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勇者が六度生き返った朝、まだ生きている私の墓碑に六行目が刻まれていた

作者:出水克幸
最終エピソード掲載日:2026/08/12
勇者アルド・レインは、町を守るたびに死ぬ。

胸を貫かれても。
炎に焼かれても。
心臓を潰されても。

必ず敵を倒し、死体となって帰ってくる。

そして聖堂の奇跡によって、何度でも生き返る。

六度目の復生を迎えた朝。

幼なじみで墓守の少女リーゼ・ベルは、墓地の奥で奇妙なものを見つけた。

まだ生きている――自分自身の墓だった。

しかも墓碑には、

『第一の死――胸部貫通』
『第二の死――頸部切断』
『第三の死――全身焼損』

と、アルドが過去六回死んだ方法が、すべて刻まれていた。

なぜ、勇者の死因が私の墓に刻まれているのか。

その夜。

墓碑には、存在しなかった七行目がひとりでに刻まれ始める。

『第七の死――』

さらに墓石の中から聞こえてきたのは、人間の心臓の音。

そして翌朝。

リーゼは、勇者アルドの鎧からまったく同じ音を聞く。

何度でも生き返る勇者。

完成していく幼なじみの墓。

そして、アルドだけが知っている「復生」の秘密。

七度目に死ぬのは、本当に勇者なのか。

これは、死ぬことで勝ち続けてきた勇者が初めて――

「生きて帰る方法」を選ぶ物語。
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