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松木ひろ子さんの、腸内人民共和国【第百二十七回 ミツオケラ人民大会議】 «Bellum et Pax»  作者: 東曌


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新章  第四話 正確な数字と、正体不明の一匹

第四話 正確な数字と、正体不明の一匹


吾輩は、数字というものを、あまり信用していない。


いや、正確に申し上げれば、数字そのものを信用していないのではない。数字を持っている者が、急に偉そうな顔をする、その現象を信用していないのである。


たとえば、食堂である。


「今朝の発酵性食物繊維は、人民一匹あたり平均三・七単位です」


給仕係が、壁に掲げられた報告書を指して言った。


「それは、どういう意味ですか」


「人民の健康状態が、総合的に良好であるという意味です」


「吾輩の皿には、二単位しかありませんが」


「平均ですから」


「平均というのは、吾輩の皿が三・七単位になるということではないのですか」


給仕係は、吾輩を気の毒そうに見た。


「七号さん。平均というものは、そういうものではありません」


それは、もっともらしい説明であった。


吾輩は、皿の上の二単位を眺めた。


二単位は、どこからどう眺めても二単位である。三・七単位には見えない。もっとも、発酵性食物繊維に顔があるわけではないから、見え方について議論するのも、いささか不毛ではある。


「では、平均が三・七単位であることと、吾輩が二単位しか食べられないことは、両立するのですね」


「もちろんです」


「それでは、平均が良好だからといって、吾輩の食事が良好であるとは限らないのですね」


給仕係は、報告書を見た。


それから、吾輩を見た。


最後に、もう一度、報告書を見た。


「そのような解釈は、当食堂の管轄外です」


共和国では、数字の説明を求めると、説明を求めた側の管轄が、急に狭くなるのである。


吾輩は、皿を持って席についた。


二単位の食物繊維を、ありがたくいただくことにした。


腹が減っているときには、哲学より食事のほうが大切である。


ただし、腹が満たされると、哲学がまた戻ってくる。


これは、なかなか厄介な仕組みであった。


     *


翌朝、統計局から呼び出しがあった。


統計局は、共和国の中央行政区にある。建物の正面には、金色の文字で、次の標語が掲げられていた。


「正確な数字は、正確な共和国をつくる」


吾輩は、この標語を見るたびに、少々心配になる。


数字が正確であっても、共和国が正確になるとは限らないからである。


そもそも、正確な共和国とは何であろうか。


廊下の長さが設計図と一致していることか。


役人の発言が規則と一致していることか。


人民の気持ちが、報告書の記述と一致していることか。


最後のものだけは、どうも難しそうである。


人民というものは、規則を読んでから悲しんだり、報告書を確認してから腹を立てたりするわけではない。


ときには、自分が何に腹を立てているのかさえ、本人にも分からないのである。


そういうものまで正確に記録しようというのだから、統計局の仕事も、なかなか大変だ。


もっとも、仕事が大変であることと、その仕事のやり方が正しいことは、別の問題である。


受付で、吾輩は訪問目的を尋ねられた。


「人口統計について、質問があります」


「質問の種類は何ですか」


「数字の正確性についてです」


「数字の正確性に関する質問は、数字の正確性に関する質問窓口へお願いします」


「ここではないのですか」


「ここは、質問の種類を確認する窓口です」


吾輩は、しばらく受付の前に立っていた。


共和国では、質問そのものよりも、質問がどの種類に属するかのほうが、先に決まらなければならないらしい。


やがて、吾輩は別の窓口へ案内された。


そこでも書類を書かされた。


書類の名称は「数字の正確性に関する質問申請書」であった。


申請理由の欄には、こう記されていた。


「なぜ、その数字が正確であると判断されたのか」


吾輩は、少し考えてから、正直に書いた。


「それを知りたいからです」


係員は書類を受け取ると、眉をひそめた。


「七号さん。申請理由は、具体的に記載してください」


「これ以上、具体的にする方法が分かりません」


「それでは、受理できません」


「なぜですか」


「申請理由が不十分だからです」


吾輩は、申請書を返してもらった。


どうやら、共和国では、分からないことを知るためには、まず分かっていなければならないらしい。


この制度を考案した者は、たいへん頭のよい細菌であったに違いない。


ただし、頭のよさというものが、いつも人民の役に立つとは限らないのである。


     *


統計局の人口統計課長は、立派な机の向こうに座っていた。


机の上には、書類が積み重なっている。


その書類の一枚一枚には、人民の数が記されていた。


「七号君。君は、我が共和国の人口統計に疑問を持っているそうだね」


「はい」


「それは、たいへん結構なことだ」


課長は、満足そうにうなずいた。


「科学の発展は、疑問から始まる。しかし、疑問を持つことと、疑問が正しいことは、別だからね」


「それは、そうですね」


「では、まず、君の疑問を聞こう」


吾輩は、手帳を開いた。


「共和国の人民は、現在、何匹いるのでしょうか」


「一兆三千二百億四千八百万匹だ」


課長は、即座に答えた。


あまりに即座であったので、吾輩は、課長が共和国の全人民を頭の中に住まわせているのではないかと疑った。


もしそうなら、課長の頭は、ずいぶんにぎやかであろう。


「その数字は、いつの時点のものですか」


「昨日の正午現在だ」


「昨日の正午から今日の正午までに、生まれた者や、移動した者は?」


「当然、反映される」


「どのように?」


「集計によって」


「その集計は、いつ行われるのですか」


「定期的に」


「定期的というのは、何時ですか」


「必要な時だ」


吾輩は、手帳に書いた。


――必要な時。


これは便利な言葉である。


必要であれば行われ、必要でなければ行われない。


しかも、必要かどうかを判断する者の名前は、どこにも書かれていない。


「課長。人民が一兆三千二百億匹以上いるとして、全員を一匹ずつ確認することは可能なのでしょうか」


課長は、椅子の背にもたれた。


「七号君。統計というものは、全員を一匹ずつ数えることだけではないのだよ」


「では、どうするのですか」


「標本を用いる。地域別の調査を行う。出生率、死亡率、移動率などから推計する。複数の資料を照合し、誤差を検証する。そうした方法を組み合わせて、人口を推計するのだ」


その説明には、筋が通っていた。


吾輩は、思わず感心した。


なるほど、すべてを直接数えることができなくても、一定の方法で推計することはできる。数字というものは、ただの思いつきで作られているわけではないのだ。


「では、課長。その数字には、誤差があるのですね」


「もちろんだ」


「どの程度の誤差があるのですか」


課長は、机の上から一枚の書類を取り出した。


「こちらに記載されている」


そこには、推計方法、調査対象、標本数、計算式、信頼区間などが、細かい文字で記されていた。


吾輩には、すべてを理解することはできなかった。


しかし、理解できないことと、意味がないことは、同じではない。


吾輩は、ひとつずつ質問した。


課長は、ひとつずつ答えた。


中には、吾輩にも分かる説明があった。


中には、説明を聞いても、よく分からないものがあった。


そして、ひとつだけ、どうしても気になる点が残った。


「課長。調査対象に含まれていない人民は、どうなるのですか」


課長は、書類をめくった。


「推計に反映される」


「その存在が、調査で確認されていなくても?」


「人口統計は、調査で確認できた者だけを数えるものではない」


「では、確認できなかった者が、どの程度いるかも、推計されるのですね」


課長は、そこで少し黙った。


「……推計できる範囲では、な」


吾輩は、その言葉を手帳に書いた。


――推計できる範囲では。


課長の説明は、先ほどまでよりも、少しだけ人間らしく聞こえた。


いや、細菌らしく、と言うべきか。


統計局の課長も、すべてを知っているわけではないのである。


そのことに、吾輩は、かえって安心した。


     *


「ところで、七号君」


課長が、話題を変えた。


「君は、腸壁地区に出入りしているそうだね」


吾輩は、驚いた。


「なぜ、ご存じなのですか」


「君の提出した報告書に記載されていた」


そう言われて、吾輩は思い出した。


第二話で出会った小さな細菌について、吾輩は報告書を提出した。


ただし、その細菌は、名前を記録してほしくないと言っていた。


そこで吾輩は、個体を特定できる情報を記載せず、話の内容だけを記録したつもりだった。


「課長。あの報告書に、個体を特定できる情報はありません」


「分かっている」


「では、なぜ、腸壁地区にいると?」


「地区名は、記載されていたからだ」


吾輩は、口を閉じた。


たしかに、地区名は記載した。


個体を特定できないようにしたつもりでも、情報の組み合わせによっては、思わぬことが分かってしまう。


吾輩は、またひとつ、学んだ。


記録することには、責任が伴う。


記録した内容だけでなく、記録しなかったこと、記録の仕方、そして、記録を読む者が何を推測できるかについても、考えなければならない。


「七号君。君の報告書は、正式な人口統計には反映されていない」


「なぜですか」


「統計に必要な形式を満たしていないからだ」


「その細菌が、実在していても?」


「実在することと、統計上の人口に算入できることは、別だ」


課長は、悪びれる様子もなく言った。


「統計には、定義が必要だ。対象の範囲を決め、重複を避け、一定の基準で数えなければならない。そうでなければ、数字を比較することも、政策に使うこともできない」


それもまた、筋の通った説明だった。


吾輩は、課長を責めることができなかった。


定義がなければ、比較は難しい。


基準がなければ、同じものを同じように数えることも難しい。


しかし、そこで吾輩は、ひとつの疑問にぶつかった。


「課長。では、定義に当てはまらない者は、どうなるのですか」


「定義を見直す必要があるかどうか、検討することになる」


「いつですか」


「必要に応じて」


またしても、必要に応じて、である。


吾輩は、この言葉を聞くたびに、何かが遠ざかっていくような気がした。


定義に当てはまらない者がいる。


その者を数えるためには、定義を見直さなければならない。


しかし、定義を見直す必要があるかどうかを判断するためには、その者がいることを、まず知らなければならない。


ところが、その者は、定義に当てはまらないため、統計には現れにくい。


吾輩の頭の中で、共和国の制度が、輪になって回り始めた。


これでは、いくら回っても、同じ場所に戻ってくる。


腸内人民共和国であるから、腸が動くことには慣れている。


しかし、制度まで同じところをぐるぐる回る必要はないだろう。


     *


統計局を出ると、廊下の端で、若い職員が書類を抱えて立っていた。


書類は、胸の高さまで積み上がっている。


一番上の紙には、「人口推計・補正資料」と書かれていた。


「重そうですね」


吾輩が声をかけると、職員は苦笑した。


「ええ。数字を合わせるための資料です」


「数字を合わせる?」


「はい。複数の調査結果を照合すると、どうしても差が出るんです。調査の時期も違いますし、対象地域も違いますから」


「それを補正するのですか」


「そうです。もちろん、補正の方法にも根拠が必要です。どの数字を使うか、どこまで調整するか。毎回、検討しています」


職員は、少しだけ声を落とした。


「ただ、最終的な報告書では、数字がひとつにまとまっていないと困るんです」


「なぜですか」


「大臣や議会に説明するとき、幅のある推計値をそのまま示すと、話が進まないことがありますから」


「話が進まない?」


「ええ。結局、どの数字を採用するのか、と聞かれます」


吾輩は、うなずいた。


分からないことがある。


複数の数字がある。


それぞれに根拠がある。


しかし、政治は決定を求める。


決定を求められた職員は、ひとつの数字を選ぶ。


その数字が、やがて「正確な数字」と呼ばれる。


こうして、ひとつの数字が生まれる。


その過程には、必ずしも悪意があるわけではない。


むしろ、誰もが自分の仕事を、まじめに果たそうとしているのかもしれない。


ただ、まじめな者が集まれば、必ず正しい結果が生まれるとは限らない。


吾輩は、そのことを第三話で、少しばかり学んだばかりであった。


「では、最終的な数字には、どの程度の不確かさが残っているのですか」


職員は、書類の山を見た。


「本当は、その幅も一緒に伝えるべきなのだと思います」


「では、なぜ、そうしないのですか」


職員は、しばらく黙っていた。


「……数字に幅があると言うと、仕事ができないと思われることがあるんです」


吾輩は、返事をしなかった。


職員は、笑った。


「おかしな話でしょう。分からないことがあると正直に言うほうが、正確なはずなのに」


吾輩は、少し考えてから言った。


「おかしいですが、吾輩にも覚えがあります」


吾輩だって、知らないことを知らないと言うのは、なかなか難しい。


何かを尋ねられたとき、すぐに答えられないと、頼りないと思われそうである。


相手が困っているときには、何か役に立つことを言いたくなる。


相手の気持ちを理解していないのに、理解したような顔をしたこともある。


正確な数字を求める統計局と、正しい答えを求められる吾輩。


両者は、案外、似ているのかもしれなかった。


「ところで、七号さん」


職員が尋ねた。


「あなたは、何を調べているんですか」


吾輩は、答えようとした。


しかし、すぐには言葉が出なかった。


最初は、統計の間違いを見つけようと思っていた。


次に、数えられない人民を数えようと思った。


そのうち、数えられない者を数えることが、本当に正しいのかどうか、分からなくなってきた。


数えなければ、存在が見えなくなることがある。


だが、数えることで、その者が望まない形で姿をさらすこともある。


吾輩は、答えを急ぐのをやめた。


「まだ、分かりません」


職員は、少し驚いた顔をした。


それから、ほっとしたように笑った。


「そうですか。私も、まだ分からないことがあります」


統計局の廊下で、ふたりは、しばらく立っていた。


誰も、何も記録しなかった。


     *


その日の夕方、吾輩は、再び腸壁地区を訪れた。


第二話で出会った小さな細菌に、統計局で聞いた話を伝えようと思ったのである。


もっとも、何を伝えればよいのかは、まだ決まっていなかった。


小さな細菌は、いつもの配管の陰にいた。


「七号さん」


「こんにちは」


「今日は、何を調べているの?」


吾輩は、少し迷った。


「数字についてです」


「数字?」


「共和国の人口を、どのように数えているのか。それから、数えられない者がいるとき、どうなるのか」


小さな細菌は、しばらく吾輩を見ていた。


「それで、私のことも、数えるの?」


吾輩は、言葉に詰まった。


数えようとしていたのだろうか。


この細菌が存在していることを、誰かに知ってほしいと思っていた。


統計に載っていない者がいることを、共和国に知らせたいと思っていた。


しかし、そのことと、この細菌自身を数えることは、同じなのだろうか。


「……君が望むなら、数える方法を考えることはできると思う」


小さな細菌は、視線を落とした。


「私ね」


しばらくして、そう言った。


「いないことにされるのは、嫌なんだ」


吾輩は、黙って聞いた。


「でも、どこにいるのか、何をしているのか、全部知られるのも嫌なんだ」


小さな細菌は、足元の繊維を指でいじった。


「そんなの、わがままかな」


吾輩は、すぐに答えようとした。


わがままではない、と。


そんなことを気にしなくてよい、と。


君の気持ちは正しい、と。


いくつもの言葉が、口の手前までやってきた。


しかし、吾輩は、それらをひとつずつ、飲み込んだ。


自分が安心するために、相手の気持ちを簡単な答えにしてしまうことがある。


相手のためだと思いながら、実際には、自分が答えを持っている人間でありたいだけなのかもしれない。


吾輩は、ゆっくりと言った。


「わがままかどうか、吾輩には、まだ分からない」


小さな細菌は、顔を上げた。


「でも、いないことにされたくないことと、全部知られたくないことは、両方あってもいいんじゃないかな」


言い終わってから、吾輩は不安になった。


今の言葉は、この細菌の気持ちを理解したことになるのだろうか。


それとも、理解したつもりになっただけなのだろうか。


小さな細菌は、すぐには答えなかった。


やがて、静かに言った。


「そういうことも、あるのかもしれないね」


それは、賛成とも、反対とも言い切れない返事であった。


吾輩は、その返事を、そのまま受け取ることにした。


     *


帰り道、吾輩は統計局の報告書を思い出していた。


一兆三千二百億四千八百万匹。


その数字は、根拠のないでたらめではなかった。


調査があり、計算があり、検証があり、補正があった。


数字を作るために、まじめに働いている細菌たちがいた。


その仕事を、すべて否定することはできない。


しかし、数字が正確であることと、数字がすべてを語っていることは、違う。


数字に表れたものが、存在する。


数字に表れにくいものも、存在する。


そして、存在しているからといって、必ずしも数字にしてよいとは限らない。


吾輩は、手帳を開いた。


いつものように、今日の出来事を記録しようとした。


しかし、ペン先が止まった。


小さな細菌は、いないことにされたくないと言った。


けれど、全部知られるのも嫌だと言った。


その言葉を記録すれば、誰かが読むかもしれない。


誰かが読めば、この細菌を探そうとするかもしれない。


探す者が現れれば、この細菌は、再び隠れなければならなくなるかもしれない。


吾輩は、手帳を閉じた。


記録しないことが、いつも正しいわけではない。


記録することが、いつも正しいわけでもない。


その間には、簡単な計算式では表せない、ひどく面倒な問題が横たわっている。


吾輩は、ようやく、その問題の入口に立ったばかりなのだろう。


     *


翌朝、統計局は新しい人口統計を発表した。


「腸内人民共和国、総人口一兆三千二百億四千八百万匹」


発表文には、こう記されていた。


「本統計は、現時点における最も合理的な推計に基づくものであり、一定の不確かさを含みます」


吾輩は、その一文を読んで、少しうれしくなった。


不確かさが、ようやく書類の中に現れたのである。


しかし、その下には、もうひとつの文が続いていた。


「なお、人民の総意は、引き続き、おおむね良好である」


吾輩は、思わず笑った。


人口の推計には不確かさがあると認めながら、人民の総意については、相変わらず、おおむね良好なのである。


いったい、誰が、どのようにして、人民の総意を推計したのだろう。


吾輩は、統計局に質問状を出そうかと思った。


しかし、質問状を書くには、質問の種類を確定しなければならない。


質問の種類を確定するには、質問の目的を記さなければならない。


質問の目的を記すには、何を知りたいのかを明確にしなければならない。


吾輩は、ペンを置いた。


まだ、分からないことが多すぎる。


それでも、以前よりは、少しだけ分かったことがある。


正確な数字は、大切である。


だが、数字が正確であることを理由に、その数字の外側にいる者を忘れてはならない。


そして、数字の外側にいる者を見つけたからといって、その者のすべてを知ったつもりになってもならない。


吾輩は、腸内細菌七号である。


便宜上だ。


名前は、まだ無い。


今日も共和国では、正確な数字が発表されている。


その数字の中に、誰がいるのか。


その数字の外に、誰がいるのか。


そして、その外側にいる者は、数字の中に入りたいと思っているのか。


吾輩には、まだ分からない。


ただ、ひとつだけ、確かなことがある。


**数えられないことと、存在しないことは、同じではない。**


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