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紫雷の魔法使い  作者: 黒猫
ヴェイル領 第二部
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第76話 違い

学舎を出て、四人で目的の場所まで歩いていく。

途中、マーク先生が採取する薬草について教えてくれた。


「今日は、薬になる草を採ってもらう」

そう言いながら、数種類の薬草を一つずつみんなに見せる。


「まぁ今日は初日だからな。とりあえず、自分たちで探してみるといい」

「ま、経験だ」


マーク先生はそう言って、各班にサンプルとして薬草を渡した。


レイとサクは、渡された薬草ですら違いがよく分からなかった。


そのまま歩き続けると、道は森へと入っていく。

木々が日差しを遮り、空気が一気に涼しくなった。足元には落ち葉が積もり、湿った土の匂いが立ちのぼる。


「この辺りかな」

先頭を歩いていたハナが、足を止めた。


「え、もう?」


「うん。ほら、そこ」

ハナが指差した先、木の根元に、小さな草達がが群生していた。


「これ、小薬草。葉っぱの裏が白いでしょ?」

近づいて、レイは葉をめくってみた。確かに、裏側が白っぽい。


「本当だ」


「似た草があるから気をつけてね。こっちは、葉の縁がギザギザしてるの。そっちは違う草」


ハナは、あっという間に二種類を見分けて、片方だけを摘み取った。


(……速い。しかも、サンプルを見てない)

そして、その隣で。


スイが、しゃがみ込んで同じ草を見ていた。

「……傷に効く。潰して、貼るだけでいい…」

小さな声で、そう言う。


「え、そうなの?」


「うん……煎じてもいい。その時は、根っこの方。乾かしてから、細かく切って」


スイは、摘んだ草をサンプルの横に並べた。葉の形を、二度見比べる。


「……たぶん、合ってる」


(二人とも、すごい)

レイは、自分の手元を見た。まだ、何も採れていない。


どれが薬草で、どれがただの草なのか。見ても、まったく分からなかった。


「レイ、こっちにもあるぞ」

サクが手招きする。行ってみると、確かに似たような草が生えていた。


「これ、ハナが言ってたやつじゃないか?」

「……たぶん」


葉をめくる。裏が白い。

「合ってるかな」


「たぶんな。俺も自信ないけど」

二人はサンプルと睨めっこしながら、おそるおそる摘み取った。


そうして三十分ほど歩き回り、四人の布袋には、それなりの量の草が集まった。

ここまで読んで頂きありがとうございます。


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