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関東の縄文  作者: 熊さん
第五章:取り残される王国
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権現堂の巫女

※この第五章は、『忘れられた王国』第五章と同じ内容です。

 『関東の縄文』第四章を執筆している過程で、

 『忘れられた王国』の構想が完全にまとまりました。

 現在は次作『もう一つの武士の誕生』の執筆に力を注いでいます。

 本作を完結させるため、同章の文章をそのまま掲載いたします。

 どうかご理解いただければ幸いです。




権現堂の巫女



微高地の川沿いに大きな竹林が広がっており、権現堂でも、竹弓をはじめ、竹細工の加工も特産として、職人が増えていた。


日常使い、田んぼの耕作や水利の管理。

権現堂では、十分の民が平地の耕作などが充実していた。

かつての湿地帯に田んぼが増え、民の小屋も増えていた。


一方、利根川下流での弥生化が進むと、他領の者と思われる兵が田んぼなどを荒らしに来るものが出てきた。


北川辺やケヤキとともに、ひとつの領地として意識が生まれてきていたが、権現堂の巫女は、率先して、自らの武力の訓練を欠かさず、皆にも奨励していた。


男どものなかには、従軍兵としての形が整い、田んぼの端にある領地の境目に、監視小屋を置くなど、その豪族かとしての体制が整った。


そこで権現堂の皆は、巫女を棟梁とみなし、武力の指導を中心に豪族化が進んだ。


微高地の真ん中に広場があり、その小屋に巫女は暮らしていた。


「おはようございます。巫女様、訓練の時間です。よろしくお願いいたします。」


権現堂の微高地に暮らしている兵が集まり、訓練が行われる。


「皆、揃ってるな、まずは素振りだ。」


太い竹を細く割って、手に持つ所を草でぐるぐる巻いて、柄のように手で握れるようにして、割れた竹の先をまとめて竹刀のような刀を振る。


風を切り、ビューン、ビューン

という音が響く。


「よし、対人戦闘の訓練だ。」


今度は二人一組になり、対人で打ち合う。


バチ、バチ、バチ、


という音とともに、相手の好きに入り込み、足を蹴り出す。


取っ組み合いにはならないが相手の動きに合わせた、組み手が行われる。


最後に竹弓の試写が行われる。

20から30メートル離れた場所にわらをまとめたを置いて、竹弓を射掛ける。


シュッ、トン

シュッ、トン

シュッ、トン


三組ぐらいに分けて試写が行われる。


「弓を大きく両手、両腕で上から下に広げろ。押さえる手や肘が曲がらないように、反対の手は、口元だ。」


シュン、シュ、トン


権現堂の巫女の弓の威力が違う。


兵は巫女の動きに従い、再び打ち出す。


シュッ、トン

シュッ、トン

シュッ、トン


「打つ時の集中を忘れスマにな。」


巫女は指導者としても優秀であった。


ケヤキのリーダーがやってきて、巫女と話をしている。


リーダーは権現堂の防衛の体制を確認して、巫女にはケヤキの民が入り込む位置も確認している。


「リーダー、お前らの助力に感謝している。」


「巫女様、我らの領地の事です。」


二人は、細かく様々な場合の話し合いを続けた。


気が付くとリーダーは消えていた。


権現堂の空は高く、鷹が飛んでいる。


ピー


と鷹が鳴いた。


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