊が生まれた。
魔法によって世界は戦乱の世となった。
魔石鉱山を持たない国は併呑されていった。
魔石鉱山に乏しいある国の山奥でとある民族が発見された。
彼らは全身に入れ墨をいれており、魔石を使わずに魔法のようなものを使った。
魔石を使った魔法ほどの威力はないが、火を出し、水を出し、祈りによって作物を成長させる。
まさに始まりの魔法と同じだったのだ。
追い込まれていた国は、彼らの協力を得て研究を始めた。
彼らは魔法を使うときに、魔力を消費していた。
では、魔石の代わりを何かが果たしているものがある。
魔石の入手が困難な国は、一筋の光明を見出した。
この民族では、祭司といわれる役職者が成人した者に入れ墨を入れる。
入れ墨が入っていないと魔法は使えない。
入れ墨の薬剤か、祭司の技術か。
祭司が墨を入れることで効果がでることがわかった。
入れられた魔法使いは、何かが刻み付けられるような感覚があったと語った。
・入れ墨を入れれば入れるほど、使える魔法が増えること。
・一定以上の量を入れるとそこから先は、ただの入れ墨となること。
・魔石と違って、入れ墨の魔法は毎回同じ効果が発動すること。
・祭司は、魔石に願いを込めることができる魔導士であること。
願いを魔石ではなく人に刻み込んでいる。
これが結論であった。
ただし、人は魔石と違って、魔法を使っても砕け散らなかった。
魔石が取れない国は、入れ墨魔法により世界の戦乱で生き残ることができた。
後に入れ墨魔法から発展した魔法が主流となっていった。




