第2章 花札一家徹底壊滅編 第4話
手錠をかけられ、醜態を晒しながら連行されていく怒鳴憎・J・花札Ⅸ。国家元首としての権威は完全に失墜し、彼が築き上げた花札財閥の帝国は、音を立てて崩れ去った。
だが、これで終わりだなどと誰が思っただろうか。真の復讐とは、ただ社会的地位を奪うことではない。彼が前世で私と父、そして清蓮院家に行ったのと全く同じように、彼が最も信頼し、すがりつこうとしたすべての絆を自らの手で引き裂かせ、最後に全幅の絶望を与えることだ。
私はSSFのシニアアナリストとして、そして今や経済界の黒幕として、次の最終段階へと移行した。
ジュニアの逮捕を受け、彼の身柄は特別勾留施設へと送られた。外部との連絡を絶たれた彼は、必死に父親である前大統領・怒鳴憎・花札Ⅷの名前を叫び、助けを求めたという。しかし、その父親であるⅧ世自身も、息子が巻き起こしたスバ抜けたスキャンダルの波及により、かつての後援者たちから完全に見放されていた。
政界のドンとして君臨していたⅧ世の自宅には、連日債権者や検察の捜査官が押しかけ、かつての栄光の面影は微塵もない。息子を溺愛し、我が世の春を謳歌した老人は、いまや我が子の転落のニュースをテレビの画面越しに呆然と眺めながら、静かに狂い始めていた。
「親子揃って、同じ地獄を味わうがいいわ」
私は冷徹な瞳で、手元のタブレットに映し出される花札親子のリアルタイムの監禁・勾留状況を見つめる。
資産はすべて没収され、名誉は泥にまみれ、残されたのは互いへの責任転嫁と尽きることのない後悔のみ。かつて壇上で私を嘲笑ったジュニアの歪んだ顔が、今度は恐怖と絶望に歪み、私の脳裏に蘇る。
復讐の幕引きは、私が下す。すべての精算を行うため、私はかつての悪夢が繰り広げられた因縁の場所――あの舞踏会の会場へと、静かに足を向けるのだった。




