表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界住人譚~ショートショート集~  作者: nireron


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/58

魔物の巣穴で商売を

冒険者を引退した日、俺は全財産をはたいて廃ダンジョンを買った。

周囲には正気を疑われた。


地下三階建て、魔物の残骸だらけ。

罠は錆びつき、壁は崩れかけていた。


だが俺には見えていた。

この場所が持つ可能性が。


まず一階を整備した。

罠を撤去し、床を磨き、松明の代わりに魔石灯を並べた。

受付を置いて、冒険者向けの休憩所にした。


最初の客は、かつての仲間だった。

「何やってんだお前」と笑いながら、エールを三杯飲んだ。


二階は宿泊用に改装した。

地下だから静かで、夏は涼しい。

意外にも、長期滞在する魔術師に好評だった。


三階は残した。

弱い魔物が自然に湧くので、新人冒険者の訓練場として開放した。

入場料を取る代わりに、回復薬を一本つける。


噂が広まるのは早かった。

「あの廃ダンジョン、宿屋になったらしい」

「訓練もできるって?」

「飯がうまいって聞いた」


半年後、王都の商業ギルドから視察が来た。

担当者は地下を一巡りして、ぽつりと言った。

「これは新しい業態ですね」


俺は笑った。

新しくも何ともない。

冒険者が本当に欲しいものを、冒険者だった俺が知っていただけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ