↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
関東の縄文  作者: 熊さん
第4章:王権の核
PR
43/49

大巫女との出会い

大巫女との出会い



北川辺の大巫女は、焚き火の前で座っていた。

正面に伊勢からの巫女の卵、サワが入ってきた。


大巫女は、手を合わせて、目を瞑っていた。

手を大きく前に出して両手を膝の上において、目を開けた。


「サワ、よう来たな。北川辺は、お主を迎えることに決めた。」


サワは今さら何をと、思った。


「お主は川を登る時に興味を前面に出し、ようキョロキョロと見ておった。お主の姿勢は、気持ち良い。気に入った。」


サワは、見られていた事に、驚愕した。

舟には誰も北川辺の者はいなかった筈だ。


「大巫女様、どうしてそれをお分かりになるのですか?」


大巫女は、嬉しそうに笑っている。


サワは不安になった。


「よいよい、儂は、鷹の目で見ておったのじゃ。」


簡単に答える大巫女、確かに鷹が高く空に飛んでいた。

え、とサワは聞いた。


「あの鷹の目に、、、」


伊勢の大巫女にもできるだろうか?


サワは、いきなりの事に言葉を失ったが、、、何とか続けた。


「大巫女様、関東の平原を観ました。とても感動しました。奈良にもなかった広さでした。」


やっとの事で話を続けた。

しかし大巫女は、


「まだ、我らには米の作付けが不十分だ。獣を狩る以外に生きる手段がない。米の作り方を教えておくれ」


いまは冬、米の収穫も終わり、来年からやる事を貰えた。

やっても良いのか?

サワは大巫女の素直な言葉に感服してしまっていた。


こうして、サワの北川辺での暮らしが始まった。

サワには、侍女が一人いたが、自由に動けた。

誰も彼女を疎まない。


利根川を見に行った。


美鈴川とは全然違い、荒々しく見えた。

あんなにスムーズに来れたのに、何故だ。


川を見つめてると漁師らしい男が、


「この川はこれが普通だ。大巫女様が守ってぐださってくれてる。安心せい。」


川と平原それに森、暮らしのスケールが違っていた。


サワが来てから何日かたって、大巫女の小屋の前の広場に人が集まって来ていた。


明らかに違う部族の者たちだった。


大巫女がサワを紹介すると、皆、彼女を見つめたあと、よろしくお願いしますと挨拶してくれた。


竹弓を持った大きな女性が、ツカツカとやって来て、


「権現堂の巫女じゃ、よろしく頼む。お主は米作りに堪能だと聞いた。うちの集落にも来てくれ」


すると北川辺の親父が、笑っている。

サワは既にこの親父を知っていた。


そしてケヤキの民リーダーが声をかけた。


「ケヤキの民だ。うちのケヤキも見に来てくれ」


挨拶が終わると、皆、よし、と声を出して、どこかへ行ってしまった。


大巫女が答えてくれた。


「いまからシカ狩りじゃ」


すると、老人や女の何人かが、獣の皮剥や肉をさばけるよう準備を始めた。


空には鷹が高く飛んでいった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。