第68話 相談の質問
誰かが手を挙げた。
「はい」
「どうぞ」
女の子が質問した。
「私は、王都に行きたいと思っています。でも両親は、王都はここでの暮らしが慣れた人には大変だから、行かない方がいいと言われています」
「先生、私はどうすればいいのでしょうか?」
「そうじゃな。王都に憧れる気持ちは、わかるのじゃ」
ルーヴァは、杖に体重を預けながら頷いた。
「じゃがな。お前さんは、王都で何がしたいのじゃ?」
「えーと……」
女の子が、言葉に詰まる。
「すまん、すまん。それは答えんでいい」
ルーヴァは、あっさりと引いた。
「目的があるならよし。他人に無理に話す必要はないからの」
そして、少し考えるように間を置いてから続けた。
「まぁ、わしから言えるのは——とりあえず挑戦して、ダメなら帰ってくればよい」
「ここが、お前さんの故郷なのじゃから」
女の子がはっとしたようにルーヴァを見た。
「ということはじゃぞ。もし、ここを出るとなったら、親と喧嘩別れはおすすめしないのじゃ」
ルーヴァは少し間をおいてから続けた。
「なぜならば、帰りにくくなるからじゃ」
ルーヴァは、皺の刻まれた顔で、小さく笑った。
「年寄りのアドバイスは、こんなところじゃ。……すまんな、おせっかいかもしれんの」
「ありがとうございます」
女の子は、少し心が晴れたような表情をしていた。
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