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アルフォンスは魔導士ではなく、猫である  作者: 猫のアミーゴ


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第7話 青い花の謎

ふと思い立ったので、魔法管理局を覗いてみた。

窓口には、暇そうなダーヴィットがいた。

「アル、エディタはまだ返せないぞ」

「いや、ちょっとお前に相談あってさ。話せる時間ある?」

ちょっとだけ、エディタ早く帰ってこないかなと思ったのは内緒だ。

「いいぞー。最近暇だからな」

ダーヴィットは、窓口に【外出中】の札を下げて、出てきた。

公務員がそれでいいのか?

「近くの喫茶店にでもいくか?もちろん、お前のおごりな」

魔法管理局は高給取りじゃなかったっけー?

「すまん、猫連れているから喫茶店は無理かも、公園でジュースでいいか?」

カバンから顔を出しているツバキを示す。

「……まさか、お前が取り込んだ記憶の?」

「別猫だ!!」



公園近くのジュース売り場で、ジュースを買う。

ダーヴィットはオプション全部のせを選びやがった。

もちろん、オレのおごりで。

「ところで相談って何だ?それとも、この前の合コンにお前を誘わなかったことについてか?」

「いや、気になることがあって該当する魔法があるかなーって。ところでオレを誘わなかった合コンって?ひどくね?」

「だって、公務員限定って要望があったから仕方ないだろ」

公務員ずるくない? 監査に、仕事中にさぼって抜け出したって通報してやろうか?

「それで、どんな魔法だよ?」

ダーヴィットは、オレの視線を見てまずいと思ったらしく、慌てて話を促してきた。

「街中を走りながら使う魔法ってなんだろうって思って、使いそうな魔法ない?」

「あー、いくつかあるな。まず、強化系だろ。それから探索系かな。詳しく状況教えてくれたら、もっと絞れるかも」

「んー、夜で走りながら魔法を使っていたらしい」

「夜なら、明かりの魔法、暗視力強化、探索系は例えば、財布などにマーキングしておけば落としたとき探せるから財布さがしていたとか?それなら急いでいるから走るよな?」

マーキング?

「その探索ってさ。マーキングに条件あるのか?あと探索距離は?」

「半径10キロぐらいは余裕だったかな。マーキングは事前にやっておけば宝石とか指輪とかでもいいらしい」

植木鉢から取り出したものは、そのたぐいだったのか?

「うちの先輩、この前熱愛発覚した女優の限定ブロマイドにマーキングしてたらしくてな」

ダーヴィットの話を聞き流しながら、もしそうならなんで植木鉢割ったんだろうとオレは考えていた。

ツバキは退屈して寝てた。



「さっさと仕事に戻れ」と、ダーヴィットを追い返した後、マリアの所に向かった。

「アル兄、グレテさんに聞いてきたんだけどね」



――side.マリア

「グレテさーん。こんにちは」

アル兄に言われて気づいたけど、もらった植木鉢が割られたこと、謝っておかなきゃね。

「あら、マリアちゃん。植木鉢取りにきたの?」

「ごめんなさい。実はいただいた植木鉢が、誰かに割られてしまって」

グレテさんに頭を下げる。人にあげたとはいえ、丹精込めて育てた花だもの。私なら悲しいな。

「あらあら、大変だったのね。でもね、マリアちゃん。約束した鉢、持って行ってないわよ?」

グレテさんは首をかしげている。

「この前、グレテさんの所に伺ったら、お留守で旦那さんから好きなの持っていっていいよって言われたのですけど」

「ええ、マリアちゃんが来たらそう伝えてとは言ったけど、鉢減ってなかったわよ。」

「私、持っていきましたよ。青い花の鉢です!」

グレテさんは、いよいよ首をかしげた。

「うちにそんな色の花、なかったわよ。見たことないもの。夫からマリアちゃんが来てたって聞いて確認したけど、持って行かなかったのかとばかり」

そこに旦那さんが顔を出した。

「マリアちゃん、鉢持っていったよ。俺も覚えてるよ。青い花だったぞ」

「毎朝、水やってるんですもの。知らない花があったら気づくわよ」

結局、その植木鉢は誰のものだったのか、なぜグレテさんの家にあったのかが分からないままとなった。



マリアの話を聞く限りでは、植木鉢の謎が深まったとしか。

その鉢に入っていた探し物を見つけて、花を取り除いて、植木鉢を割って、さらに花を捨てる。

ダーヴィットの財布説なら、財布を見つけて、中身が空だったから腹いせで暴れたのだろうか?

「もう帰りたい」というツバキを、「あと一か所行ったら帰るから」となだめ、自警団の詰所に向かった。



自警団では、年配の顔はこわいが穏やかに話す男性が話を聞いてくれた。

「レンガ商店街付近の空き巣について、情報があるということですね?」

オレは、まずマリアの家の植木鉢が割られていた件から話した。

「えーっと、空き巣の件ではなく器物損壊事件ですかね?」

「いえ、植木鉢を割った犯人を捜してくれと頼まれて、調べていたら、なんといいますか、空き巣事件につながっているような感じで」

「はぁ?」

こいつは何がいいたいのかという顔をされた。

オレは地図を出して、説明する。

「この宿屋から出てきた男が、この家の植木鉢を割って、空き巣被害のあった家に入っていったと?」

「そうです」

「えーっと、オレは魔導士なので、魔法で調べたり、目撃証言とか集めたりしてまとめた結果なんですけど」

めっちゃ、疑われてる。

「参考にさせていただきますね。ありがとうございました。出口はあちらです」

自警団員は、笑顔で出口を指さした。



オレは、ムカムカしながら家に帰った。

ツバキにごはんを出す。食べ終えたらオレを見つめてくる。

クッキーを3枚、皿に入れてやった。怒りが落ち着いてくるのを感じた。



翌朝、オレは気づいた。

もう調査したし、これでいいんじゃないか?

マリアには、犯人は空き巣犯だった。

あとは自警団が捕まえてくれると伝えれば、ミッション完了じゃないか。



マリアに伝えに行った。

植木鉢の片付けして帰るように言われた。

オレは黙って片づけた。

明日には、エディタが返ってくる。

もう、それだけでいいと思った。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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