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ゆるふわ怪奇譚  作者: 灰猫と雲
29/31

其の二十九『丑の刻参り』

神八代祝人は入浴していた。

彼は今近所のスーパー銭湯に来ていた。

風呂にはいい季節になってきたな、と彼は露天に浸かりながらしみじみ思う。

そんなところに父と娘の親子が入ってきた。

彼は目のやりどころに困りサウナに逃げるのだった。

彼のロリコンという病は薬では治らない。

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「丑の刻参り」

これは残念ながら俺の体験談ではない。

小学校の時の友人が実際に体験した話だ。

俺の友人、ユータは神社の隣に住んでいた。

小さな神社だったので壁で囲まれたりしているわけではなく、一見すると神社の敷地内に何軒か立っている家の1つが彼の家だった。

小学5年の頃の夏、ユータは深夜に目が覚めた。

目が覚めたついでにトイレに行き部屋に戻ってくると、カッっという音がした。

ん?なんだ?

耳を澄ましたがそれ以降聞こえなかったのでその日はそのまま眠ってしまった。

そして次の日も彼は夜中に目を覚ます。

夜中目覚めるクセがついたのかな?と思いその日もトイレに行こうとしたその時、


カッ


という音がまた聞こえた。

昨日のやつだ!とユータはまた耳をすます。しばらくしてまた


カッ


と音がする。彼はその音の正体を探ろうとカーテンを開けると、白いワンピースを着た髪の長い女がハチマキをして神社を取り囲んでいる木の1つに向かって


カッ


と木槌を打ち付け、そしてしばらく何かを呟き、そしてまた


カッ


と木槌を打ち付けている。

丑の刻参りだぁ!とユータは興奮した。

女は30分ほどその行為を繰り返し、木に打ち付けた釘を釘抜きで抜き帰っていった。



「嘘だろ?笑」

俺はユータの話を信じてなかった。

「嘘じゃねぇよ!じゃあ放課後見に来いよ!」

「だって持ち帰ったんだろ?」

「釘の跡があるかもしんないだろ?」

なるほど、それはとても見たい!

放課後、下校ルートとは逆のユータの家の隣にある神社に向かった。

「確かこの辺、ほら!あったぞ!」

木には釘を刺した跡が確かにあった。

「嘘じゃなかったろ?」

俺はユータの話は聞いていなかった。ただ数えていた。

「お前、何してんの?」

「釘の穴の数を数えてんだよ」

「なんで?」

「丑の刻参りってな、まぁやり方は細かくあるんだけど、七日間続けて同じ木に藁人形や写真を五寸釘で打ち付けなきゃならないんだよ。恨みを込めて。で、ここに穴が6つ空いてある」

昨日が6日目だったのだろう。

「じゃあ今日で丑の刻参りが完成するのか?」

呪いは『完成』と言っていいのだろうか?

「いや、もうその呪いは効果ないよ」

昨日で呪いは相手ではなく自分に跳ね返ってしまった。

「何でだよ?今日で7日目なら今夜で相手は呪われるんだろ?」

「お前、女が丑の刻参りしてんの見ちゃったんだろ?」

丑の刻参りは人に見られてはいけないのが大前提だ。意外と、というか呪い的には簡単な部類だが日常生活的にはかなりハードルが高い呪い方だ。

「ユータ、お前今夜もし目が覚めても絶対覗くなよ?人に見られたら相手にかけてた呪いが自分に跳ね返ってくるって言われてんだ。回避するには見たやつを殺さなきゃならない。だから絶対見るなよ!」

かなり脅しをかけた。まぁ見られたところでさすがに殺しはしないと思うけど、このご時世に呪いをかけようというクレイジーな女だ。用心に越したことはない。

しかしユータはバカだった。

「昨日の夜大変だったよ…」

彼はその夜も目が覚めてしまった。俺の言うことが忘れられず、トイレに行ったあと今夜はそのまま外を見ないで寝てしまおうといつものように部屋の隣にあるトイレに入ると、物凄い異臭に吐き気を催した。便器の中には彼の兄のものと思われる下痢状の排便の跡が流されずにあった。

「クソったれ!(文字通りの意味で)」

仕方がないので彼は一階にあるトイレで排尿する事にした。

その一階のトイレというのが神社に面していた。

電気をつけ用を足していると、半分開いていたトイレの窓に、ハチマキをした女の顔があった。

「お前、見たな?」

ユータは腰が砕けた。叫びたくても怖くて声が出なかった。

「お前、見たな?」

かろうじて首を横に振ったが、女は

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

と目を全開に見開きトイレの床で腰を抜かしているユータを見下した。

そして急に走り出して窓から消えたかと思うと


ガッシャーン


と家の窓ガラスを割り自宅内に進入。

ユータは怖くてトイレの鍵を閉め震えていたが、


ガゴン、ガゴン


と何かでトイレのドアをこじ開けようとする音が響き、そこでようやく悲鳴をあげた。

しかし、誰よりも不幸だったのはユータではなくその女だった。

ユータの父は現役バリバリの自衛官だった。

空手と柔道も黒帯だった。

そして、寝起きは最悪に悪かった。

「おいテメェ。人ん家でナニ振り回してんだコラ!」

結果だけいうとその女はユータの父に腕の骨を折られ警察に連行されて行った。

そしてユータの父もまた過剰防衛で連行されて行った。

ちなみに丑の刻参り自体は違法ではないが、乗ろう相手に呪っていることを匂わせたり、釘や藁人形を送ると脅迫罪になります。

あと当然ですが、人の家に勝手に入ってトイレのドアを壊すと不法侵入と器物破損の罪に問われます。

それから、だからと言って腕の骨を折ると警察に連れて行かれます。


最後に。

「人を呪わば穴2つ」

多分丑の刻参りをするエネルギーがあれば、大抵のことは時間がかかっても乗り越えられると俺は思います。

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おじさん、おっかなかったもんな笑、とサウナで1人笑みを浮かべる。

いつの間にか目の前には先ほどの親子が神八代祝人の前にいた。

「あっちゃん、もう出るよ」

父親は明らかに神八代祝人の方をチラ見して娘をサウナから出した。

『ロリータコンプレックス』

アリス・リデルを一目見た時から神八代祝人は恋に落ちた。

もちろん彼は自分のことをノーマルだと思っている。

交際する対象は19歳から23歳までの女性だが、愛でるだけなら幼児も悪くないと思う神八代祝人であった。


なかなか出来ない体験ができてユータの事が羨ましいです。

普通に生きてて殺されかけることなんてなかなか…あ…ありましたわ。

中国人の女に刺身包丁で刺されそうになりましたわ。

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