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現代日本プレッパーズ~北海道各地に現れたダンジョンを利用して終末に備えろ~  作者: 256進法
第三部:駆け抜けろ 燃え尽きたろか シンデレラ

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139/156

ヴァーディクト・デイ(後編)

それがどうした!!!

私はゲオルグのお兄ちゃんだぞ!!!


鑑賞用BGM:https://www.youtube.com/watch?v=CC5ca6Hsb2Q&list=RDMMJ91SR8wfAvU&index=17

鑑賞用BGM(情報空間から):https://www.youtube.com/watch?v=nrWRIpKBqOk&list=RD8brAe0DWoRM&index=4

鑑賞用BGM (ホワイトハウスから):https://www.youtube.com/watch?v=52avIJWQWAY&list=RD52avIJWQWAY&start_radio=1


~巨大輸送機内~


『──!』


ヘイリーは眼前に迫る光線を伏せて避ける。

しかし光線は軌道を変え、彼の背中を掠めた。


『熱ッ!?』

『(冷気や電磁じゃないのか!?)』


エレナはバルディッシュを軽く2回転させ、ヘイリーの頭目掛けて振り下ろす。

しかし彼はワープし、側面から蹴りを入れようとした。


『──!』


しかし、蹴りはエレナのバルディッシュに防がれる。


【……アタリ(・・・)ね】


彼女はヘイリーを突き飛ばし、全力で極光色の光線を放った。

光線は弾頭へと向かって行く。


『──やべぇ!!弾頭が……!!』


【アハハハッ!!】

【アンタはその弾頭と自分の位置を入れ替える!】


『──ッ!』


彼は寸前の所で攻撃を避ける。

壁に大穴が空き、周囲にあった弾頭の一つが外へと傾いていく。

ヘイリーは更にワープし、背中で弾頭を支えようとする。


『ぅぉおおっ……!!』

『(【血魂】を飲んでいなければ押し潰されていた……!)』


エレナは高笑いしながらヘイリーへ近づいて行く。


【あはははははっ!!】

【貧乏人にお似合いの苦役ね!!】


『ばっ、バカヤロー……!』

『今の俺はアメリカの平和を支えるアトラスだ……!』


エレナはヒールの底でヘイリーのつま先を踏みにじる。


【アンタ……私の事をバカにしてたでしょ】

【眼で判ってたわよ】


『そらこんな事をしでかすのは、バカ以外に居るかってんだよ……!!』

『落ちたら第三次世界大戦になるかもしれねぇんだ……!』

『そしたら……故郷のスプリングフィールドも灰になっちまう……!!』

『リヴァの帰る所が……無くなる……!』


【そう】

【なら一つ選択肢をあげる】


『……?』


エレナは白い歯を見せ、嫌らしく微笑みながらヘイリーの顎を指で掬い上げた。


【私の下僕になりなさい】

【そうすれば戦いを止めてあげる……】

【そして、あの金髪の女とはもう逢えないわ】


『……それは無理なご命令だな、女王様……!』

『俺とリヴァは魂で結びついてる……』

『例え世界が終わっても離れる事は無ぇよ………!』


ヘイリーの目と鼻から血が垂れ始める。

エレナは彼の血を指で拭い、青い方の瞳へ垂らした。


【実の姉妹でも心が通じ合わないのに、羨ましいわ……】


赤い血の中で、宝石の様な青い瞳が忌々しげな輝きを放つ。


【──でも確認出来たわ】

【血の繋がり以上に濃い繋がりが作れる事を……】


『……』


乱気流で輸送機が揺れ、ヘイリーの背中へ更に負担が掛かる。


【能力の使いすぎで暫くワープ出来ないんでしょ?】

【だからそんなに必死で爆弾を支えているのよね?】


『勝手に解釈してろよ……!』


エレナの白く繊細な指が彼の両頬へ伸びる。

その指は芯から冷え切っていた。


【ごめんなさい】


その言葉は誰へ向けられたモノだったのか。

彼女が発したその小さな謝罪は、ヘイリーだけが僅かに聞き取れた。


『──!?』


次の瞬間、エレナの柔らかく暖かい唇が彼の口に付けられた。

そして彼女は頬に涙を伝わせながら、唇を離して呟く。


【私の勝ち……】

【レイカさん……貴女なら勝つためにこうしますよね……】


ヘイリーにとって、彼女の顔は痛ましい程に美しく見えた。

核弾頭が彼の背中から転がり、穴から海へと落ちていく。


『ッ……!ちく……しょう……』


彼は【バッカスウォーク】を起動して、核爆弾を深海へワープさせようと試みる。

しかし彼の目と鼻から血が噴き出て、目眩を起こして倒れてしまった。


【……悪気は無かったの】

【でも……どうしても自分の力だけで勝ちたかった】


エレナは倒れたヘイリーを抱き起こす。

が。


『俺を……ナメるな……!!』

『お前みたいな甘ったれに……情けをかけて貰う程落ちぶれちゃいない……!』


乾いた音が格納庫の中に響く。

彼の平手打ちが、エレナの雪のような白い頬へ直撃した。


【……!】


ヘイリーは呆然とするエレナを突き放して穴へ向かって這い、そのまま核弾頭を追って身を投げた。

数十秒後、衝撃波と共に特徴的なキノコ雲が立ち上り、絶海の楽園を吹き飛ばして行った。



~情報空間?~


《レナ。あたいが視える?》


【……何でその姿を……】

【それはアリサ姉の……】


そこにはレナと同じ瞳の色、同じ髪色の少女が立っていた。


《……隠していてごめん》

《レナに撃たれた時……あたいの魂は形を変えてアイテムになったんだ》


【……やめて】


《仮想ダンジョンのウィルス……いや、ラロシェルが求めた事は私達どちらかの死》

《あたいがレナの管理権を奪い、ウィルスを全て引き受けて死を選んだんだよね》


【やめて……!】


レナは膝を付いて頭を抱え、揺らぐブロックの床を見つめる。


《あたいはレナに強く生きて欲しかった》

《この残酷な世界を生き残って欲しかった》

《時にそれは……大切な人間をも犠牲にしても……》


【生き残るべきは弱い私じゃなくて……アリサ姉だった】

【でもアリサ姉は私を怒鳴りつけてでも、生かす方を選んだ……】


【アリサ】は嗚咽を漏らすレナの肩を撫でて言う。


《……泣いたらダメ》

《泣く前に戦うの、レナ》

《泣くのは……全ての戦いが終わってからだよ》


【いつ……終わるの……】

【いつまで……戦えば良いの……】

【挫けそうだよ、私……!】


《……それは分からないよ》

《でも戦わないと犠牲がどんどん大きくなる……》

《それはあたいもお父さんもお母さんも、望んで居ない事だから》


レナの眼前にヤストレブとヨハンの戦いだけでなく、あらゆる場所での戦いが映し出された。


《このままだと……私達を傷つけ、虐げた人間達の思い通りの世界が来る》

《それをあたいは許せない》

《文字通り、生まれ変わっても……!》


【……】


《レナ!その銃を手に取って!》

《立ち上がって!》

《大好きな人達を護る為にも!!》


彼女の目の前に黒いサブマシンガンが構築されて行く。

彼女は大きく息を吸い、銃を手に取った。

その薄黄色の瞳には、透明な覚悟が映し出されていた。


【……【アリサ】】

【勝利を掴む為に何を犠牲にすべきか……】

【それは全て理性を持って判断するわ】


《……!》

《……レナらしくなってきたね》

《敵はあたい達の故郷を焼いた狂パイロット……》

《クレイエルさんですら仕留めきれず、今またレナの仲間の命を奪おうとしている……》


【……ヤストレブは多分もう、あのマルファですらコントロール出来ない……】

【ヨハンさんがやられれば、今度は指揮官に挑んで来る筈……】

【アイツは指揮官を引きずり出す為なら、ドニプロを廃墟にした時の様に……笑いながら世界を灰にするわ】

【そしてもう……それだけの力を付け始めている】

【やるわ……!【アリサ】!】


レナは【アリサ】と一緒に、小さい立方体が溢れる空間を走り始める。

そして黒い影の様なロボットと機械鳥の群れが、周囲一帯に湧き始めた。


【【アリサ】!!】


《うん!わかってるよ!レナ!》

《《ディープ・イレイザー》!!》


レナの銃が機械鳥を撃ち落とし、【アリサ】のレーザーが影ロボットを消し去って行く。


【(……敵が弱すぎる)】

【(これは現実世界の為の時間稼ぎ……!)】


敵を掃討し終えたレナと【アリサ】は更に奥の階層へと進んだ。


《──!?》


周囲の風景が、廃墟だらけの戦場に塗り替えられて行く。


【《ハハハハハハハッ!!》】

【《あっちも闘い!!こっちでも闘い!!》】

【《英雄というヤツは全く大変だ!!嬉しいなァ!!》】


ブラックメタルの装甲を纏い、エネルギー供給ケーブルに繋がれた戦闘ロボットが地面から出て来る。


【……ヤストレブ!!】

【アンタは私が殺さないといけない……!!】

【アンタが奪った何万人もの命、ここで償え!!】


レナに対し、ヤストレブは奇声に近い笑い声で返す。


【《ア"ハャハハハハハハァァ!!》】

【《ア"ーッハッハッハッハッハ!!》】

【《何か勘違いをしているようだな!!クレイエルの部下!!》】


【何を……!!】


【《人生とは闘い!!即ちこの世界を生きる事は闘い!!》】

【《闘わないのなら、闘いに巻き込まれて死ぬのは当然!!》】

【《それが嫌なら、俺の様に1等星を目指して常に闘い続けるべきだ!!》】


レナは唇を噛み締めながら、戦闘ロボットに向かって銃を構える。

だが、【アリサ】が彼女の前に出て言う。


《闘って闘い続けて……殺して殺し続けて……》

《貴方に一体何が残るの?》


【《何も!!》】

【《何故なら、俺は星になって燃え尽きるからだ!!》】

【《そう!!あの日見た、白昼に輝く星の様に!!!》】


《……貴方に言う事はもう何も無くなった》

《星は自分の輝きを観る事は出来ない》


【《……?》】


《星は……》

《愛する人達と観てこそ、その輝きが感じ取れるものだから》

《《ディプス・プロジェクション》》


戦闘ロボットの武器や手足が、塵のように消滅して行く。


【《な!?!》】

【《一体何をした少女ッ!!》】


《貴方の……空っぽな心を反映しているだけだよ》

《貴方に人の痛みを僅かにでも感じ取れる心があれば、こうはならなかった》


【アリサ】は消えゆく黒い機体に向かって、哀れみの視線を投げかけた。



~北海道南沖上空~


【《ぬぬっ……!!》】

【《上手くやったな戦友達!!!》】

【《ネットワーク遮断だッ!!》】


オフライン状態になった【ケストレル】は青い機体の背後を取る。


【《俺達の心は闘いで繋がっている!!》】

【《そうだろう!?戦友ッ!!》】


しかし、【スレイプニルランサー】は更に上の機動を見せて行く。


【《私は既に魂でゲオルグと繋がっている!!》】

【《貴様との繋がりなど不要だ!!》】


【《ア"ーッハッハッハッハッハァ!!》】

【《最高だ!!最高だぞ!!戦友ーーーーッ!!》】


ヤストレブは大笑いし、複雑難解極まった奇妙な機動を見せる。

だが、ヨハンは光る右目で【ケストレル】の軌道を見据えて叫ぶ。


【《目で追えない!?》】

【《それがどうした!!!》】

【《グングニル・ランス》!!!】


青い機体はエネルギーランスをあらぬ方向へ向けて投げた。


【《ぬぐあっ!!?》】


見事!

巨大な機械の槍は【ケストレル】の黒い装甲と胴体を貫いた!


【《私はゲオルグのお兄ちゃんだぞ!!!》】

【《出来ない事などない!!!》】


お兄ちゃんには最早感服仕ったぜ。

しかし、【ケストレル】とヤストレブはまたも再生し始めた。


【《こんなにも俺を沸かせてくれるのはクレイエル以来だ……!!》】

【《宙よ!!!》】

【《一体何処まで!!その高さを俺に魅せてくれるんだ!!?》】


その時、【ケストレル】のコクピットへ通信が入る。


【《誰だ!!今俺は良い所なんだぞッ!!!》】


ヤストレブは通信チャネルを開く。


《ラーチンだ》

《【ヴォストーク作戦】は延期となった》

《直ぐにウラジオストクへ帰投、その半日後までにエンゲリス空軍基地へ帰還しろ》


【《大統領閣下!!》】

【《これ程の相手を前にして帰還しろと!?》】

【《このまま帰還したら、俺はどうにかなってしまいます!!》】


既にどうにかなっているだろ。


《……お前の次の相手は【魔女】とその部下達だ》

《そしてその次は【超人】になる》


《【《なんと!!!》】》

《【《しかし【魔女】は判りますが、【超人】とは如何に!?》】》


《帰還すれば会わせてやる》

それ(・・)はお前が遭ったどんな存在よりも強い。それだけは保証する》


《【むむむ……!!!】》

《【……了解!!!】》

《【出来れば……俺の魂を燃やし尽くしてくれる戦友であらん事を!!!】》


【ケストレル】は無理矢理機械の槍を引き抜き、放り捨てた。

そして西へ向かってブースターを吹かし始める。


【《逃げるのか!?英雄!!》】


【《俺としても苦渋の決断だ!!》】

【《この戦い、互いに生きていたら続けよう!!!戦友よ!!!》】

【《さらば!!!ハーハッハッハー!!!》】


黒鉄の機体は、遙か西方の大地に向かって飛び去って行った。



~核爆発より2時間後~

~ワシントンD.C~

~ホワイトハウス~


『俺は超ラッキーマンだ!』

『ほぼ無人の島二つで、ロシア人達から資源を引き出せる手札と外交カードを手に入れた!』

『盤石な世界帝国への道が視えて来たぞ!!』


大丈夫か~?

大統領が帝国とか、そんな事言っちまって~……


『流石はトランク大統領!』

『天運を持っていらっしゃいますね!』


太鼓持ちの部下が、すかさず点数を稼ぐ。


『その天運のお陰で、偉大なアメリカは直ぐそこまで来ている!』

『後は不届きなあのオランダ人と、その支持者達を粛清するだけだ!!』

『おい!アーデルハイド嬢に繋いでくれ!』

『彼女が味方になってから良い事尽くめだからな!是非今回の喜びを分かち合いたい!』


大統領はすっかり、銀髪の悪魔にハマっていらっしゃった。

十数秒後、モニタにアーデルハイドの姿が映る。


《トランク大統領……ご無沙汰しておりましたわぁ》


アーデルハイドは笑顔でスカート抓み、膝を曲げてお辞儀した。


『《大統領》じゃなくて良い!』

『いつも通り《おじさま》と呼んでくれ!』

『うーむ、今日も可憐で美しいな……!』


うーん、完全にキャバ嬢へハマり込んだジジイだぜ、これは……

上機嫌なトランクおじさまは可憐なアーデルハイド嬢へ言う。


『ロシア人共が大チョンボをやらかした!』

『ミッドウェー島に核を落としてしまったそうだ!』


《うふふふ……》

《所詮は粗野な田舎者達です。肝心なタイミングで何時もやらかすのがオチ……》

《それで……トランクおじさまはどうなさるお積りで?》


『この件を《核実験》扱いにしてやる!』

『そしてそれをネタに強請れるだけ強請る積りだ!』

『NATOと連中の停戦も直ぐだろう!』


《……前者は良いと思いますけどぉ……》

《後者はお勧めしませんわぁ》


トランクおじさまは椅子にもたれ掛かって言う。


『どうしてだ?』

『奴等は度重なる戦闘で消耗している!』

『このエサには食いつくだろう。俺も支持者達に停戦を約束しているしな!』


《いえ、彼等の軍隊は……徹底的に殲滅されなければなりませんわぁ……》

《連中の特A級アイテムは、全て軍隊とマフィアが所有しています》

《その全てを破壊しない限り、ステイツの覇権は安泰と言えません》


『……シールズやデルタを使って使用者だけ仕留める、と言うのは?』


《戦闘系の特A級アイテムの所持者は、一国家の軍隊に匹敵しますわぁ……おじさま》

《マルファ、ヤストレブ、クルピンスカヤ・クルピンスキー親子……》

《コイツ等はシールズやデルタでは仕留めきれません》


トランクおじさまはハンバーガーを齧る。

その目には 歴戦の経営者としての欲に満ちた眼光が煌めいていた。


『ならどうする、アーデルハイド嬢!』


《私達に全てをお任せ下さいおじさま❤️》

《戦力の大幅な補強にも成功してますわぁ》

《北海道南部と中部に構築されたロシアの拠点……これら全てにも電撃戦を仕掛けます》


『作戦成功の目算は!?』


《ヴェルチカが練った作戦に基づき、ヴェルミーナが前線で指揮を執りますわぁ》

《おじさまならこの二人の力量はご存じでしょう?》

《特にミーナは大幅に強くなりましたの。きっとご期待に沿えると思います❤️》


『そうか!!それなら安心だ!!』

『そして北海道での作戦が終わったら……』


《【オペレーション・レッドハント】開始ですわね》

《稀代の作戦参謀が練りに練った軍略の神髄、楽しみにして頂けると……》


トランクおじさまは立ち上がり、拳を構えて踊り始める。


『アーデルハイド嬢!』

『君を大統領特別広報官、そして日本総督に任命だ!!』

『第七艦隊とハワイ・アラスカ駐留軍を作戦の補助として使っても構わん!』

『日本政府や周辺国の抗議、そして国内のバカ共は俺が黙らす!!』


《ありがとうございます》

《おじさまの明断によってステイツは千年王国となり……》

《中興の祖として、永遠にその名を歴史へと刻まれる事でしょう》


『──俺が第二のワシントンか!!』

『年甲斐も無く昂って来たぞ!!』


アーデルハイドの唇が妖しく煌めき、口元に浅い溝が出来る。


《それと……》


『?』


《沖縄の部隊を【説得】しても宜しくて?》

《中国人達の動きが怪しいですわぁ》

《ステイツの日本統治に横やりを入れさせたくない、その為にも……》


トランクは唾を飛ばしながら、人差し指を立てて叫ぶ。


『構わん!寧ろ望む所だ!!』

『米国大統領の権威と命令に服さない部隊があってはならない!!』

『グリーンランドの如く、沖縄とそこの駐留軍は全てステイツの完全な支配下に収まる!!』

『チャイニーズ共の出張る余地などゼロだ!!』


《【流石はおじさまですわぁ……】》

《【ではそのように……】》


アーデルハイドは再びスカートを抓み、お辞儀をする。

大統領を見るその暗い碧眼には、深い影が落ちていた。





お兄ちゃんは本当にスゲェよ……

ここまでブレる事なくゲオルグに対する愛(と欲望)を貫く、その姿勢にはリスペクトを禁じ得ない。

気持ち悪さとカッコ良さと強さが比例する、作中でも稀有な人かもしれない。


ヤストレブが10強くなって生き返って来たら、こっちは20成長すれば良いみたいな感じ。

これはヨハンお兄ちゃんだから出来る超荒業です。

まず常人はここまで辿り着けもしない。


ナス……いや、大統領の命令が無かったらば、二人は大気圏を突き抜けて宇宙で戦い続けていたと思う。

ゲオルグはヨハンにお帰りのキスぐらいくれてやっても良い。

今回はそのくらいの働きをした。


で、【ディープ・ダイブ】は無事【】に進化ました。

フリスちゃん様が大喜びです。

開発者にとって、偶然の果実程嬉しい物は無いからな。


レナはある意味、現代社会を破壊出来るだけの力を手に入れてしまった。

ラロシェルやミューゼにもそういう力があるけど、AIの強みは全く疲労しない事です。

その気になれば24時間365日フル稼働で、インターネットそのものを破壊出来ます。

更に自分の分身をどこまでも増やせる。


見方によっては、新手のデジモンかもしれない。

今は成熟期ぐらいから完全体へのなりかけかと。

【セムヤザの仮面】と【ロックハッカー】は最初から超究極体です。

ラロシェルは生き物かどうか自体、怪しくなって来たな……


で、はい。

核……おちてしまいました。


そのお陰で、ミッドウェー島は吹き飛びました。

これでも被害は最小限だと思う。

本当は北海道の南半分が核汚染、そのまま気流とかの影響でエラい事になっていたからね。


トランク大統領はこれを【核実験】という事にして、ロシアから対価を引き出すお積りです。

寧ろ外交的・政治的なチャンスをゲットした形になる。

ただ、実質はアメリカにロシアが核攻撃を行った事になります。

向こうから弱味をプレゼントしてくれたから、超強気なディールしたい放題だ。

ほぼ無人の島一つで、資源引き出し放題カードゲットだぜ!


そしてヘイリーの平手打ちが、エレナの綺麗なお顔に炸裂しました。

彼の人間力の高さが、もう某金太郎並みなんだよ。

今の今まで、これを誰もやらなかったのが問題だった。

マルファはなんだかんだ言って、彼女を甘やかしていたからな……


彼女がしっかりエレナをハンドリングしてる、って【あの男】は思うじゃん……?

実際は一緒になって暴走してんだよ。堪らねぇぜ。

ただ、マルファみたいな女を司令官に選んでしまった、【あの男】の自業自得だとは思う。


で、反対にアーデルハイド嬢とトランクおじさまの関係性は良好です。

傍から見たらスナックのママにハマってたか、キャバ嬢にハマってるかぐらいの違いしかないんだけども。

……キャバ嬢というよりは風俗嬢に近い感じもする……

ただ、どちらも才能が有り過ぎましたね。


特に後者は貢がれっぷりがハンパじゃない。相手を乗せるのが上手すぎる。

それでも、大統領専属キャバ嬢とはたまげましたね。

そら早々に成り上がるワケだ。しかも速度がアメリカン過ぎるぜ。


ただ、アーデルハイドの本心ではトランクおじさまを好いているかどうか……

これはご想像にお任せします。

彼女は嫌いな相手にも自然な笑顔を作れる人なので。

彼女が笑わない時は、もう腹の中で相手を殺すと決めている。

一つ確実に言えるのは、互いに利用し合っているからこそ成り立っている関係、という事ですね。


次回はレイカ達の話もやりますが、同時にアーデルハイドとその部下達がその本領を発揮します。

ダンジョンや個人戦での描写はありましたが、彼女達の強さは軍事作戦でこそ一番発揮される。

北海道でバルバロッサ作戦だ。

熟成されたナチ達の全力全開狂気が、マルファの部下達と周辺住民達を襲います。

残念ながら、ペロペロハッピーセットはありません。キスセットならあるかもしれない。


そして悪魔達はまだ死神(チェルノボグ)の存在に気付いていない。

魔女ですら頼りにする白い死神が。

地獄への落とし穴があるとすれば、そこだと思う。

彼の方が、ヴェルチカより動くのは早かった。


【オペレーション・レッドハント】に関しては名前から想像して下さい。

一つ言っておくと、ヴェルチカがアーデルハイドを玉座へと押し上げる為に考えた作戦です。

【降下機甲猟兵大隊】の軍事作戦は全てヴェルチカが考え、ヴェルミーナ達とのほぼケンカな会議の末に最終案が出されています。


評決は下されました。

女神フリスちゃん様は現在の状況に大変満足されております。


というワケで今回の後書きは終わりだ!!戦友ッ!!


「面白かった」「次も期待している」「遂に一線を超えてしまった」

「エレナはいざとなるとIQ上がるなぁ」「ヘイリー……」

「なんだかんだまだ少女だなぁ、エレナは」「ヘイリーが自己犠牲の塊過ぎる」

「【アリサ】姉……」「ラロシェル、ホントお前いい加減にしろよ」

「レナ結構泣き虫だなぁ」「でも立ち上がってえらい!」

「戦友ッ!!!」「お兄ちゃんだぞ!!!」「ヤストレブの敬語が凄い違和感ある」

「さらば!!!」

「トランクおじさんある意味スゲェ」「大丈夫か~?この作品……」「ラロシェル完全に敵視されてて草」

「ふうぞ……キャバ嬢アーデルハイド……」「『おじさま』でダメだった」「何時如何なる時もディール」

「不穏すぎる作戦名だ……」「日 本 総 督」「第 二 の ワ シ ン ト ン」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。

宜しくお願い致します。


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