第2章【 花札一家徹底壊滅編 】第2話
反撃の狼煙は上がった。
私が仕掛けた罠に
足を踏み入れたジュニアは、
気づいたときにはもう、
這(はI)い上がることのできない
泥沼の底へと沈み始めている。
次なる一手は、
彼を支える花札家そのものの
政治的基盤の完全破壊だ。
崩壊のメロディは、
まだ始まったばかりである。
ジュニアの個人資産を
じわじわと削り取っている間にも、
私は水面下で、花札家の
政治的生命線を断つための
巨大な包囲網を完成させていた。
大統領である怒鳴憎・J・花札Ⅸを
権力の座に押し上げたのは、
実のところ彼自身の能力ではない。
前世の我が家――清蓮院財閥を
陥れて手に入れた莫大な政治資金、
そして全国に張りめぐらされた
後援会組織のネットワークである。
中でも、その資金洗浄と
裏金工作の心臓部となっていたのが、
花札財閥が全額を出資して設立した
メガバンク「花札第一銀行」だった。
私はSSFの
シニアアナリストとしての権限と、
全知全能のチートによる
ハッキング能力を合わせ技で使い、
同銀行の奥深くへと侵入した。
そこにあったのは、
法令違反のオンパレードだった。
ジュニアの指示による
選挙違反スレスレの買収工作、
暴力団との黒い交際を示す裏帳簿、
そして国庫から不正に横流しされた
巨額の公金吸う(チュー)吸う(チュー)スキーム。
そのすべてが、
完璧なデジタルタトゥーとして
サーバーの底に眠っていた。
私はマウスを操作し、
その致命的な証拠の数々を、
国内の主要紙だけでなく、
世界中の金融規制当局と
司法省のデータベースへ
一斉に転送した。
「さあ、お祭りの時間だ」
翌朝、日本および世界の経済市場は
阿鼻叫喚のるつぼと化した。
『花札第一銀行、巨額の
裏金工作と闇融資の全貌が発覚』
『大統領直結の資金源に
金融庁・司法省が強制査察へ』。
朝のニュース速報を皮切りに、
街頭の街宣車は怒号に包まれ、
怒鳴憎タワーの周囲は
デモ隊と取材陣の
黒山の人だかりとなった。
銀行の窓口には、取り付け騒ぎに
なりかねないほど預金者たちが殺到し、
怒号と悲鳴が入り混じる。
かつて我が世の春を謳歌
していた花札財閥の牙城は、
ほんの数時間のうちに、
怒れる民衆の怒りと
絶望の炎に包み込まれた。
タワーの最上階、外の喧騒を
遮断した完全防音の部屋で、
ジュニアは震えていることだろう。
しかし、これですらまだ、
私が用意した処刑劇の序幕にすぎない。
彼が犯した罪の重さに比べれば、
こんなものはまだほんの
ウォーミングアップなのだから。
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花札第一銀行の崩壊と
強制査察のニュースは、
野火のように世界中へ駆け巡った。
市場の混乱は最高潮に達し、
花札財閥の株価は値幅制限の
下限まで売りが殺到して
全銘柄がストップ安を記録。
私こと祥簾醍美華が、……。
「逃げられると思うなよ、ジュニア」
豚醜毒悪餓鬼!




