グループ抽選
木曜の朝、ゴールデンウィークの数日前、岡部先生はビスケットの空き缶を手に教室に入ってきた。
「聞きなさい」と先生は言った。教室はすぐに静かになった。威厳のせいではなく、その缶が無視するにはあまりに怪しすぎたからだ。「五月十日、連休のあと、このクラスは川辺公園へオリエンテーション遠足に行きます。散策のほかに、各グループはそこにある歴史的な場所について一つレポートを提出しなければなりません。グループは四人で、くじで決めます。」
クラス中がすぐにささやき始めた。前の列の男子二人が互いに肘で突き合った。ドアの近くの女子が友達の手をぎゅっと握りしめ、祈っているようだった。
私はその缶を見つめた。中には番号の書いた細い木の棒が入っている。誰が誰と一緒になるかは誰にもわからない。それが交渉の余地のない唯一の現実だった。
「出席番号一番から」と岡部先生は言った。
一人ずつ、生徒が前に出て木の棒を引いた。歓声を上げる者もいれば、不平を言う者もいた。学級委員長で眼鏡をかけた工藤という男子は三番を引いて、それが自分の好きな数字だと誇らしげに宣言した。誰かが、好きな数字は人それぞれ違うと教えるまで。
私の番が来た。
「佐々木。」
私は木の棒を一本引いた。7。
数分後、水希の番だった。彼女は缶の前で優雅に立ち、二本の指で棒を一本引き、番号をちらりと見た。顔は変わらなかった。
「日向。」
「はい!」明かりは必要以上のはりきった勢いで缶に突進し、棒を一本引いて、悲鳴を上げた。「七番!」
私は振り返った。彼女の手には、太く7と書かれていた。
「私も七番だ」と私は言った。
「私も」と前の水希が半分振り返り、自分の木の棒を見せて言った。
一瞬の沈黙。
「わあ!」明かりは跳ね回った。「運命!運命だよね、ハル?私たち三人同じグループ!」
「ただのくじだ。」
「くじを通りかかった運命!」
「七番グループ:佐々木、日向、深町、そして……」岡部先生は名簿に目をやった。「相沢。」
中列の男子が大きな笑みを浮かべて手を挙げた。髪は濃い茶色で無造作、制服は入学してまだ三週間の生徒にしては少ししわくちゃで、体は高く、スポーツをする子特有の広い肩をしていた。
「相沢光!みんな、よろしくね!」
放課後、私たち四人は教室の隅で机を四つ合わせた。
「よし」と相沢は一度手を叩いて言った。「まずリーダーが必要だ。俺が立候補する。」
「理由は?」と私は聞いた。
「ここで一番口数が多いのは俺だから。」
「それは資格じゃない。」
「それが一番重要な資格だ!」
明かりは大笑いした。水希は手のひらで口を覆い、肩を細かく震わせた。
「いいわ」と水希は言った。「相沢くんがリーダー。私は記録係になれるわ。」
「私は食べ物担当!」明かりは叫んだ。「私、料理部なの、覚えてる?みんなのお弁当を作れるよ!」
「焦がすなよ」と私は言った。
「それは一度だけだってば!」
「三度だ。」
「ハル!」
「会計」と相沢が突然、ペンで私を指して言った。「お前が会計に向いてる。」
「なぜ?」
「お前の顔は、無駄遣いしない人間の顔に見える。」
明かりはうつむいて笑いをこらえた。水希はとても礼儀正しく、そしてとても面白がっている目で私を見た。
「それは……正確だ」と私は言った。「受け入れる。」
「よし、じゃあ集まるスケジュールが必要だ」と相沢は続けた。「連休明けにすぐ出発だから、ゴールデンウィーク中に集まったほうがいい。駅近くのカフェとか?安いところ知ってる。」
「どのくらい安い?」と私は聞いた。
「コーヒー五百円。」
「有料の場所なら行かない。」
全員が振り返った。
「どういう意味?」と相沢が聞いた。
「市立図書館は無料で、静かで、大きな机がある。カフェは必要ない。」
「ハルはそうなんだよ」と明かりは慌てて言った。「すごく節約家で。」
「節約じゃない。計算だ。」
「市立図書館はいいわ」と水希は静かに言った。「静かだし、その歴史的な場所についての参考書も借りられる。賛成よ。」
相沢は肩をすくめた。「オッケー、オッケー。俺は構わない。土曜の朝、十時でどう?」
「いいよ!」と明かりは言った。
「賛成」と水希は言った。
「うん」と私は言った。
「それはイエスの意味だよね」と明かりと相沢が同時に言い、驚いて互いを見つめた。
「よし、グループチャットを作ろう」と相沢は携帯を取り出して言った。「番号を送ってくれ。またはこのコードを読み取って。」
明かりはすぐに張り切って携帯を取り出した。水希はそれが起こることを前もって知っていたかのような、ずっと落ち着いた動きで携帯を取り出した。
私は何も取り出さなかった。
「ハル?」と明かりが言った。
「持ってない。」
「え?」相沢は眉を上げた。「携帯?」
「修理中。」
「いつから?」
「少し前から。」
その机に小さな沈黙が生まれた。何かを強く握りしめたような沈黙だった。私は振り返らなくても明かりの視線を感じた。彼女は何も言わなかった。それが、話すよりもずっと loud だった。
「じゃあスケジュールを紙に書くわ」と水希が突然言った。その口調は軽く、些細なことを申し出る人のようだった。「明日、佐々木くんに直接渡すわ。場所、時間、持ってくるものを書いておく。」
「私がハルの家に届けてもいいよ!」と明かりが言った。「家、橋の近くでしょ?寄れるよ。」
「いいよ」と私は、思っていたより早く言った。
明かりはまばたきした。水希は少しだけ、ほんの少しだけ振り向き、その目は理解できない一文を読むように私の顔をなぞった。
「学校で自分で受け取る」と私は付け加えた。「明日。深町から。」
「わかったわ」と水希は言った。笑みが戻った。いつもと同じように。「明日の朝ね。」
相沢は携帯をしまい、何も言わずに私を少し見た。それからうなずいた。これ以上問い詰めないことにした人のように。私はそのことで彼を好きになり始めた。
会議は日が傾き始めた頃に解散した。明かりは手を振り、鞄を揺らしながら料理部の部屋へ向かって去った。水希は立ち上がり、ノートを鞄に入れ、私たちに丁寧にお辞儀をして、外へ出た。
私が机を元の位置に戻していると、相沢が近づいて片側を持ち上げた。
「なあ、佐々木。」
「うん。」
「気楽にしろよ、理由は聞かないから。」彼はその机を片手で持ち上げた。重さなど何でもないかのように。「でも家に使わなくなった古い携帯がある。まだ使える。一時的に借りる必要があったら、言ってくれ。」
「必要ない。」
「オッケー。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
私たちは黙って机を列に戻した。相沢は作業しながら小さく口笛を吹いていて、沈黙を埋めようとしなかった。それが私が少し呼吸しやすく感じた唯一のことだった。
「彼女、可愛いよな」と彼は突然、何の含みもない調子で言った。
「誰が?」
「深町。」
「うん。」
「気にしてないみたいだな。」
「してない。」
相沢は振り返り、長いこと私を見て、それから短く笑った。
「道理だ」と彼は言った。「道理で彼女、ずっとお前を見てるわけだ。」
「誰が?」
「何でもない」と相沢は、自分の質問に降参した人のように手を挙げて言った。「ただの独り言。じゃあ土曜な!」
彼は軽い足取りで出て行き、空になり始めた教室に私を一人残した。
教卓の上には、あのビスケットの缶がまだ載っていて、中には使われなかった木の棒が数本残っていた。
なぜか私はそれが気になった。
ただのくじだったのに。




