表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

06話

朝、いつものように私が朝食とお弁当を作る。お弁当と言っても、朝食の残ったおかずだけど。定番のおかずだけど。卵焼きとかミートボールとか鮭とか、たまにタコさんウインナーも作ったりする。






「おはよう」






「あ、おはよー。今日はのんびりだね、仁君」






「鷹臣はまだ寝てるけどな」






「…一応、まだ学校なんだけどなあ」






お弁当箱にいんげんのゴマ和えを入れる。うまそ。寝起きの仁君は、コーヒーメーカーをセットしたあと、顔を洗いに洗面所に向かった。隙間にタコさんウインナーを詰めて、後は冷ますだけ。






「お腹すいた」






「壱羽、今日の朝メシは?」






「和食。ご飯、ワカメと豆腐の味噌汁、かぼちゃの煮物、塩さばを焼いたやつ」






「今日も美味そう。鷹臣、起こしてくるわ」





机に並べたほかほかの白米とふわふわのさばたち。お腹がすいた。本当にヤバい。空腹だ。グゥと鳴るお腹。仁君はそんな私を見かねてか、鷹臣君を起こしに行ってくれた。






冷えた麦茶を注いで、椅子に座った。早く早く早く、食べたい。おかずの端々を摘まみながら作ったんだけどなあ。





「はよ」






「ん、おはよ。早く顔を洗ってきて」






「へーへ」






鷹臣君は睡眠だけは、驚くほど貪欲だ。その上寝汚い。寝たら何時間でも寝るだろう。バイトが立て続けに入っていた頃は、半日寝入っていた覚えがある。






「ーーさて、いただきます」






「いただきます。壱羽、醤油取って」






「ん」





「仁、次貸して」






「ほいよ。んで、今日は三人で朝から向こうだろ」






「そうだ」






「1日丸っと、なの?」






朝ごはんの時は、今日1日のスケジュールを教えあう。それによって、夕飯当番と掃除当番とかが決まる。といっても、掃除は私が殆どしているようなものだ。夕飯は仁君がメインで、私は時々交代って感じ。






「1日丸っとだな。多分、壱羽はパンクするだろうし」






「パンクするってどんなバイトだよ」






「多分というか、絶対にビックリする」






だから、どんなバイトだよ。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー






まず、送迎車があったことにビックリした。お前ら、一体何様だよ。車のなかで呟いたら、運転手が驚きのあまり急ブレーキを踏んだ。






「なんだよ、総隊長執務室って。なんだよ、総隊長って」






「俺は副隊長ね。総隊長の補佐してる」






「なんだよ、お前ら」






部屋の前を通る人たちが私を見ていく。一度見て、私の言葉を聞いて、二度見る。振り返ってまで見なくていーよ。偉いのか、コイツ等の方が。そのナンタラ執務室とやらに入れば、いくつものペーパータワーがあった。






それを見た瞬間、仁君が呻いて天井を仰いだ。仁君の仕事らしい。肩書きがある分、大変なんだな。そりゃ朝から晩まで仕事になるよなあ。いやちょっと待て、何納得してるんだ私は。







「ーーやっぱり、なんだよ、お前ら」






「パンクしてるな、イチ」






「そりゃパンクするよ」






「イチ」






「なあに」





「此処は国家組織、狩人と呼ばれる組織の本部だ。狩人は、特殊な力を持った人間たちで構成されていて、特殊能力保持者の犯罪者や、反政府の取り締まり、要人の警護なんかもしている」






「…は?」






イチ、と呼ぶ仁君と鷹臣君。ごめん、何言ってるのか、わからない。理解が追い付かなくて、言葉が出てこない。特殊な力を持った人間?ん?は?






「例えば、だ。仁」






「へーへ」






ふわりと風が吹いて、私の髪が風に浚われる。仁君がにやりと笑って、その風の仕業が仁君だと悟った。そして鷹臣君を見やれば、手のひらに氷の兎を作っていた。






「…なに、それ」






「怖いか?」






「いや、ときめいた所。ときめいたんだけど、頭が追い付かない」






「ときめいたのは予想外だが、まあイチだしな」






「えー、で、それが何なの?」






「お前も此処に所属する」






「は?」






鷹臣君の藍色の瞳がマジだった。冗談を言っている風でもなく、ただマジで本気。重複するけど、マジで本気。






夜神壱羽。

なんだか面倒くさいことに足を突っ込んだかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ