1話 今後の話
今後のお話なの。ふかふかソファの上に座るフォルに座って。
グリちゃんがゼロ達に繋いでくれる。連絡魔法具使えばいいんだけど、後で気づいたの。だから、気づかない事にしてお話を進める。
外にいたみんなも、もう明るく振る舞えているみたい。グリちゃんは、ゼロが大事に抱っこしている。
「……今のところある情報ってなぁに? エレは知らないから、みんな教えて。ついでに、今後どう動いていくのか案もだせなの」
エレは、考えるのが得意じゃないから。でもね、みんなは得意だから。こういうのは適材適所。
シェフィがジュース用意してくれてる。あまあまはだいすき。
あと、そろそろフォルから降りる。フォルのお隣が空いているから、そこに座る。
ジュースは、冷たい。
「……ギュー、本家様の情報なら他の人が知らない内容もあるんじゃないの? 」
「オレは普段本家に出入りしねぇからなぁ……最近、妙に御巫が動いてるつぅ事くらいしか」
オルだったら何か知っていそう。でも、本家に戻ったみたい。わざわざ会いにいく事もないと思うの。他に何か知っていそうな人っているのかな。
あっ、ギューがお菓子くれた。ミルククッキー。貰っとくの。
「……ふみゅ……あ、あむ……あの、エルグにぃ」
「……話し合いよりクッキー選んでる。そんなとこもかわいい〜」
イシュだ。いないと思ったら……あっ、あの……あれじゃなかったかな。なんか、急にパタンってなった。それで今までいなかった。思い出した。気づいたみたい。エレも一安心。
「……シェフィ、ちょっと横に寄って」
「そうしたらエレの真正面じゃなくなるじゃん」
「そうよ。そこ譲って」
さすがはイシュ。シェフィが移動した。エレと仲良しなの。
イシュなら、神殿の情報がある。聞かないと。
「イシュ、何か知ってる? 」
「ううん。私よりもミドゥの方が詳しいと思う」
エレはミドゥを無言で見つめる。じっと無言で見つめ続ける。
ミドゥが首を横に振る。次は誰に聞こう。あっ、エルグにぃに聞くんだった。
「エルグにぃは? 」
『ギュー兄様と同じくらいしか知らない。というより、今回の件と御巫の件。それ以外は何も無くなった。突然、静かになっている』
それは何かあるかもしれない。急になんて、何かないとならないと思うの。
メモしておかないと。と思って、メモ帳をフォルに渡しました。
ゼロは、ロストの情報網があるよね。あそこ閉鎖的な国なのに、情報はかなり多いから。
「ゼロ」
『俺何も知らない。ロストが寒くなった以外知ら……そういえば、他の場所でも異常な事あるらしい。関係あるか知らないけど』
「それなら僕も聞いた事あるよ。暑い地域は、さらに暑く。寒い地域はさらに寒く。極端になっているみたいなんだ」
極端……フォルも聞いた事あるなら、有名なお話なのかも。情報収集界の人達には
エレは知らないよ。
そうなってくると、御巫が回っている地域っていうのも気になる。それとこれが関わっているとはまだわからないけど。
「ねぇ、その気候の場所と御巫の場所どこ? 」
「残念だけど、御巫はそこに来ていないよ。一応、エルグの補佐として、暇を見つけては調べたけど」
シェフィの真剣なお顔、なんかかわいい。そうじゃなくて、それ、不思議じゃない? だって、だって……
エレの気のせいなのかもしれない。だから、何も言えなくなった。気のせいだったら、余計に考えさせるだけなんだから。
フォルとか、いっぱい考えちゃうかも。
「……エレ? どうかしたの? 」
「……」
「能力使おっか? 」
「それはやなの……あのね……御巫は、その気候が変な場所行ってないんだよね? だから関係ないんじゃなくて、だから関係あるのかなって思ったの」
シェフィが関係ないって思うなら関係ないの。
だから、このお話は忘れて欲しい。
無言の時間は、エレにとって居心地が悪いの。みんなエレを見る。そんなに変な事を言ったのかな。何を言っているんだって思っているのかな。
言わなかったらよかった。
エレは俯くの。
「……僕、一度も関係ないとは言ってないよ。ただ、来てないって言っただけで」
「ふぇ? 」
顔を上げたら、シェフィがなぜかうれしそう。みんなも、エレがそんなわけないって事を言ったからじゃなさそう。
なんだか、ほっとしている。
でもね、でもね、エレにはどうしてがわかんないの。
「……二手に分かれる? 御巫の調査と、異常気象の調査」
「シェフィごめん。僕らは不参加。クームの予定も合わせられたから、管理者見習いの試験。約束してたからやりたい」
約束してたから、それだけじゃないんだよね。今やるっていうのは、エレ達に、後を任せるために。寂しがるのも、悲しがるのも、今はだめなの。そんなんじゃ、いつまで経ってもフォルに認めてもらえないんだから。
シェフィは、わかっているのかな。「任せて。」そう言って、何も聞こうとしなかった。今じゃなくていいだろうなんて、誰も言わない。知らないはずのゼロ達ですら。
どこか寂しそうなフォルのお顔を見ていると、何も言えないのかな。
「じゃあ、明日からはみんな別行動だ。フォル、今日くらいエレを休ませてあげて」
シェフィ……うん。そうだよね。まだ身体が慣れないのか、神聖力が馴染んでいないというか……なんだろう。違和感がある感じ。
一日で完全に慣らさないと。
両手をぎゅっと握って、みんなにバレないように決意中。
「……フォル、今後の話なら話すべき事あるでしょ? エレにもばれているみたいだから、この際みんなに話していい? あの世界の件も話す含めて」
……フォルが頷いた。きっと、本当はいやだと思うの。何も知らせずに、最後まで何事もなく過ごしたい。そう思っていると思うの。それでも、フォルは選んだの。なら、エレも
「……アディ、あのね……もう、エレの事姫って呼ばないで……前みたいにエレって呼んで。お仕事は別だけど」
以前、エレは言ったの。エレって呼んで欲しいって頼んだの。その時の後悔。今は理解できる。だから、だから、自分からそう呼べるようになるまで待つんじゃない。ちゃんとエレが伝えるべきなの。
それにフォルに、あの頃の関係を見せてあげたい。
『……』
「わたし……エレは、みんなと今までの関係がいい! あの頃の、笑ってくれていた頃の関係のままがいいの」
お願い。お願い。身体の事もかけらの事も記憶の事も、これからお話する。だから、アディ達何も知らない。断られるはずなの。それでも……
『……エレ、寝癖』
「ふぇ⁉︎ 」
「えっ⁉︎ あっ⁉︎ なんでっ⁉︎ 」
エレって言ってくれたのはいいけど、エレ髪見れない。誰か見てよ。シェフィは見ても直してくれない。
隣のギューが直してくれた。
「ふにゅ……気を取り直して、お話しなの」
という事で、今まであった事お話しするの。
……
……
……
……
……
……
長かった。ちゃんと、ゼロの事もエレの事もフォルの事もお話した。
静まる中でも、ゼロはゼロ。
『時間あるんだから、どうにかなるんだ! 今日はエレエレは休むんだ! 』
「ふにゅ……イシュ、あのね……一緒にお過ごししたいのです……しゅにゃ。それと、エクリシェ一旦帰るの。エレのお部屋ご招待」
「ええええぇぇぇぇぇぇ⁉︎ えっ⁉︎ ゆ、夢⁉︎ 夢じゃないよね? 夢じゃないんだよね? うんうんうん。ぜひぜひぜひぜひ」
ちょっと怖いの。二人っきりでお話して、何かされないかな?
「シェフィ、今夜はぼくと過ごすから」
「えっ⁉︎ えっ⁉︎ 夢であって……くれないか」
温度差が激しくて、くちゃみでそう。ミドゥはシェフィご所望みたい。
「……ギュー、話したい」
「そりゃあいいが……この空気でよく言えたな」
うん。変な事ありそう雰囲気してる。フォルはギューご所望。
きっと今夜はみんなそれぞれの夜をお過ごしになられる事なのです。




