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規格の墓碑銘 ―BTRONが葬られた日―

作者:八雲 海
最終エピソード掲載日:2026/05/24
「日本語で夢を見るOSが、あった。」

1989年。全国の小学校への導入がほぼ決まっていた日本発のOS「BTRON」が、突如として標準規格から外された。
理由は「貿易障壁」。アメリカ政府がスーパー301条を盾に圧力をかけ、日本政府はそれを呑んだ。
三年間を賭けたエンジニア・倉田修二は、深夜の研究室でカーソルの点滅を見つめる。圧力を伝えた通産省の官僚・有村誠一は、霞が関の窓のない部屋で黙り込む。そしてワシントンのアメリカ人担当官・ホルトは、自分が潰そうとしている技術の設計書を、静かに読んでいた。
誰も悪人ではなかった。それでも、何かが死んだ。
これは、知られることのなかった敗戦の記録である。
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