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現代日本プレッパーズ~北海道各地に現れたダンジョンを利用して終末に備えろ~  作者: 256進法
第三部:駆け抜けろ 燃え尽きたろか シンデレラ

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134/157

番外編:妖怪警官の捩じれた一日②【シンガーソングライター四十万】

シリアスな展開が続いたので、大晦日スペシャルバラエティー番組です。

キミに会うまで、日本のポップスなんてお遊戯だと思っていたよ!


鑑賞用BGM(代官山まで):https://www.youtube.com/watch?v=SdLAr_6Lo6Y

鑑賞用BGM(スカイツリー in 閻魔降臨):https://www.youtube.com/watch?v=9eKn2l8utEA


~遡る事3日前~

~東京都中野区・東京警察病院~


療養中の四十万は、外の公園から聞こえて来るライブの音を聞き流しながら、書類の決裁をしていた。


「なんで病床で仕事しなきゃいけないんですかねぇ……」

「ああ……野外ライブの歓声が恨めしいですよ」


リンは書類を抱えながら、椅子に座る。


「……しょうがないですにゃ」

「【国境治安維持隊】関連の仕事に加えて、上杉さんのやらかしまで始末を付けないといけないし……」

「張本さんの捜索もしなきゃいけませんですにゃ」


「リン」


「はい?」


「あのクソボケ撫子について何か知っているんじゃないですか?」


四十万はリンの茶色い瞳をジッと見つめる。


「い、いえ……」

「私は何も……」


リンは思わず喉を鳴らした。

四十万はタブレットに目線を戻し、スワイプする。


「……そうですか」

「まあ良いです。今日は在宅勤務を楽しみましょう、リン」


「はい……!」


「と、言いたい所ですが……外の音楽を聞いて気が変わりました」

「気分転換です」

「有給を取って、代官山デートと行きましょう」


「え……!?」


四十万はベッドから立ち上がり、スーツを患者衣の上から羽織る。


「オシャレの聖地……代官山で私の演奏を魅せてあげますよ、リン」


「ストリートライブですかにゃ!?」

「司令官は今確かに顔が売れているから、とんでもない事になりそうだにゃ……」

「というか、何時から楽器の練習してたんですかにゃ?」


「かなり前からですねぇ」

「私の余りの演奏技術の高さに、隣人は感動して涙を流しながら何処かへ行ってしまいましたよ」


「(あっ……)」


リンは四十万が気味の悪い薄ら笑いを浮かべ始めたのを見て、サッと目をそらした。


「クリスティナに振り向いて貰う為、創った曲と歌詞の数々……」

「代官山の路上に伝説が出来る日ですよ、今日は」


「(田舎のお母さん)」

「(今日が私の命日です)」



~2時間後~

~代官山~


「今日はガーリー&ポップなカンジでキメて来ましたよ、リン」


四十万が車から降りて来る。

リンは思わず固まる。


「わっ……」


四十万の短いフリフリスカートから、柔道仕込みのエグい膝と太ももがはみ出していた。

背負っていたギターケースはどう見ても、ロケットランチャーやライフルの如くであった。


「まずはオシャレなカフェで一服と行きましょう、リン」

「その後はショップで服を買って、一日オシャレプリンセスになるんです」


「は、はい……」


スゲェ。

もうプリンセスになった気で居やがる。

お前が成れるのは警察署長だけだ。


「しゅ、周囲の目線が……」


二人は並んで代官山の街を歩いて行く。


「気になりますか?リン」

「フフフ……それだけ私がオシャレプリンセスに近い位置に居る、ってコトでしょう」

「今、私達は注目の的ですよ……!」


「(通りを一歩歩く度に、遠ざかって行く気がする……)」


そして、二人はカフェの前に着く。


「ここは演奏も出来るカフェなんですよ、リン」

「もしかしたら、才能を認められてシングルデビューしちゃうかもですよ」

「一躍、オシャレヒエラルキーのトップに躍り出ちゃいますねぇ!」


もう頼むから大人しくしてて欲しい、と思うリンであった。

店の中は思ったよりも人で溢れ返り満員に近く、二人は丁度空いている席に案内された。


「……?」

「今日はイベントでもあるんですかにゃ……?」


「みたいですねぇ」

「伝説の始まりとしては悪くないステージです」


一体お前には何が視えているんだ、四十万……


「リンはどれにします?」

「私はロイヤルクアトロベンティヘーゼルナッツアーモンドホワイトモカキャラメルウィズキャラメルソースウィズチョコレートソースアッドチップアッドコーヒーエキストラホイップ抹茶シュガーミルクティーフラペチーノにしますよ」


なんて??


「わ、わたしはチョコレートフラペチーノにしますにゃ……」


リンちゃんはかわいいなぁ。

そこへ、髪に青いメッシュが混じった白人女性が、二人に声を掛けて来る。


「それ、ギターでしょ」

「キミ達も音楽をやるのかな?」


リンはその女性を見て、飛び上がって驚く。


「どっ、Dona(※ミューゼ)さん……!?」

「な、なんで貴女が代官山に……!」

「しかも日本語ペラペラ……!」


しかも、顔や服のセンスが超良い。

音楽も絵も彫刻もファッションデザインも、超高いレベルで全てこなせる……

まさに、オシャレヒエラルキー世界ランカーのご登場だ。


「あはは……」

「諸事情があって日本へ療養に来ていてね……」

「リハビリがてら、ライブカフェで演奏しようと思ったんだよ」

「それにしても、声質が柔らかくてキレイだね。歌ってみる??」


「え……!?良いんですか……!?」


「全然良いよ!」

「寧ろ失敗上等!皆ガンガン前に出て、失敗して上手くなっていくものさ!」


リンは照れながら立ち上がり、ステージへ歩いていく。

そしてマイクを受け取り、恥ずかしそうに四十万の方をチラ見した。

かわいい。


「ゴー!ですよ!リン!」


四十万は彼女にゴーサインを出した。

もうオシャレヒエラルキー日本ランカーの積りで居やがる。


《では歌います……》

《曲名は『犬のおまわりさん』》


かわ。

もうさ、リンちゃんだけで終わりにしようぜ。

ダメ??


《いっぬーの~おまわりさん》

《こまってしまってわんわんわわん~》

《にゃんにゃんにゃにゃ~ん》


そしてリンは顔を赤らめながら、観客にお辞儀をした。

店内は軽やかで優しい拍手に包まれた。


「ブラボーですよ!!リン!!」


四十万は1人だけうるさい拍手をしながら、リンを迎える。

そしてリンはDona(※ミューゼ)へ言う。


「──楽しかったです……!」

「歌う事がこんなにも楽しいなんて……」


「フフフ……そうだろう!そうだろう!」

「キミの歌声、実に良かったよ!」

「童謡に相応しい、暖かさを感じたね!」

「今度雑誌へ記事を載せる時に、キミの事も紹介しておくよ!」


「あ、ありがとうございます……!」

「(ほ、褒められた……!あのDona(※ミューゼ)さんに……!)」


四十万はギターケースを開け、赤色のギターを取り出した。

ミューゼは彼女へ言う。


「何故赤いギターを使ってるんだい?」


「赤は……」

「私が最も愛する人間の、瞳の色なんですよ(キリッ)」


あまりにもきも。


「実は私、作曲と作詞も少々嗜んでましてねぇ……」

「今日は自作の曲をライブで披露しようかと思って、代官山まで来たんですよ」


「おおー!」

「気合が入っていて、感心するね!」

「言い知れぬパッションを感じるよ!」


確かに情熱はある。

確かに言い知れない。


「(遂に来てしまいましたねぇ、この時が……)」

「(私が一躍スターダムに駆け上がれば、クリスティナは私を尊敬し惚れ直すハズ……)」

「(クリスティナと二人三脚で数々の難事件を解決していく、その未来は遠くありませんよ!!)」


現状は一歩ずつ、その未来から遠ざかっていた。

四十万はステージ上に登る。


「では皆さん聞いてくださいねぇ」

「曲名は『13年越しの甘い恋』」


曲名から嫌な予感しかしない。

彼女はリズムを取り始める。


「ワン・ツー……ワン・ツー・スリー……」

「朝目が覚めると君が居てぇ~」

「いちごタルトを焼いてたさぁ~~ん」


四十万はくねくねしながら、しなやかな指捌きで自作のポップスを披露して行く。

朝からいちごタルトなんて焼いてるワケねぇだろ。


「スゥイ~ツベイビー」

「君はそうさぁ~」

「甘い甘い私の恋人クリスティナぁ~」


極めて高度なギターテクがくねくねした動きとヤバい歌詞に融合し、異様な光景がステージの上で展開されていた。


「(ふふふ……私のギターテクと甘い歌声に観客もメロメロですねぇ……!)」


彼女は周囲をチラ見した。

しかし、観客は静まり返っていた。


「(あ、あれ……?)」


ミューゼはスッと立ち上がり、ステージに上がって四十万へ言う。


「あのさ……」

「お遊戯的なコトならさ、外でやってくんない??」


四十万は突如全身を震わせて叫び声を上げ、リンを置き去りにして外へ駆け出して行く。


「うわああぁああぁあぁぁぁああーー!!!」


リンは慌てて彼女を追い掛けて行く。

彼女は代官山の路上を駆け抜け、走って来た軽ワゴンやバイクを吹き飛ばしながら泣き叫ぶ。


「アナタなんかに、アナタなんかに私の音楽の何が分かるってんですかぁ~~っ!!」


四十万は駐車場に辿り着くと、ギターを車(他人の)に叩き付けて両方とも破壊した。

リンは彼女に追いつく。

そして、息を荒げる彼女を後ろから羽交い絞めにして、止めようとする。


「お、落ち着いてくださいにゃ……!司令官……!!」

「こ、これ以上は隊の評判が……!」


四十万の首が180度回転し、血走って涙に濡れた目が彼女を睨む。

司馬懿かお前は。


「オシャレランカーへの階段を駆け上がり始めたアナタには、関係の無い事ですよ!!」

「世界ランカーに褒めて貰ったからって調子コイてませんか!!?」

「雑誌デビューして一躍、代官山オシャレ四天王の仲間入りってな感じですか!?えぇー!?」


オシャレランカーって何だよ。

オシャレ四天王って何だよ。


「クリスティナぁぁぁ~……!」

「うぅぅ~~っ……!」


四十万は突如、ギターの残骸の上にうずくまる。

彼女の涙が残骸を濡らし、アスファルトへ吸い込まれて行く。


「と、取り敢えず車に……!」


リンは周囲に野次馬達が集まって来たのを見て、四十万を車へ押し込んで行く。

そして破壊された車の上に四十万の名刺と、請求用紙、タクシー代用の万札を置いて行った。


《おい!妖怪!》

《お遊戯みたいな曲なら外で弾きなよ!》


四十万の脳内で自作されたミューゼの声が反芻し始める。

彼女は車内に置いてあった焼酎を一気飲みし始めた。


「私の愛が~!愛が分からないあのエセサブカル女なんて……」

「死刑で良いですよ!!死刑ぇーー!!」


「そ、その焼酎は何処から……」


「常備してるんですよ!!常備!!」

「普段は残業が長すぎて、聖上石井にも寄れないですからねぇ!!!」

「9時5時勤務は何処行ったんですか!!?あーーっ!!」


リンは四十万の叫び声を車内で聞きながら、彼女の家に向かって行く。


~2時間後~

~四十万のマンション~


「……ヒック」


酒に酔った四十万は、オシャレ雑誌の表紙に載っているモデルの顔を眺める。


「クリスティナの方が100万倍美人ですよ、ねぇ~~?」


彼女は自作のイチカぬいぐるみにキスをしながら言った。

そして、雑誌をめくって行くと、ミューゼのインタビューページを発見した。


《キミの歌はまるでお遊戯だったよ!》


四十万の目には、彼女の口元が動いているように見えていた。


「何がアートの力ですか!」

「アートの力で銃弾や刃が防げるかってんですかよーーー!!」


彼女は奇声を上げながら、雑誌を壁に投げつけた。

リンはポトフを煮込みながら言う。


「し、司令官……」

「取り敢えずご飯を食べたら、気分転換に何処かへ出掛けましょうにゃ」


「り、リン……!」


四十万は彼女に後ろから抱き着く。

リンの身体は彼女の怪力によって軋みを上げていた。


「ぬあぁぁぁぁ……!」


リンは猫の様な声を上げて藻掻くが、彼女の極めて優れた身体能力を以てしても、世界選手権レベルの抱き着きは離せなかった。

すったもんだの振動でリモコンがテーブルから落ち、モニタが点く。


《それでは次のニュースです》

《今スカイツリー周辺では探索者のメタルファン達による、大騒音を伴った集会が相次いでおり……》


四十万の光の無い黒目に力が入る。


「──!」

「コレですよ!リン!」


「え……!?」


「この騒ぎを音楽の力で平和的に収めれば……」

「あのエセサブカル女も、私をオシャレ帝王として認めざるを得ないでしょう!」


そのズレたオシャレへの異常な拘りは、一体何処から来るのか……


「ご飯を食べて昼寝をしたら、スカイツリーに向けて出発ですよ!リン!!」


「え、でもギターは……」


「楽器は無くとも、歌は歌えますよリン」

「私の愛が観光名所を救う!最高にオシャレじゃありませんか??」

「はい!決定ですよー!リン!」


リンはうなだれながら、首をタテに振るしかなかった。


~3時間後~

~墨田区・東京スカイツリー~


「あっ、まぁ~い」

「君の恋人~~♪」


四十万は上機嫌で自作の歌詞を歌いながら、改札を通ってスカイツリータウンに到着した。

リンは恥ずかしさでずっと下を向いていた。

かわいそ……


「おおー……日も暮れて来ましたねぇ……」

「スカイツリーのレストランで、クリスティナと夜景を観ながらディナー……」

「良い歌詞が浮かんで来ましたよ!!」


「(も、もう完全に自分の世界へ……)」


そこへ酒を飲みながら、禍々しい化粧をした集団が現れ、コールを上げながらギターを鳴らし始めた。


「し、司令官……!」

「あの人達ですにゃ……!」

「例の大騒ぎしてるっていう、探索者の集団……」


四十万は頭にリボンを付けながら、カフェで名前がやたら長い飲み物を注文していた。


「司令官~~!」


彼女は名前がやたら長い飲み物を受け取り、薄ら笑いを浮かべて言う。


「まぁまぁ……」

「あの程度なら、何時でも料理出来ますから」

「それよりもオシャレなスカイツリーデートを楽しみましょうよ、リン」


コイツ、すっかり目的を忘れてやがったな。

四十万はステップを踏みながら、化粧集団の前を通り過ぎて行く。


「ポォ~~ゥ!!」


ギターを持った男が、四十万の名前がやたら長い飲み物を手ではね、名状し難き液体がスカイツリータウンのタイルに散った。


「……」


リンは四十万の貼り付いた微笑を見て、震え始めた。

男は更に四十万を刺激して行く。


「お?泣いちゃった??」

「手足バッキバキでそんなガタイのクセして、ガーリーファッションにリボンとか、頭おかしいんじゃねぇのかー!?」


それはそうなんだが、頼むから彼女を刺激するのは止めてくれ……!

言ったからな!


「ギャハハハハ!!」

「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプー!!」


「出た!!」

「1秒間に10回のレイプ発言!!」


化粧集団はますます調子に乗り、辺り構わず騒ぎ出した。

四十万の目が代官山の方角へ向けられる。


《キミのポップスなんて、お遊戯事だと思っていたよ!》


四十万の脳内にミューゼの声が響いた。

ヤバいぞ、段々と記憶が改変されて来ている。


「オシャレなんてファック&サヨナラなんですよ、ベイビー」


「へ?」


彼女は男の頭を片手で掴み、持ち上げる。

そして、思い切りカフェに向かって投げ飛ばした。

化粧集団はざわめき始める。


「「「お、おいヤベェぞ……コイツ……!」」」


四十万は男のギターを拾うと、スカイツリーに向けて叫び始める。


【そこのカップル共!!】

【今夜はオシャレファックでもキメる積りなんですかねぇーー!?】

【モテなくてダサい女を見下して楽しいんですかねぇーー!?】


マズいぞ、一線を越えてしまった……!

騒ぎを聞きつけた警備員達が四十万に向かって来て、取り囲もうとする。


【あああああーーー!!】

【ま○こーーー!!】


四十万は手摺に向かってギターを叩きつけ、ギターは粉々になった。

破片が警備員達の頬を掠め、彼等は腰を抜かして座り込んだ。


「スゲェ!!容赦なく他人のギターを……!!」

「コイツは最高だ!!濡れるぜ!!」


彼女は集団に向かって、更なるギターを要求する。


【【幻影幻灯幻夜】起動!】


新しいギターをふんだくると、彼女の顔に閻魔の如き化粧が浮き上がり始めた。

同時に暗雲が垂れ込め、雷がスカイツリーに落ちる。


【アナタ達……】

【私が本当のレイプってヤツを魅せてやりますよ】

【曲名は『閻魔降臨 in トーキョーシティ』】


四十万の素早くも荒々しい指使いが、ギターを鳴かせて行く。


《司令官の曲は世界を平和にすると思いますにゃ!》


【(誰も私の音楽の本当の価値なんて、分かっちゃ居ないんですよ!!)】


「「「うおぉぉぉー!!」」」

「「「ギターが手マンで鳴かされてるぜ!!なんてテクだ!!」」」


分かってるとは思うけど、リンちゃんはこんな事言ってないからな。

化粧集団は爆発的に盛り上がり始める。


《キミに会うまで、日本のポップスなんてお遊戯だと思っていたよ!》


【(私の音楽に触れ、世界は平和になると思っている能天気な連中……!)】


「「「うおぉぉぉぉぉぉー!!」」」

「「「閻魔様ァ~~~!!!」」」


ギターは四十万の指使いによって、さらにイカされて行く。

彼女はギターを持ち上げ、歯で弾き始めた。


「「「うおぉぉぉーー!!」」」

「「「歯ギターだ!!歯で弾いてるぞ!!」」」

「「「天をも恐れぬ地獄のギタテクだぜぇー!!」」」


【愚民共!!】

【これからが本番ですよぉぉぉ!!!】


四十万はギターを放り出し、柵を乗り越えてスカイツリーに腰を打ち付け始めた。


【ホラホラ、ここが良いんですかぁ~~!?】

【力を抜けぇ~~!!このメスタワーがぁー!!】


「え、閻魔様がスカイツリーをファックしてやがる!!」

「スゲェ腰使いだァ~~!!まるで地獄の様なガン突きだぜぇ~~!!」


なんとスカイツリーがライトアップし始める。

強風が吹き、タワーが揺れた。


「か、感じてやがるぜ!!スカイツリーが揺れてヨガってやがる!!」

「スゲェよ、閻魔様ァ~~!!」


そして、突如雨雲が墨田区周辺へ立ち込め始める。

雨がぽつぽつと降り始め、たちまち豪雨となって行く。


「濡れてるぞ!!スカイツリーが!!」

「ビショ濡れじゃねぇか!!」

「流石は閻魔様!!スカイツリーのヤツ、イキやがったぜ!!」


四十万は雨に濡れながらシャウトを飛ばし、叫び続ける。


【私は地獄のマッドポリス!!】

【昨日は堕天使犯しました!!】

【明日は悪魔を掘ってやりますよぉ!!】


リンは傘を差しながら、呆然と四十万の暴れっぷりを眺めるしかなかった。


~遡る事2日前~

~北海道室蘭市・ホテルニドム~


「なぁ、ミレイアはどんな曲が好き?」


レイカはタブレットで音楽を聴きながら、ミレイアへ言った。

ミレイアはリンゴを剥きながら答える。


「レゲエが好きです」

「レイカさんは?」


「華原○美」


「(……無期限療養しそう)」


レイカはある動画を発見する。


「なんやこれ……」

「『閻魔様がスカイツリーに降臨』……?」

「随分とヒマやなぁ、閻魔様も」


彼女は動画を再生した。

そして、吹き出しそうになった。


「す、スカイツリーをファックしとる……!」

「しかもコイツ、メイクしとるけど例の四十万っていうポリ公や!」


「レ、レイカさん……!ファックなんて言葉……」


「見てみ、ホラ」


「た、確かにファックしてる……!」


レイカは脇腹を抑え、大笑いしながら足をバタつかせた。



歌詞を考えるのに一番時間が掛かりました。


スカイツリーをも濡らすとは、最早たまげましたね。

普段イチカに向けている膨大なエネルギーが解消出来ないと、こうなってしまうんだ。

経緯としては、くねくねしながらナメたポップスを弾いた四十万が一番悪いんだけども……

よりにもよってミューゼさんの前でそれをやってしまうという、間の悪さに狩野英孝味を感じる。


アイカは不思議と、四十万と敵対しないような気もするんですよね……

ファンクラブ0号と1号みたいな感じだし。


自作グッズを作るのが0号の四十万、使用済みの品をグッズとして集めるのが1号のアイカです。

2号は激重すぎて拉致っちゃう人、3号は愛ゆえに撃って来る人です。

4号は献身がヤバすぎて、最早依存症だと思う。

ロクなファンが居ねぇ。

ミューゼさん……こんなに厄介なファン共が居るのに、本当にイチカをプロデュースする気か??

そして、即手を出した王子はマジでロックだ。


ミューゼさんのお遊戯発言は9割方、四十万の脳内変換&被害妄想です。

ここまで負の感情を増幅させて爆発させる怪物、怖すぎるだろ……

警察官になってて、本当の本当に良かった。

カタギだったら、もう捕まる側だって。ムショだって。


病室を抜け出すのは、ヤストレブと行動原理が同じ過ぎる。

基本的にエネルギーが余り過ぎてて、とんでもない事をしでかしてしまうのかも。

それが勉強や運動、仕事に行ってる間は良いけど……行き場が無くなるとコレです。

英雄の素質があるぞ!戦友ッ!!


多分、ミューゼさんには悪意は無く、思ったままの感想を言っただけと思われます。

ただ、受け手がメタルモンスターだっただけです。

彼女には妖怪ハンターとしての素質もあると思う。


恐らく物の怪達に対して、特攻スキルでも持ってるんじゃないかと。

ラロシェルは物の怪より、遥かに得体が知れない存在だけども。

ミューゼさんには頭が良い程効きそうな何かがある、と思ってる。


四十万はおもしれーっつうか、ヤバい女だな……

……良く思い出したら、イチカの周りはそんな女ばっかりだった。

既婚率の低さを見れば、彼女達が如何にアレか分かるだろ(暴言)

低いっつーかゼロ。ハルカは結婚式を控えてはいるけど。


シリアルレズキラー犬、激重ロシアン魔女、テロリスト地母神タヌキ、半グレシンデレラ剣士……

もうこの4人の事を考えるだけで脳のメモリが一杯になるのに、妄想ストーカー閻魔降臨ですよ。

世紀末の夜明けぜよ!!おかりん!!


レイカは曲の趣味までメンヘラだった。

好きな曲って、人間出るなぁ。

小室哲哉の才能はマジでスゴイと思うんだけどね……


今回の後書きはこれで終わりですにゃ……

じ、次回はアメリカンの化身なあの女ランボーの番外編にゃ……


「面白かった」「次も期待している」「笑った」「腹が捩れそうだった」

「も、モンスター……」「なんて??」「お遊戯なら小説以外でやってくんない??」

「リンちゃんかわいい」「リンちゃんかわいそ……」「リンちゃんの気遣いが泣けてくる」

「オシャレランカーってなんだよ」「オシャレ四天王って何だよ」「あまりにもきも。」「世界ランカー容赦ないな……」「こういうの好き」

「お遊戯みたいな小説なら外で書きなよ!」「キミの小説はまるでお遊戯だったよ!」「キミに会うまで、なろうの小説なんてお遊戯だと思っていたよ!」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。

宜しくお願い致します。



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