表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫雷の魔法使い  作者: 黒猫
ヴェイル領 第二部
PR
70/73

第67話 老女

レイが席に着くと、ちょうどサクが教室に入ってきた。


「おはよう」

「おはよう」

お互いに挨拶をして、何かを話しかけようとした時。


ガラ、ガラ、ガラ。

教室のドアが開く音がして、マーク校長が入ってきた。


「遅刻してる奴はいるか?」

教室全体を見回して、「よし」と声が聞こえた。

「誰も欠席はいないな。では、治療学の担当の先生を紹介する」


入ってきたのは、八十を越えた小柄な老女だった。

肩まで伸びた白髪は飾り気なく後ろで束ねられ、細い顔には深い皺が幾筋も刻まれている。けれど、灰色の瞳は澄んでおり、見つめられると心の奥まで見透かされてしまう印象を受ける。


身にまとうのは、白と薄い灰紫を基調とした質素な神官衣。胸元には小さな木札を下げ、節くれだった手で古い木の杖を握っている。背はわずかに曲がっているものの、立ち姿は凛としていて、老いを感じさせない。


そして、レイも含め、数人が同時に声を上げた。

(あ、確か治療院で……)


「ルーヴァじゃ。よろしくおねがいしますじゃ」

しわがれた声で、老女は自己紹介をした。


(治療院で会った時より、なんだか元気そう)

「わしは講師を頼まれたからか、元気になったのじゃ」


「え」

思わず、声が漏れた。

ルーヴァは、皺の中の目を細めて、教室を見回した。


「みなの顔に書いてあるぞ」

(……見透かされてる)


「これからよろしくじゃ。マーク校長から話があった通り、治療学担当じゃ」


杖を軽く床に突いて、ルーヴァは続けた。

「長生きも、悪くないものじゃの」


そして、教室をぐるりと見回す。

「今日は、質問タイムにしようと思っているのじゃが」

「なんでもよいぞ。わしに答えられることなら、なんでもこいじゃ」


そこで、マーク校長がみんなに伝えた。

「じゃ、俺はこれで。ルーヴァさん、よろしくお願いします」


「マーク校長、ではまた」

マーク校長はそう言って、教室を出ていった。

ここまで読んで頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ