《効率的に失敗を重ねる為の短編のススメ》
前回で「どんどん失敗しよう」とは言いましたが、長期に渡る連載作品の場合は、話が進むにつれて慣れてきて、初歩的なミスは減ってきます。
キャラの性格もキチンと把握して自然に動かせるようになり、たまに誤字脱字が出る程度で大きな失敗はしなくなっていきます。作品として安定期に入ったという事なので、それ自体は好ましい事なのですが、それは作者がその作品から得られる『経験値』が減ってきた事も意味します。
RPGでも、主人公のレベルが上がると、相対的に弱くなったモンスターから得られる経験値が減少する仕様の作品がありますよね。安全地帯で負ける心配のない相手を倒しても得られるモノが少ないというワケです。
ゲームであれば更なるレベルアップを求めるならば、もっと強い敵が出るステージに移動するだけですが、安定期に入った作品を書いている作家が更なるレベルアップを望むならどうすべきでしょうか?
今回のサブタイトルから既にお察しでしょうが、新作を、それも短編をどんどん書く事で、効率的に意図せぬ失敗を重ねる事が出来ると考えます。できれば、それまでに手を出した事のないジャンルであれば、より失敗しやすくていいですね。
現状の『小説家になろう』だと、右を見ても左を見ても異世界ファンタジーばかりです。これを読んでいる方もほとんどは異世界モノを書いている事でしょう。ですが、試しに他のジャンルに手を出して見えてくるものもあるかもしれませんよ?
私も長い間異世界モノ一本でやってきたのですが、ここ最近で色々なジャンルに手を出してみました。このエッセイもその一環ですね。案の定、細かい失敗がどんどん出てきてしきりに反省しています。
以前にも触れたように小説の上達というのは客観的に分かり難いのですが、なんとなく作家レベルが上がってきたような気がしていますし、以前からの連載作品にもそれが活きているように思います(※効果は個人の感想です、と怪しい健康食品のような逃げ道を作っておきます)。
あなたも騙されたと思って試しに何本か書いてみては如何でしょうか。
《最後に》
ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました。
色々言いましたが、このエッセイの内容を信じるも信じないもあなたの自由です。もしかすると、もっと効率の良い上達法もあるかもしれません。
このエッセイの内容を実践するか否かはさておき、書きたい物をどんどん書いて、成功も失敗も積み重ねて、作家としてのレベルアップを目指してみてください。