第61話 みんなの属性
次の日の朝、訓練場にて。
レイは、みんなに魔法を撃ってもらい、それを避ける練習をしたいと思っていた。
(みんな、協力してくれるか心配だな)
一足先に着いたレイは、あたりを見回す。
ここで鍛錬をするようになって、ずいぶん経つ。けれど、カイ、レン、メル以外の人は、全然見かけない。町から少し離れているからかもしれない。
ヴェイル領には、強い魔獣もいないし。
(そういえば、みんなはどの属性の魔法が得意なんだろう)
考えてみれば、聞いたことがなかった。カイが火を使うのは知っている。メルは風が得意なのも見た。でも、それだけだ。
(鍛錬の件もあるし、いい機会だから聞いてみようかな)
そんなことを考えていると、カイ、レン、メルが揃った。
挨拶を済ませてから、レイはまず、魔法についてみんなに聞いてみた。
——変な空気になってしまった。
三人が、それぞれ言いにくそうに、もじもじしている。
(……あれ?)
レイには、理由が分からなかった。
自分は雷属性のみだ。何を言われても、今更どうということはない。もう慣れている。
最初に答えたのは、カイだった。
「レイ、気にしないでくれよ」
そう前置きしてから、視線をさまよわせながら言う。
「俺は一応、火・土・風の三属性を扱える。得意なのは、火属性なんだ」
(——すごい)
三属性も使えるなんて。
「カイはすごいね。三属性も使えるなんて、びっくりだよ」
「そ、そうか……あ、ありがとう」
カイは、なぜか少しほっとしたような顔をした。
「レンはどうなの?」
レンも、カイと同じように落ち着かない様子で答える。
「僕は、水・土・風属性を使える。特に得意な属性はないけど、あえて言うなら……水属性かな」
「レンも三属性使えるんだ。うらやましいな」
「あ、ありがとう」
「メルは?」
「私は……」
少しの沈黙が生じた。
(メルは風属性を使ってたのを前に見たし、風だけかな)
そう思って、待つ。
カイが、メルに視線で何かを訴えていた。レンも同じく、何か言おうとして言えない様子だった。
(……みんな、どうしたんだろう)
メルは、覚悟を決めたのか、両手をぎゅっと握りしめた。
「私は……」
もう一度、言葉を詰まらせる。
カイとレンが、心配そうにレイを見つめていた。
「言いたくないことは誰にでもあるし、無理しなくても大丈夫だよ」
「そういうわけじゃなくて」
メルが、視線をさまよわせながら答える。
そして、意を決したように口を開いた。
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