飯坂温泉はオタクの湯治場!
バック画面が出てきてに黒い枠のある太い行書体の赤字で『福島県には何があるの?』と表示され、その周囲に赤べこ、ラーメン、温泉マーク、桃の簡易的なイラストが散りばめられている。背景は変わらず会津磐梯山。
『はい、それでは改めまして、福島県には何があるか。例えばお隣の宮城県には松島、私がいま住んでるところの近くには江ノ島や鎌倉といった言わずと知れた観光地があるわけですが、福島県でそれに相当するものといえば、浜通り、いわき市にあるプールなどから構成される大型レジャー施設『スパリゾートハワイアンズ』ですね。これはもうホームページ見てください。私が言うよりそのほうがわかりやすい。
それで、まずね、福島県に来たことないオタクにオススメの入門的スポットを紹介するね。
ズバリ、飯坂温泉!
飯坂温泉は東北新幹線の福島駅から私鉄の福島交通飯坂線に乗って30分弱、駅を出たらそこはもう温泉街! というとても好立地な温泉街なんですけど、ここのすごいところは、某美少女コンテンツの勢いがとにかくすごい! 駅の中も街もお店も旅館もその女の子でいっぱい! 地元の人がやる気のあるオタクだから、周りのオタクじゃない人たちも巻き込んで一体となって街を盛り上げてるの!
飯坂温泉は、オタクの湯治場!
大事なことなのでもう一回。
飯坂温泉は、オタクの湯治場!!
これはずーっと前に許可を得ているから実名を出すと、駅から徒歩3分くらい、温泉街の中心地にある『ほりえや旅館』ではサブカルルームなる特別なお部屋があって、その女の子以外にも美少女グッズがぎっしり! そこに泊まるオタクからは『自宅のような安心感』などとイタタタターッ! な大評判! 過大評価なしでマジで痛すぎる。オタク部屋どころの話じゃない。ギッシリが過ぎる。何人もの美少女たちの視線に囲まれながら眠りに就く安心感。あれはヤバい。気になったらXで検索してみて!』
レスが付く。
『めちゃくちゃ饒舌』
『オタク特有の早口』
『あの部屋は狂気』
『ほんと自宅のような安心感』
『旅先に家がワープしてきたみたい』
僕もまどかさんたちの卒業で訪れたほりえや旅館。サブカルルームに宿泊したのは女性陣だが、室内は見学した。
『ほかの旅館でもそのキャラクターを展開しているから、特にあの奥飯坂、穴原温泉の老舗高級旅館とか、好きな旅館を探してみてね! あそこフカヒレのスープがうまい。クコの実がポイント』
『おっといけないオタクが過ぎた』
再びレスが付く。
『オタクが過ぎたは草』
『いやほんとね、溢れ出す言の葉をスピーディーに、かつすべて伝えようとするとこうなるんだよ。脳の処理速度に言葉が追いつかない。ほかの旅館でもそのキャラクターを展開しているから、特にあの奥飯坂、穴原温泉のフカヒレのスープがめちゃくちゃうまい老舗高級旅館とか。ほかにもたくさん旅館があるから、気になるところに泊まってみてね!』
『それでね、飯坂を勧める理由はまだあるの』
バック画面が会津磐梯山から飯坂の温泉街に切り替わった。鯖湖湯という木造平屋建ての共同浴場だ。




