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君を助けるつもりはない。ただ、散らかってるのが嫌なだけだ。  作者: スズミヤ
アーク1

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5/12

学級日誌

水曜日の最後の授業は現代文で、その教師にはチャイムが鳴るちょうど五分前に話を止める癖があった。その後の生徒が何も聞かないことを、彼はすでに計算済みなのだろう。俺はそういう正直さを評価している。


担任がチャイムと同時に教室に入ってきた。眼鏡をかけた初老の男、岡部先生だ。いつも年齢より古く見えるスーツを着ていて、濃紺の表紙の薄いノートを慎重な仕草で教卓に置いた。


「今日から日直を始めます」と彼は言った。「毎日二人、出席番号順に交代で行います。仕事は、黒板消し、学級日誌の記入、昨日配った自己紹介カードの回収、窓の鍵かけ、そして職員室への鍵の返却です。今日は十四番と十五番の番です。」


俺はノートの表紙に貼られた出席番号表を開いた。十四番:佐々木ハル。十五番:深町美月。


出席番号は入学時に学校が決めたもので、たまたま俺と彼女の名前が隣り合っていた。数字の順番に文句をつける余地はない。


前列の何人かが、「なんであいつが」とでも言いたげな表情で俺の方を振り返った。ドアの近くの男子二人が互いに肘で突き合っている。俺はすべてを無視した。


前の席で、美月が昨日と同じように半身を振り返った。


「よろしくお願いします、佐々木くん。」


「ああ。よろしく。」


それは定型文だ。変える理由はない。


担任が教室を出ると、クラスはまるでダムから放たれた水のように一気に動き出した。鞄が引かれ、椅子が押され、声が重なり合う。俺は立ち上がり、机から机へと一枚ずつカードを回収し始めた。窓側の前列から、二列目、三列目と、同じ順番で。


「ハル!」


振り返る必要はない。あのポニーテールが視界の端に現れ、聞き慣れたリズムで跳ねている。


「一緒に帰ろうよ! セナとは本屋に寄れたらって約束してたんだけど、彼女部活があるからさ、だから私一人で……あれ? 何それ?」


彼女は言葉を止め、俺の手にある紙の束を見た。


「日直だ。」


「日直? 今日? 誰と?」


「十五番。」


あかりは俺の前の席の方を見て、少し目を見開いた。そこでは美月が静かな動作で本を片付けていて、自分が話題になっていることに気づくと振り返り、あかりに微笑みかけた。


「深町さん、だよね?」 あかりは、世界のすべてに向けるのと同じ熱意で、すぐに前に進み出た。「私、日向あかり! はじめまして! あ、昨日は挨拶できなかったね。髪、すごく素敵!」


「ありがとう」と美月は言った。「はじめまして、日向さん。」


「あかりでいいよ。ハルってば、こういう人なんだよね。話しかけても一言しか返さないの。でもそのうち慣れるから。いい子だよ、ただ堅いだけで。」


「ここにいるんだが、忘れたなら」と俺は言った。


「分かってるよ。わざと言ったの。」


美月は少し首を傾げた。「日向さんは佐々木くんと昔から知り合いなんですか?」


「中学から! ほぼ毎日一緒に帰ってたんだよ。ね、ハル?」


「ほとんどな。」


「それってイエスってこと」とあかりは言い、また美月の方を見た。「だからハルがムカついたら、私に言ってね。」


「はい」と美月は笑いながら答えた。「でも今のところは大丈夫です。」


その笑顔は今朝と同じだった。温かく、穏やかで、少しも変わらない。なぜそれを気にしているのか、自分でも分からない。


「日向さんは彼をハルって呼ぶんですね」と美月が、ただ観察しましたという口調で付け加えた。「とても親しいんですね。」


「癖です」と俺は、あかりが答える前に言った。


「いい癖ですね」と美月は言った。


あかりは俺たち二人を交互に見て、それから私がよく知る笑みを浮かべた。何か面白いものを見つけたけれど、今はそれを心に留めておこうと決めた人の笑みだ。


「じゃあね。私は先に帰る。明日また続きをやろう!」 彼女は手を挙げ、美月に手を振り、それから俺にも振った。「ハル、その無愛想な性格で深町さんに迷惑かけないでよ!」


「かけない。」


「昔からそう言ってるじゃん!」


彼女はドアの向こうに消え、彼女がいなくなった教室は少しだけ静かになった。


教室はすぐに空になった。十分後には、俺たち二人と、夕日の光の中を舞うチョークの粉と、校庭から聞こえる部活の微かな音だけが残っていた。


俺は黒板消しを手に取り、黒板の左上から始めた。まっすぐに上から下へ、そして黒板消しの幅だけ右へずらす。このやり方なら、どこも見落とさない。


「私は下の方をやります」と美月が二つ目の黒板消しを取って言った。


「ああ。」


数分間、俺たちは無言で作業した。チョークの粉が袖に付き、床に広がらないように軽く払う。視界の端で、美月が同じように丁寧な動きで、急がず遅れずに作業しているのが見えた。


「佐々木くんはいつも左上から始めるんですか?」


「見落とさないように。」


「効率的ですね。」


「ふーん。」


会話はそこで終わったと思った。そうではなかった。


「昨日持っていたノート」と美月が言った。「茶色の表紙の。あれは何に使ってるんですか?」


俺は一瞬手を止めた。黒板消しはまだ黒板に当てたまま。


「家計簿だ。」


「毎日?」


「毎日。」


「几帳面なんですね。」


「節約してるだけだ。」


「それも几帳面って言うんですよ」と彼女は言った。笑いもせず、それ以上詮索もしなかった。ただ小さく頷いて、何かをきちんとした場所にしまう人のように、また黒板を消し始めた。


なぜだか、それは俺が避けたいと思わない答えだった。


黒板は十五分で綺麗になった。俺は黒板消しを教室の端にあるクリーナーに叩きつけて掃除し、元の場所に戻した。美月は教卓から学級日誌を取ってきて、一番近い机で開いた。


「日付、天気、欠席者、それから今日の一言を書く欄があります」と彼女は言った。「私が書きますか? それとも佐々木くんが?」


「半分ずつ。」


「分かりました。じゃあ、佐々木くんは天気と欠席者をお願いします。私は一言を書きます。」


俺は天気の欄に「晴れ」、欠席者の欄に「なし」と書いた。十秒で終わった。


美月はまだ書いていた。何の気なしに覗き込んだ。


初日の授業はスムーズに進みました。クラスのみんなは賑やかで明るいです。明日も楽しい一日になりますように。


「長すぎる」と俺は言った。


「三行も空いてますよ。」


「空欄は埋めなきゃいけないもんじゃない。」


「でも先生が読みますよ。」 彼女は一瞬俺を見て、それからペンを差し出した。「佐々木くんも一言書いてください。この欄は二人のものです。」


俺はペンを取り、彼女の綺麗な字の下に書いた。特に変わったことはなし。


美月は俺の書いた文を読み、そして初めて彼女が笑うのを聞いた。大きな笑い声ではなく、ただ笑顔から漏れた短い息のようなものだった。自分でも思わずといった様子の、不意を突かれた人のような。


「あれは事実だ」と俺は言った。


「分かってます」と彼女はまだ笑いながら言った。「だから面白いんです。」


どこが面白いのか分からなかったが、聞かなかった。


回収した自己紹介カードは三十二枚。俺は出席番号順に並べ、机の端でトントンと揃え、その上に学級日誌を置いた。


美月が手を伸ばした。「私が持ちます。」


「重い。」


「自分で持てます。」


「持てるのは分かってる。」 俺は彼女が引っ込める前に、束の半分を彼女の手から取った。「持てるかどうかの問題じゃない。片手より両手の方が効率的だ。一度で済む、二度もかからない。」


彼女は俺の手にある紙の束を見て、それから俺を見た。


「効率的なら」と彼女は言った。「いいですよ。」


それだけだった。大げさな反応も、抗議もない。彼女は自分の分を持ち、俺たちは外へ歩き出した。


夕方の廊下は淡いオレンジ色だった。窓からの光が床に長く落ち、その中を埃が価値のない金粉のように舞っている。俺たちの足音が静かに響いた。心の中で数えた。百二十、百二十一。


「佐々木くんは部活に入らないんですか?」


「入らない。」


「どうして?」


「部活に必要なものがないからだ。」


「そうですか。」 彼女は少し黙った。「私もまだ決めてません。」


「ふーん。」


階段を曲がる。ワックスの匂いと古い紙の匂いが下の階から上がってくる。


「私は読書が好きです」と美月が突然言った。


「ふーん。」


彼女は待った。わざと開けっ放しにされたドアのように、その沈黙を感じた。


俺は何も付け加えなかった。


「どんな本か、聞かないんですね」と彼女は言った。


「俺の用事じゃない。」


数歩の間、返事はなかった。それから、さっきと同じ短い息、こらえた小さな笑いが聞こえた。


「正直な答えですね」と彼女は言った。


「そうだ。」


「大抵の人は聞きますよ。」


「それは彼らの勝手だ。」


彼女はもう答えなかったが、なぜかこの会話は正しい形で終わった気がした。なぜそう感じるのか、自分でも分からない。


職員室で、岡部先生は二本の指でキーボードを打っていて、画面を全く見ていなかった。俺たちが入ると顔を上げ、カードと日誌を受け取り、俺たちの一言も含めて日誌を丁寧に読んだ。


「特に変わったことはなし」と彼はゆっくり読んだ。「いいね。誰の迷惑にもならない答えだ。」


「ありがとうございます、先生」と美月が言った。


俺は教室の鍵を渡し、岡部先生はこちらを見ずに受け取った。俺たちは一礼してから出た。


下駄箱の部屋では、光がほとんど残っていなかった。まだ靴が入っているロッカーはいくつかだけだ。俺は今朝と同じ動作で靴を履き替えた。


「佐々木くん。」


振り返る。美月は自分のロッカーの前に立ち、鞄を肩にかけ、白いリボンがかすかに揺れていた。


「今日はありがとうございました」と彼女は言った。「一緒に日直ができてよかったです。」


「ふーん。こちらこそ。」


「また明日。」


「また明日。」


彼女は微笑んで、外へ歩いていった。俺は彼女の背中を、門のところで曲がるまで見ていた。見たかったからではなく、ロッカーの扉がきちんと閉まるのを待っていただけだ。


帰り道、俺はノートを取り出し、歩きながら書いた。普段はしないことだ。


水曜。晴れ。十五番と日直。


少し止まって、その下にもう一行付け加えた。


今日話した言葉の数は平均より多い。


俺はその文を線で消した。そして、また書き直した。

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