第2章【 花札一家徹底壊滅編 】第3話
遮断した完全防音の部屋で、
ジュニアは震えていることだろう。
しかし、これですらまだ、
私が用意した処刑劇の序幕にすぎない。
彼が犯した罪の重さに比べれば、
こんなものはまだほんの
ウォーミングアップなのだから。
花札第一銀行の崩壊と
強制査察のニュースは、
野火のように世界中へ駆け巡った。
市場の混乱は最高潮に達し、
花札財閥の株価は値幅制限の
下限まで売りが殺到して
全銘柄がストップ安を記録。
私こと祥簾醍美華が仕掛けた
空売りポジションは、
今や秒単位で天文学的な
利益を膨らませていた。
もはや、ジュニアを
助けられる者は誰もいない。
側近たちは保身のために次々と寝返り、
かつて
彼の機嫌を取るために群がっていた
政治家や財界の重鎮たちも、
蜘蛛の子を散らすように
逃げ出しているという。
しかし、
私が本当に見せたかったのは、
こうした経済的な破滅だけではない。
彼は前世で、私と私の父、
そして清蓮院家に対して、
ありもしない嘘と濡れ衣を着せ、
すべてを奪い去った。
ならば、
今世で彼に与えるべき
最もふさわしい報復もまた、
同じ「無実の地獄」
でなければならない。
私は、
全知のチート能力を駆使し、
ジュニアが
過去に行ってきた隠蔽工作の数々
――脱税、証拠隠滅、さらには
国家機密の不正売買に至るまでの
完璧なまでの
「証拠のねじ曲げ」を実行した。
一般の捜査機関では到底見抜けない、
だが司法が見れば一発で
有罪を確信する巧妙かつ絶対的な罠。
それを、
彼を追い詰める検察のトップの
机の上へと密かに配置したのだ。
数日後、
ついに最高検察庁が動いた。
「大統領、怒鳴憎・J・花札Ⅸに対し、
国家機密漏洩および組織的詐欺容疑で
逮捕状が請求されました」
テレビ画面に映し出された臨時ニュースに、
日本中がどよめいた。
怒鳴憎タワーの頑丈なセキュリティも、
司法の厳正な執行の前には無力だった。
黒山の人だかりと無数のカメラの
フラッシュが浴びせられる中、
かつて我が世の春を謳歌し、
壇上で私を嘲笑ったその男が、
冷たい手錠をかけられて連行されていく。
「ふざけるな!
フェイクだ! 私は大統領だぞ!」
醜態を晒しながら叫ぶジュニアの声は、
もはや誰の耳にも届かない。
私はオフィスの一室で、
グラスに注いだワインを揺らしながら、
その断末魔の映像を静かに見つめていた。
お前の終わりの始まりへ
ようこそ、ジュニア。
復讐の劇は、いよいよ最高潮の
クライマックスへと突入する。
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手錠をかけられ、
醜態を晒しながら連行されていく
怒鳴憎・J・花札Ⅸ。
国家元首としての権威は完全に失墜し、
彼が築き上げた花札財閥の帝国は、
音を立てて崩れ去った。
だが、
これで終わりだなどと誰が思っただろうか。
真の復讐とは、……。
「逃げられると思うなよ、ジュニア」
豚醜毒悪餓鬼!
明日 07:30 に、第2章 第4~6話を掲載します。
よろしくお願いいたします。




