ある女子高生の嫉妬
二章と言いつつ、ストーリーは進みません。飛ばしてもストーリーは分かると思いますが、読むことを推奨いたします。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いにくいにくいにくいにくいにくいにくいにくいにくいにくいニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ………
あの女なんて死んでしまえ!
零華はあたしが通っている高校の同級生だ。濡羽のような黒髪に眼鏡ごしに見える黒曜石の瞳、陶器のような肌は一度も日に当たったことがないかのように白い。華奢な体で、手足なんかは折れそうなほど細い。身長はそこらの女子よりは高いが、あたしよりは低い。その一点でしか勝てていない。そんなの、意味がない。
あたしは一番じゃなきゃダメだ。小学校と中学校ではずっと一番だった。一番でいるために努力もしていた。毎日何時間も勉強したし、運動もした。高校でも一番を取り続けるために。
零華の第一印象は「病弱」だった。そのまま消えてしまうのではないか、と思うほど儚い印象を受けた。
だけど、すぐにそれは覆った。
入学してすぐに学校で受けた全国模試であたしは三位だった。校内順位も全国順位も同じだった。あたしは思わず、採点ミスを疑った。男女別の順位は二位だった。つまり、あたしの上にいる二人のうち、片方は女子だということだ。
誰なのか必死に探した。男の方はすぐに分かった。別のクラスの月浦静空という男だった。そいつは全教科満点を取っていやがった。悔しかったが、超えるべき目標ができたようで嬉しくもあった。
そして、女の方は見つからないまま、体力テストの時期になった。
あたしが通う私立光明学園の高等部の生徒は出席日数が一桁でも試験の成績さえ良ければ進学や就職に影響はない。だから、成績のトップ十はほとんど学校に来ない。恐らく、全国模試であたしより上だった女もその類だろう。
体力テストの日を逃せば次に学校に来るのは一ヶ月後にある前期中間考査だ。あたしは教師から聞き出した出席日数が少ない女を一人ずつ確認していった。記録を測る手伝いを申し出てそれとなく訊いた。訊いたのは五人のうち、四人。全員あたしより下だった。つまり、残った女があたしより上のやつだ。
名前をメモしていた紙を確認したら、最後に残った女はあの病弱そうな女――零華だった。
最後の種目はシャトルランか持久走だ。どっちを選んでもいい。零華が持久走を選んでいたから、あたしも持久走を選んだ。運動には自信がある。体の作り的に、普段からあたし以上に運動をしている男には勝てないだろうが、女には勝てるだろう。
そう、高を括っていた。
結果だけ見れば、あたしは零華に勝てた。体力テストは女子のほうではトップだった。
それでも、納得できなかった。それどころか、零華に敵意すら湧いた。
零華は明らかに手を抜いていた。ぴったり、得点を十点分のタイムでゴールしていた。あたしが自己ベスト更新を喜ぶ姿に見向きせず、汗一つ流すことなく教室に戻っていった。
零華の体の使い方には無駄がなかった。余計な力が入っていなかった。あたしよりも少ないエネルギーで結果を出していた。
零華が手を抜かずに走っていたら負けていた。他のどの競技でも多分、負けていた。
静空は男だ。男に女であるあたしが勝てなくても不思議じゃない。体力テストで静空に負けたこと自体には納得できる。
でも、零華は違う。少なくとも、性別の部分では同じだ。なんなら、背の高い私のほうが有利だ。それで同等以上なのが許せなかった。
手を抜いていたのにあたしと同等以上の結果を出していたことが許せなかった。
あたしは一番じゃなきゃダメだ。父も母も一番じゃないあたしを娘だと認めてはくれない。
一番じゃなきゃ…
いちばんじゃなきゃ…
イチバンジャナキャ…
イチバンジャナキャ…
――あたしに価値はない。
あの女は「病弱」なんかじゃない。人間の皮を被った人形だ。
いつも無表情で眉一つ動かさない。動きもどこか機械的だ。
次こそは勝つ。
その一心で、今まで以上に勉強も運動も頑張った。それでも、零華には勝てなかった。
そうこうするうちに二年生になっていた。
今年こそは勝つ。
勝ってやる。
そう思っていたのに――始業式翌日の全国模試でまた負けた。
せめて、運動……体力テストだけでも勝たなきゃ………
勝てなかったら………
その時は――
一番じゃないあたしに価値なんてない。
――ダカラダァレモコマンナイヨネ
一人称視点苦手です…
私が書いている小説の主人公(セナや投稿していない小説の主人公達)は一人称視点が難しいため、三人称視点に一人称を混ぜたようなかんじで書いてます。多分、一人称視点が苦手なのは普段から書かないからでしょうね………
一章の感想、気が向いたら送ってください(レビュー?的なのでできたハズ…!すんません。作者はやり方知りません)
リアクションもあったら嬉しいです。評価&ブックマークも気が向いたらお願いします(作者は最近やり方を覚えました)。
番外編(季節のイベントなど)のリクエストがあったら是非、感想と共に送ってください!




