土浦の巫女
土浦の巫女
朝もやはすっかり晴れて、爽やかな風が水辺から吹いてくる。
よしおは、巫女の動きをゆっくりと眺めていた。
巫女は、漁民たちの祈りを済ませ、水辺の遠くを見て、よしおの方に向き直った。
よしおは吃驚して、膝まづき、頭を下げた。
「良い、頭を上げよ、そなたはこの集落の者じゃないな」
よしおは、頭を上げて答えた。
「はい、ケヤキの集落のよしおと申します。北川辺の大巫女からお言葉を持ってきました。」
巫女は、よしおの顔をジット見つめている。しばらくして、
「何ぞ証はあるか?」
「はい、これをケヤキの護符と籾です。」
護符を受け取り、しばらく睨見つけ、籾を確認した。
「すまんのう、了解した。中に入れ」
巫女は護符と籾を返し、大きな小屋に入って行った。
侍女が寄ってきて、巫女に上着を着せて、よしおの方を睨んだ。
よしおはバツが悪そうにしたが、巫女が前に進むので付いていった。
そこは大きな広場のような部屋で真ん中に石で組んで周りを囲んで中で、黒い木が赤く燃えていて、青白い炎が微かにたっていた。
巫女はその先に胡座かいて座った。
「よしおとやらも座れ」
よしおは言われるまま、ぎこちなく座った。
「それで大巫女様は何と」
「はい、南から勢力が来ているそうです。我らのところにも来ました。
大きな船を使うらしいです。その事を伝えよと仰っていました。」
巫女はしばらく沈黙し目をつぶった。
「そうか。」
巫女は、それ以上話さない。何か不思議な感じをよしおは感じていた。
巫女が今度はよしおをみていた。
しばらく見て笑顔を見せ話した。
「よしお、お主は正直者事やな。大巫女様に見込まれたか」
「・・・」
は、は、は、と大笑いする巫女。
「良いのじゃ、わしも気に入った。南の動きは、我らの間で話があった。人を遣わすほどの勢いがあるということか、、、そうじゃ。そなたは、これからどうするのじゃ」
「はい、大巫女様の言いつけでは、水戸、那須、宇都宮の巫女様方にも伝えよ。とおっしゃっていました。」
「そうか、では、海の巫女にも知らせてもらおう。」
「海の巫女様とは?」
「ここから船でいけばそこにおられる。大巫女様は我から伝えると思ったのじゃろう。重要な巫女様じゃ、しっかり同じ事を伝えてくれ」
「あの、どうすれば行かれるのでしょうか?」
また、は、は、はと大きく笑い
「侍女に案内させる。良う来たご苦労であった」
と巫女が返すと、侍女に言付けして、指を差した。
よしおは大きく頭を下げていると、侍女が肩を叩き、こちらですと案内した。




