海巫女
海巫女
侍女に案内された出口に男がいた。
「おれは、サダオという、巫女様の手伝いだ。海巫女様のところにご案内するだよ」
よしおは、急の展開に驚いたが、巫女様のご指示だと思い覚悟を決めた。
「よしおだ、ケヤキの者だ。よろしく頼む」
へ、へ、へと笑いながら水辺へ向かった。
小屋の間をスルスルと歩いていくと、浜辺が広がっていた。
風が吹きつけてくる。
若い男、子どものようだ。サダオを見つけると、近くの船に両手で押さえて、どうぞと舟をすすめた。
サダオがこの船で向う。と促した。
よしおは丸木船には慣れていたから、サッと乗り込むと、サダオが竿を持って子供に声をかけた。
「海巫女様の所に行ってくる」
子供は返事をして舟を押し出した。
舟が水辺から沖に漕ぎ出した。
サダオは、竿を使って舟を進める。
よしおは、波のない静かだが広い水面を見ながら沖から吹いてくる風に当たっていた。
よく見ると、沖には何隻か、網をワッと広げて魚を捕ろうとしているものがいくつかあった。
広いな、、、よしおは感動していた。
ジャッ、ジャッ
竿を抜く音だけが響いた。
かなり早く進んでいるようだ。
対岸の岸が見えてきた。
水辺には、丸木船が何艘か並んでいる。
舟を陸に上げて、崖を上に登っていく、すると、小屋がこっちに向いて立っている。
網が干されてる。
左右に小屋が立ち並んでいて、その間の中に入る。
そこは人が沢山いて、魚や果物〜軒先に並べていた。
よしおは、感心してキョロキョロと見渡していた。
あの水辺の先にこんなに活気のある集落があるなんて知らなかった。
「よしお、驚いたか?ここは、海の里だ。それぞれ物々交換してるんだよ」
よしおは、物が動いてる事が凄いと思った。
おい、この広場の先だ。
と、広場が現れ、その奥に小屋があって、その前に寝そべってる女がいた。
「よしお、あの方が海巫女様だ。」
サダオが、挨拶して海巫女に声をかけると、仕方がないなぁという感じに起き上がった。
よしおは慌てて、頭を下げた。
「ケヤキの集落から来たよしおです」
と、紹介してくれた。
海巫女は、ぼーっとしている。
「ケヤキ集落のよしおです。北川辺の大巫女様から伝言があります。」
ぼーっとしながらよしおを見てる海巫女が、頷いた。
サダオがよしおを促した。
「南から大きな勢力が来てるようです。と大巫女様が仰っていました。」
しばらく考えた海巫女は、目をキットよしおに向けて答えた。
「ご苦労、土浦の巫女から指示されたんだろう。北川辺の大巫女は、我のこと言わなんだか」
よしおは、頷くしかなかった。
サダオが、仕方ないなと、答えた。
「海巫女様、冗談が好きなんだ、大丈夫だ、しっかり理解されとる。安心せい」
サダオの言葉に、何を言ってるのか理解できなかった。
「海巫女様、よしおは、水戸の巫女様のところにも行くようです。連れて行って良いでしょうか。」
サダオを睨む海巫女だったが答えた。
「もっと、気楽に動かないと疲れちゃうよ。はいはい、分かった分かった。サダオの言うとおりで良いぞ」
サダオが大きく頭を下げて、海巫女から離れて、よしおを連れ出した。
よしおは、これでよいのかと思うが、同仕様もない、しぶしぶついて行った。
またさっき着いた場所に戻り、丸木舟を水辺に押し出した。
相変わらず、水は静かで、風が後ろから吹き付けていた。




