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ゴミスキルだと捨てられた少女たち、実は最強の生活能力スキルだったので気楽なスローライフ冒険旅を満喫する  作者: 鳥助


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21/34

21.勝利の後

「本当に倒しちゃった。サリサって本当に強いんだね」


「怪我はなかったですか? どこか傷めたりは?」


「ふふん、わらわの強さをようやく理解出来たか。こんなことで怪我をするほど、わらわは軟じゃないぞ!」


 みんなで特殊個体を確認すると、サリサが自慢げに胸を張った。こうして目の前で強さを証明されて、否定の言葉なんて浮かばない。


「サリサが一緒にいてくれて良かったよ。こんなに強い子が仲間なら、これからも安心して旅が続けられそう」


「そうですよね。サリサがいてくれるから、安心できます」


「お前たち、今まで信用しとらんかったのか! ま、まぁ……今回の事でわらわのことを見直したじゃろ! 今後はわらわを存分に頼るがいい! わっはっはっ!」


 サリサが強いことは分かっていたけれど、どれだけ強いのかは分からなかった。だから、今回の事でサリサの強さがはっきりと分かった。


「さて、こいつはアイテムボックスに入れておくとしよう。よし、町に帰って報告じゃ!」


「そうですね。冒険者ギルドの人たちを早く安心させたいですしね」


「よし、戻ろう」


 サリサがアイテムボックスに特殊個体を入れると、私たちは町を目指して歩き出した。


 ◇


「あなたたち、どこへ行っていたんですか!?」


 カウンターに顔を出すと、受付のお姉さんが心配して声を上げた。


「森には特殊個体が出たんですよ。危険だから、町の外へは出ない方が――」


「その、特殊個体とやらはわらわが倒したのじゃ」


「えっ? 倒した? ……いや、そんな話が……」


「ほれ、見ているがいい」


 困惑するお姉さんにサリサはアイテムボックスから特殊個体を取り出した。体長三メートルを超える体長。それが突然、冒険者ギルドに出て騒然となった。


「こ、これは……!」


「どうじゃ、凄いだろう! わらわが一人で倒したんじゃぞ!」


「そんな、本当ですか?」


「もちろんじゃ! そうじゃないと、ここまで持ってこれんだろう?」


 自慢げに胸を張るサリサ。すると、あっという間に周りには人だかりが出来た。


「あっ! こいつだよ、俺が見た特殊個体!」


「えっ!? だったら、本当に倒されたってことか!?」


「嘘だろ!? めちゃくちゃ強い奴を、この子がっ!?」


 話を聞いた冒険者たちは信じられないといった様子で驚いていた。それもそうだ。十歳にしか見えない子が、とても強いと言われている特殊個体を倒してきたのだから。


「本当に倒されたのか……」


「そんな、この子が?」


「信じられん……。だが、目の前の事実は真実……」


 冒険者だけでなく、冒険者ギルドの職員も出てきて、一気に騒がしくなった。


「どうじゃ、凄いだろう! 簡単に一ひねりじゃったぞ!」


「本当だよ。サリサが怪我もなく、一発で特殊個体を倒しちゃった」


「怖くてあまり見てませんでしたが、嘘ではないです」


 サリサの援護をするように私たちも正直に話した。すると、嘘ではないと感じた大人たちが一気に騒ぎ出す。


「そいつはすげぇ! 嬢ちゃんはめちゃくちゃ強いんだな!」


「ということは、もう森で活動出来るってことか! ありがとよ、嬢ちゃん!」


「大した嬢ちゃんだ!」


 ワッとなってサリサを取り囲み、みんなで褒めたたえた。


「わっはっはっ! わらわの凄さをようやく分かってくれたか!」


 サリサは上機嫌になって、高笑いをした。その姿が本当に可愛らしくて、周りにいた大人たちが可愛がるように頭を撫でていく。


「ふふっ、サリサったら。あんなに嬉しそうな顔をして」


「本当に嬉しいんだね」


 サリサも誰かの役に立ちたかったんだろうと思った。スキルがアイテムボックスで、直接誰かの助けるものじゃない。だから、私たちに負い目を感じていた。


 だけど、今回の事でサリサは自分の力で助けられると強く実感したことだろう。そのお陰で、あんなに明るく自信たっぷりになった。


 そんな嬉しそうなサリサを見て、こっちまで嬉しくなってくる。遠巻きに見つめて、騒ぎが落ち着くのを待つ。


 サリサの周りが人で覆われていた時――私たちの前にそれとは別の大人が立ちはだかった。


「君たち、あの嬢ちゃんの連れだね」


「うん、そうだけど」


「凄い嬢ちゃんだね。力も強ければ、あんなに大きな物を持ち運べる能力もある。ぜひ、お近づきになりたいな」


「だから、向こうで少し話をしないか?」


 嫌な笑みを浮かべて、手を伸ばしてきた。こいつら……私たちを使って、サリサを利用する気だ。


 すぐさま、その手を振り払う。


「そんなつもりはない」


「そんな冷たいこというなよ。色々とさ教えてあげるから、な?」


「一緒に来てくれよー」


 にやにやと笑いながら、さらに近づいてくる。怯えるティナを守るように前に出ると、伸ばしてきた手に噛みついた。


「くっ、こいつっ……」


「捕まえてしまえ!」


 すると、豹変して強引に肩を掴んできた。その力に抗えず、体が引っ張られる。こいつら……強いっ!


 どうにかしようと考えていた時――目の前の大人たちが吹き飛んでいった。


「ぐはぁっ!」


「うっ!」


 床に叩きつけられて転がる。顔を上げると、そこには怒り顔のサリサが拳を構えていた。


「わらわの仲間に手を出すとは、度胸のある奴らじゃ」


「サリサ……」


「二人とも、大丈夫じゃったか!? 怪我はないか!?」


「うん、サリサのお陰でなんとかなったよ」


「そうか、良かった……」


 無事のことを伝えると、サリサは心底ホッとした表情になった。


「とにかく、奴らは冒険者ギルドに突き出そう。それから、特殊個体の買い取りもしないといけないな。二人とも協力してくれぬか?」


「もちろん!」


「手伝います!」


「うむ、助かるのじゃ! 持つべきものは仲間じゃの!」

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