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異世界住人譚~ショートショート集~  作者: nireron


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39/57

神託は、俺が死ぬと告げた。正確には、半分だけ合っていた。

神殿の巫女は俯いたまま言った。


「あなたは、次の満月までに死ぬ」


同行者たちが青ざめた。

俺だけが、妙に落ち着いていた。


「それは変えられるか?」


「予言は変えられない。ただ、何が死ぬかは、まだ見えない」


何が、という言葉が引っかかった。


俺はその夜、考え続けた。

身体か。魂か。それとも何か別のものか。


満月の前日、俺は決めた。


ずっと抱えてきた憎しみを、捨てることにした。

十年、胸に住み着いていた怒りを。


幼い頃、俺の村を焼いた男への憎しみだった。


その男がすでに死んでいると知ったのは、三日前だった。

病で、ひっそりと逝っていた。


復讐する相手は、もういない。


俺は墓の前に立った。

何も言えなかった。

だが長い間、そこにいた。


満月の夜、巫女のところへ戻った。


「予言は正しかった。怒りを抱えて生きていた俺が、死んだ」


巫女が初めて顔を上げた。


「神託はいつも、正しい場所を照らす。読み解くのは、あなた自身です」


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