狩りの成果
狩りの成果
昼過ぎに、狩りのグループが帰ってきた。
ケヤキの民が前回よりも一匹多く狩れて、19匹が狩れたらしい。
広場はわざわざと、騒がしくなった。
小屋の中で、サワは大巫女と話をしていた。
「今回も狩りはうまくいったみたいじゃのぉ」
「大巫女様は、狩りの指導はしないのですか?」
「この狩りは、ケヤキのリーダーが中心で動いている。彼の提案じゃ」
そこへ権現堂の巫女が入ってきた。
「大巫女様、今日も上手くいった。ケヤキの民の竹弓も上手くなってた。リーダーが当てておったよ」
大巫女はニコニコして聞いていた。
サワは、疑問に思ったことを聞いた。
「竹弓って難しいんですか?」
権現堂の巫女が大きな声で
「当たり前じゃ、我らの技術を渡したんじゃからな。精進してた。」
権現堂の巫女は、竹弓の強さを竹の特徴や弓の引きの強さを説明してくれた。
サワはなるほどって、と納得し、共闘の話も聞いた。
「ケヤキのリーダーが、皆でやろうといいだし、上手く言ったんだよ。」
大巫女もフムフムと頷いていた。
サワは、まさに武力ですねと切り返した。
大巫女か答えた。
「武力ではないぞ、共闘は、狩りのための手段じゃ」
サワには、え、でも武力にと言おうとしたが、権現堂の巫女が続けた。
「武力は、獣相手のことには使わん。我らは武力を使ってるのではない。」
サワは、これは考え方が違う事に納得した。
そうだ武力ではないんだ。
そう思った。
冬が続いていたが、北川辺の生活にも慣れてきた。
三殿台の公益の人間が来た時の、三殿台の族長を通して伊勢の大巫女様に、北川辺の生活に慣れて、来年の春にスイデンの手伝いをすること、北川辺や権現堂やケヤキの集落に入ることを伝えてもらう。
サワは順調に進んでいると感じていた。
大巫女の懐の深さや権現堂の巫女の強さなどに馴染んでいた。
春が来て、大巫女の小屋で春の宴の宴会があった。
小屋に権現堂とケヤキの集落が集まった。
大巫女が温度を取って宴が始まった。
サワは共闘の効果よりも馴染んてる皆の姿に感動した。
サワはケヤキの巫女に話しかけた。
「共闘ではどんな役目をされてるんですか?」
初めて会うが、巫女であることに気が緩み、突然の質問をしてしまった。
「ケヤキのリーダーが計画を立てるから、その話を聞いているだけかな」
え、とサワは聞き返した。
「それはどんな役目なのですか?」
ケヤキの巫女は、笑いながら、そんなものだろうと答える。
サワには、この余裕が分からなかった。
曖昧な巫女の姿勢に不安を感じた。
何故、ケヤキの巫女は、他所の集落の中にリーダーが入ることを気にしてないんだろう。
違う集落でも争いが起こらないのが気になった。
春が始まり、サワは大巫女に聞いた。
「ケヤキの巫女に会いにいきたいんですけど、どうすれば良いですか?」
大巫女は、侍女に伝えた。
「サワを丸木舟で、行田に行ってそこから行けばケヤキの大木がある。男に案内して貰えば良い。」
サワは、丸木舟に乗って行田にいき、ケヤキの大木の下の小屋に向かった。
サワはケヤキの大木を見つけて、歩いた。
利根川は、丸木舟を使うと便利で、すぐ着いた。
微高地に上がるとケヤキの大木が見えた。
《あれかな、立派な木だな、、、ここは、川が近くあって、水田も、、、あ、そこに水利を引いて、、、》
サワはつい、水田の耕作のことを考えた。
しかし、ケヤキの巫女に会いに来たんだと思い返した。
微高地から降りると森が広がっていた。
小屋がいくつかあって、子供の声が聞こえる。
小屋を越えてケヤキの木を見つけると、小屋の前で、声をかけた。
「巫女様、サワです。お会いできますか?」
中から出てきたのはリーダーだった。




